【マンガ感想文】『ボクラノキセキ(33) 特装版』久米田夏緒
感想が超長くなってしまった。
カラー口絵
フィッツロイとクライトン。
総扉絵
ベロニカとユージン。表向き建前的なやんごとなき夫妻。
#158
城襲撃時、フィッツロウがユージンと合流した場面。ここでの会話…襲撃計画は城内のモースヴィーグ側ではユージンだけが知っていたのは既知だが、ユージンの意図。
そしてカーラがゼレストリア側に襲撃を知らせて回れば時間稼ぎになる。ここでのユージンの相手を油断出せる演技は成功。
「重要情報を持った異端者」について、引き続きベンノ=菊池への尋問でアーレンと分かった。やはりこの男はまだまだ本筋に絡んでくる。しかも襲撃が早まった理由というから、教会は軽視していなかった。
菊池の暴露のタイミングについてユージン=瀬々の推理…?
#159
扉絵はアーレンと幼き日のリュカ。教会に反抗する同志だったリュカとアーレン。
しかしリュカが現実主義者ならアーレンは理想主義者。どこかで袂を分かつしかない。その上でリュカ=仁科へのアーレンの伝言とは?
瀬々、ユージン程頭がよくなかった。まだまだ思い出し切れていないのを考慮しても、地頭はともかく頭の回転は悪そう。
リュカの母親は逃げる時に使用人と間違われて追手の神官に殺されていた。その直後にアーレンはその神官を殺した。よってあとがきマンガとなる。
果たしてアーレンは転生しているのか。本作だと割と転生しているか否かが未決定の人物がいるが、そこが分からない様に話が進んでいく。
大木の憤激。前世ではリュカに殺され、現世では仁科に利用されれば、まあそれも仕方ない。コンプレックス強めだし。しかしそんな大木も皆見は静かに収めるのだった。
そして最後、誰かがこちらを見ていた。アーレンかもしれないと思う、コットン=七浦はあまり頼りにならない。槙との長いエピソードで評価が確定してしまった。
#160
人影を追って七浦が去った後、パティ=山田が教室の引き戸を閉め直した描写、絶対何かある。山田はとても頼りになる。そして七浦が戻って来てからの山田の回想。ここで異端者情報をゲイル司教に伝えたというが、それほど重要との自覚は無し。
また場面変わって前世会議。皆腰抜けだったが、それもまた仕方なし。そんな中でのベロニカの頭の回転の速さよ。一際臆病なオーブリーに的確な指示を出した。一緒についてこないと分かってからの次善策もナイス。
オーブリーが通る筈だった地下通路を封鎖したのはパティだったが、その理由が襲撃が早まってピアスが足らなくなったのでゼレストリア人から強奪する必要故、と。
最後、礼拝堂にいたベロニカとリダの元にフィッツロイが。
#161
扉絵は正装(?)のベロニカ。そこからベロニカとフィッツロイ等の問答。まあまともに成立するはずもないが、そんな中でも懸命に頭を働かせて突破口を、せめて機会をと窺うベロニカ。まさに皆見が現世で受け継いだものだ。
カーラはこれよりも前に襲撃を知らせに行っていた上、モースヴィーグ人も移動していた。しかし#158で既知の通り上級貴族以外は皆殺しだったから無駄だった。そんな事情を知って行動できる奴などいない。
遅れてやって来たクライトン=阿部の追加情報。フィッツロイと一緒にいたせいで彼らの事情を知っていた。よくあるエヴァンが吹き込んだ嘘を5人が共有していた。
しかし圧倒的不利な状況でのベロニカの交渉術はさすがで、活躍の場を与えられなかったのが心残りどころではなく、それが皆見の原動力でもある。鍵のありかでのカマかけは見事。そして夫・ユージン登場。
#162
扉絵はリリーとバルト。平和な日常の一コマ。
襲撃時の教会の対応と、それに反抗したリリーとジャレッドが久々の登場。礼拝堂の前まで来た二人に知らせるベロニカの叫び。これも中々。そしてここで再登場のコンラドが二人を導く。
所でヴィンスはリダに軽蔑されている。どこまでもユージンに忠実な騎士は彼しかいないから真にやむを得ない次第。
ベロニカから手を放せというユージンの命令を聞かない騎士。力関係はあくまでエヴァンで、ユージンなど禁呪使用者である以外の価値はないという事。しかしユージンはここでも油断させようと回りくどい策を。
する内、騎士の一人がベロニカを助けると。そもそも生け捕りが必須だが、血を流したら事だ。
ここでの重要情報は、回復魔法を受けたと被術者が知ったら死ぬというもの。ジャレッドもリリーも知らないなんて、酷い秘密主義だ。これは事実上「死者蘇生」並の禁忌では?
#163
扉絵はコンラド・オーギュスタン・ヴィンスの三人。何が起こった?
コンラドとリリーとジャレッドの会話。コンラドもこうした世界にいてすっかり猜疑心が発達したのもこれまたやむを得ざる所。一方のリリーとジャレッドは単に育ちの良さだけか?
ベロニカとクライトンのやりとり。結局、手玉に取ったのはベロニカだった。この後、リダと城内を駆けているからそうなる。
阿部もベロニカを脅威と思っていなかったから現世で危険視はしていなかったと#161。
倉庫に立てこもっている男を確認しろと命令されたヴィンス。ユージンの実にバカっぽい発言を辛うじて理解し、グレンの唐突な出現もあって難を逃れた。そこにコンラドも合流。そしてようやく地下通路への扉が開いた。
あとがきマンガ
菊池の脅迫的言質について。幼少期を思い出したベロニカだったが、それをユージンに話していたというのもポイント高し。ちっちゃい子に起こっても仕方ないので、お母様の教育方針は正しい。しかもそれがベロニカに効いたのだから。
アニメイト特典
ほぼモノクロのイラストカード。アシュレイ・ヴィンス・ユージン・カルヴィンというモースヴィーグ騎士4人。ロン毛率高し。
小冊子
リュカの三つの顔とアシュレイ。三つもの人格をそう簡単に整理できるものでもない。リュカの観察による城内の参重要人物は、バルト・カルヴィン・アシュレイ。所で、当時の人々の嗅覚は現代日本人よりもはるかに鋭いだろう。
カバー下
長年愛用してきたパーカーが突然肩に来たという話。年は取りたくない。過去の話を何度も書くにあたって、ベロニカの服を簡素にしておいてよかったという話。流れ上当然ながら、との事。
余談
奈良時代の朝廷では、孝謙・称徳朝で政治が酷く乱れ、皇位継承者が決まらなかった為に皇族が相次いで罪を受け廃されていた。そんな中で白壁王は用心をし、あるいは酒に溺れて行方をくらましては難を逃れ、称徳崩御後に光仁天皇として即位した。時に天皇は61歳、史上最高齢の即位だった。以上は正史『続日本紀』による。
32巻の感想。

