なぜ資産額よりキャッシュフローが重要なのか|#87(第5章)
資産形成をしていた頃の私は、「資産額」がとにかく重要だと思っていました。
1,000万円、3,000万円、5,000万円、1億円。
数字が増えていけば、安心感も比例して増えていく。そんなイメージを持っていました。
実際、資産が増えていくのは嬉しいことでした。
証券口座の評価額が増える。
含み益が増える。
過去最高額を更新する。
それ自体は、やはり達成感があります。
ただ、FIRE後に生活してみて、少しずつ考え方が変わっていきました。
今はむしろ、「資産額」そのものよりも、「毎月どれだけ安定してお金が入ってくるか」の方が、はるかに重要だと感じています。
つまり、キャッシュフローです。
これは、実際にFIRE生活をしてみて初めて強く実感したことでした。
例えば、資産5億円を持っていたとしても、その資産がすべて株式だった場合、相場によって大きく上下します。
1日で数百万円動くこともありますし、暴落局面では数千万円単位で減ることも普通にあります。
しかも、生活費をそこから取り崩していく前提だと、「相場が下がっている時にも売らなければいけない」という状況が発生します。
これは、思っている以上に精神的な負担が大きいと思います。
以前の私は、まさにこの感覚に違和感を持っていました。
資産は増えている。
でも、その資産を使い始めた瞬間から、今度は「減らさないようにしなければ」という不安が始まる。
これでは、いつまで経っても安心できないのではないか。
そう感じるようになっていきました。
また、FIRE界隈でよく言われる「4%ルール」に対しても、自分の中ではずっと違和感がありました。
理論としては理解できます。ただ実際に、その方法だけで長期間FIRE生活を続けている人の話を、私はあまり見たことがありません。
特に怖いと感じていたのは、株式市場が長期間伸びない“踊り場”のような局面です。
株や投資信託が右肩上がりを続けている間は良いと思います。
ただ、相場が停滞したまま、その中で資産を取り崩し続ける生活は、想像するだけでもかなり精神的に厳しいと感じていました。
しかも、FIRE生活では、その状態が何十年も続く可能性があります。
「このまま取り崩して本当に大丈夫なのか」
そんな不安を抱えながら生活するのは、自分の性格にはあまり合わないと思ったのです。
そして、その違和感が、不動産や債券へ向かう大きな理由になっていきました。
不動産の家賃収入。
債券の配当収入。
これらは、相場が多少動いても、毎月一定のお金が入ってきます。
もちろん、空室リスクや信用リスクなど、別のリスクはあります。
ただ、それでも、「資産を売らなくても生活費が入ってくる」という感覚は、想像以上に大きな安心感がありました。
特に、FIRE後はこの違いを強く感じます。
今の私には、ある程度安定したキャッシュフローがあります。
その結果、「生活費のために資産を売る」という感覚がかなり薄くなりました。
これは精神的にかなり大きいです。
例えば、株式中心の資産形成だと、「今月はいくら取り崩すか」を常に考える必要があります。
しかも、相場が悪い時ほど不安になります。
一方で、キャッシュフロー中心になると、「今月も入ってくる」という安心感があります。
これは、数字以上に大きな違いでした。
また、生活設計もしやすくなります。
毎月どのくらい入ってきて、どのくらい使うのか。そのイメージがかなり持ちやすい。
私は今でも、エクセルでかなり細かく収支を管理していますが、これもキャッシュフローがあるからこそ設計しやすいのだと思っています。
逆に、含み益中心だと、どうしても相場依存になりやすい。
例えば、「今年は株価が好調だから安心」という状態は、裏を返せば、「株価が下がったら不安」とも言えます。
もちろん、長期投資そのものを否定するつもりはありません。
実際、自分自身も積立投資を長く続けてきました。
ただ、FIRE後の生活まで考えた時、「資産が増えること」と、「安心して生活できること」は、少し違うのだと感じています。
そして最近は、「自由を支えているのはキャッシュフローなのかもしれない」と思うようになりました。
毎月お金が入ってくる。
だから、焦らなくていい。
無理に働かなくてもいい。
相場を毎日見なくてもいい。
これは、かなり大きな価値でした。
特に自分の場合は、「資産を取り崩しながら生活する」という感覚が、どうしても性格に合いませんでした。
減っていくものを使い続ける感覚が、不安だったのだと思います。
だからこそ、「増やす」だけではなく、「回る仕組みを作る」ことを重視するようになりました。
不動産も、債券も、結局はそこにつながっています。
今振り返ると、自分が求めていたのは、“大きな資産額”そのものではなく、「生活が自然に回っていく状態」だったのかもしれません。
そして、その土台になっているのが、キャッシュフローでした。
もちろん、資産額も大切です。
ただ、FIRE後の安心感に直結するのは、むしろ、「毎月、安定して入ってくるお金があるか」。
こちらの方だと、今は強く感じています。
次回(第88話)は、
「いくらあれば安心か」に正解はないについてお話しします。
この連載は100話まで続く予定です。参考になったら「❤️スキ」や「👤フォロー」をして、続きを読んでいただけると励みになります。
📌今回の内容を踏まえて、皆さんはどちらに近いと感じますか?
A:資産額が大きければ安心感はかなり増えると思う
B:資産額より、毎月のキャッシュフローの方が重要だと思う
どちらに近いか、理由もあればぜひコメントで教えてください。(コメントには必ずご返信させていただきます)
今後の発信や資産形成の参考にさせていただきます。
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