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投資信託をすべて売却し現金化した日|#33(第2章)

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2020年11月。不動産会社を通じて進めていた一棟目の融資が、無事に承認されました。

いよいよ、実際に不動産投資を始める準備が整った瞬間でした。まず必要になったのは、頭金の用意です。

今回の物件は3,800万円。頭金として約10%の380万円、さらに諸費用なども含めると、合計で約600万円ほどの資金が必要でした。

この600万円については、手元の資金から用意することもできましたが、ここで私は一つの決断をします。それまで積み立ててきた投資信託「世界経済インデックスファンド」を、すべて売却することにしました。

売却額は、約6,000万円。

本来であれば、必要な600万円分だけを売却するという選択肢もありました。実際、その方が合理的に見える部分もあったと思います。

ただ、中途半端に資産を残してしまうと、結局はインデックス投資での資産形成から抜け出せないのではないか、という感覚がありました。

以前から感じていた「取り崩しの問題」や「時間の問題」。それらを根本的に解決するには、一度しっかりと区切りをつける必要があると考えました。

そのため、このタイミングですべて売却することにしました。この時点で、インデックス投資の積立も完全に終了しました。また、給与からの積立も、行うことをやめました。

思い返せば、ちょうどその年の2020年3月。新型コロナウイルスの影響で株式市場は大きく下落しました。これまで経験したことのないような急落で、一時的には不安を感じたこともありました。

もともと大きな値動きは得意ではなく、含み益が大きく減っていく状況に、正直なところモヤモヤした気持ちもありました。それでも、ここで売ってしまっては意味がないと考え、狼狽売りすることなく持ち続けました。

その後の金融緩和によって市場は急速に回復し、結果として無事に利益を確定することができました。

この経験は、自分にとって一つの自信にもなりました。そして今回、その資産をすべて現金化したことで、次のステージへと進む準備が整ったと感じました。

さらに、この決断にはもう一つ理由がありました。

不動産投資は、一棟で完結するものではなく、複数棟を取得していくことで資産形成を加速させていくものだと考えていました。

具体的な件数までは明確に決めていたわけではありませんが、可能であれば最低でも3棟、4棟と買い進めていきたいというイメージは持っていました。

そのためには、いつでも動ける状態で資金を持っておくことが重要だと感じていました。

投資信託のまま保有していると、売却のタイミングや心理的な迷いが入り込みやすくなります。一方で、現金として手元に持っておけば、チャンスが来たときにすぐに動くことができます。

また、「これから不動産で資産を築いていく」という意思を、自分の中で明確にする意味でも、この現金化には大きな意味があったと感じています。

これまでの資産形成は、「積み立てて増やす」というものでした。しかしここからは、「資産を動かして増やす」というフェーズに入っていきます。

現金化した6,000万円は、不動産投資という新しい挑戦の原資になります。振り返ると、この決断が大きな転機でした。

ここから私は、6年間でアパートを4棟購入し、資産を拡大させていくことになります。そして最終的には、ファットFIREと呼べる状態にたどり着くことになります。

このときはまだ、その未来を具体的にイメージできていたわけではありません。

ただ、「これまでとは違うステージに進んだ」という感覚だけは、はっきりとありました。


次回(第34話)は、横須賀の中古アパートを3,800万円で購入したときの話です。

不動産投資の一棟目として選んだ物件の内容や、購入に至るまでの流れについてお伝えします。

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