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【バル巡り体験記】サン・セバスティアンは本当に美食の街なのか

皆さんこんにちは。natsuです。

ヨーロッパに住んでいると、「美食の街」として必ず名前が挙がる場所があります。
スペイン・バスク地方のサン・セバスティアン。

今回は、ポルトガル旅行と合わせて訪れたこの街での時間を、少し振り返ってみようと思います。


サン・セバスティアンの魅力

美食とバル巡り
一口サイズの小皿料理「ピンチョス(Pintxos)」の発祥の地であり、旧市街には数え切れないほどのバルが立ち並ぶ。
また、ミシュランの星付きレストランが人口あたりの密集度で世界トップクラスを誇るまさに食の聖地で、名物のバスクチーズケーキもぜひ味わいたい一品。

美しいビーチと絶景
「ビスケー湾の真珠」とも称されるラ・コンチャ海岸は、ヨーロッパで最も美しいビーチの一つ。
イゲルド山やウルグル山の展望台からは、街並みと青い海を一望する壮大なパノラマビューが楽しめる。

豊かなバスク文化
独自の言語と文化を持つバスク地方の中心地の一つ。
フランス国境からわずか約20キロの距離に位置しており、スペインとフランスの文化が美しく融合した独特の雰囲気を味わえる。

いちいち「サン・セバスティアン」と書くのが少し面倒なので、ここからはサンセバと書いていきます。
(「・」も「ティ」も、少しだけ手間がかかる。笑)

今回の滞在は1日半。
結論から言うと、この街は“バル巡りをするための街”と言っても過言ではない。

昼からすでに、街のあちこちのバルに人が吸い込まれていく。
観光客というより、生活の一部のような光景だった。

バルとパティスリー実績

2日間で巡ったのは約10軒。
恐らく他のバル巡り猛者の方からしたら少ないと思うが、わたしは十分満足できるバル巡りだった。

訪れた場所

バル
Antonio taberna
BAR SPORT
Bergara taberna
Ganbara
Gandarias
La Cepa de Bernardo
MendaurBerria

パティスリー
Bassk Cheesecakers
La Viña(バルだけどチーズケーキ目当ての方が9割)
Otaegui


個人的に印象に残った場所

Antonio taberna

トルティージャの余りで作った一品

最初は予定に入っていなかったけど、宿の近くだったこともあり、何度も前を通るたびに人だかりができていて、気になって入ったお店。

トルティージャが有名らしいけれど、その日はすでに売り切れ。
ただ、余った同じ材料でちょっとした一品を作れるよ、とのことでそちらを注文。

ポテト、半熟卵、玉ねぎやパプリカの炒め物。
シンプルなのに、なぜか忘れられない味。

トルティージャを食べるなら開店直後とのことだったので、ぜひどなたかトライしてみてほしい。

La Cepa de Bernardo

胃を空けておくためにもパンは食べず生ハムのみ堪能

深い赤色の生ハムは、見た目の時点で完成していて、
噛むというより、溶けていくような感覚。

この写真のボリュームで確かハーフサイズ。
二人でちょうど良かったけどペロリ、もう一皿食べられた気もしてくる。

La Viña

二人分にカットしてくれます

バルではあるが、みんながみんなチーズケーキのために集まる場所。

朝食がわりにコーヒーと一緒に食べたバスクチーズケーキは、
濃厚なのに重すぎなくて、不思議なバランスでした。

昔、日本でチーズケーキにハマって、わざわざデパ地下に通っていたことを思い出した。

朝から大量のホールケーキが準備されていた

バル巡りの正直な感想

正直な感想としては、
“おいしいけど、期待したほどではなかった。”

もちろん美味しかったのだけど、でも、どこか“記憶に残る一皿”は少なかった気が。

情報収集をしすぎて期待値が高すぎたのかもしれない。

それと、値段。
決して“安い街”ではありませんでした。
ピンチョス1つだけ頼んでもお腹が膨れるわけではなく、数品頼めばそれなりのお値段に。
あとはピンチョスではないプレートタイプの料理は普通に良いお値段。

安くておいしいは、やっぱり日本が最強と思ってしまった瞬間も。

そして、バル巡りは楽しいけれど、どうしても一軒につき多くの品数を頼めない。
友人とシェアで2,3品というところ。
滞在時間も大体30分以内。

そうすると、そのバルの空気を味わう前に次へ進んでしまう感覚。

「本当にこのバルの味を覚えているのか?」

そんな気持ちになることもありました。

一押しのピンチョスはどのバルにもあるらしく、それを完璧にリサーチした上で巡ったらよかったのかもしれないけど、適当に食べたいものを注文したバルも多いので、“いまいち”と思ってしまったのかもしれない。

ミシュランの場所にも数件行ってみたけど、普通に美味しいけど、めちゃくちゃ美味しい!!とまではならなかった。

ちなみにサンセバを激推ししてくれたグルメな友人でさえ、
「3年前は感動したけど、今年行った時はそこまででもなかった」と言っていたのが印象的。

もしかすると、観光地として成熟しすぎてしまったのかもしれない。
あるいはシェフが一斉に変わったのか(笑)

1日に何軒もハシゴするのがサンセバでの過ごし方だと思っていたけど、一つのバルでテーブル席に座ってゆったり楽しみ、好きな一品を見つけるのも良かったかもと思ったり。

バル巡り以外の時間

透き通る海

海もとてもきれいで海岸沿いのお散歩はとても気持ちよかった。

ベンチで一休みし、そしてゆっくりと歩き出す時間は、胃を休めるためでもあり、ただただ呼吸を取り戻す時間でもあった。

バスクの空は、気分屋。
天気が良かったのは、本当に幸運だった。

今回わたしは行かなかったけど、展望台もあるので胃の調子が良い方は上からの景色を楽しむのも良さそう。


サンセバはスペインとフランスの境に位置する街である。
そのため、当然のようにフランス人が多く、久しぶりにフランス語を使う機会が増えた。

同じホステルに滞在していたフランス人のマダムは歌手で、日本でも公演したことがあるという。

また、街をぶらぶらして入った雑貨屋さんで出会ったフランス人の店員さんは旦那さんが日本に関わる仕事をしているらしかった。

特別な場所というわけではないのに、なぜか日本との小さな接点がいくつも転がっている。
そんな偶然が、この街の空気を少しだけ柔らかくしていた。

番外編:ビルバオ

ロンドンへ飛行機で戻るためにサンセバから移動し、ビルバオへ。

そしてここで、実は今回の旅で一番印象に残ったバルに出会います。

La Viña del Ensanche

生ハムサンドが、とにかく別次元。

イベリコハムとトーストの間には、フォアグラ、リンゴ、チーズ(恐らくブルーチーズ)の濃厚ソース。
ハムはとろけて気づいたら口の中から消えている。
でも味だけは今でもしっかりと覚えている。

ハーフサイズ2つで€10と他より少しお値段張りますが、食べる価値あり。
“食べた”というより、“体験した”に近い一皿。

こちらはグラタンのような一品。
フォアグラ、キノコにじゃがいものピュレ、そして黄身がのっかった温かい料理。
どこか懐かしさがあるのに、今までに食べたことのない味でもある。

そして、イカ墨のリゾットが美味しいとGoogleマップで見かけたため注文したが、どうやらすでに他のメニューに切り替えたらしい。

少し残念な気持ちもあったが、
それでも目の前にあった二皿で十分満たされた。

bascake Bilbao

こちらはチーズケーキ屋さん。
サンセバで食べたチーズケーキとはまた違った美味しさ。
外はしっかり生地だけど中はソースのように柔らかいブルンブルンなチーズケーキ。

同じバスクでも、街が変わると食べ物の表情も変わるのが面白いところ。

ビルバオではあと2軒バルに行きましたが、サンセバよりお値段が良心的だった印象。

バル巡りをするときの三箇条

最後に、今回学んだことを少しだけ。

ヘパリーゼと胃腸薬は持って行け

ここ数年、胃もたれがひどい。
特に旅行中は、食べてはすぐ移動する生活になりがちで、余計に負担がかかる。

しかしサンセバでは、「食べること」そのものが中心になる。
食べずしてこの街には来られない、そんな空気すらある。

飲むことも分かっていたため、日本から来る友人に胃腸薬とヘパリーゼを持ってきてもらった。
結果として、安心して食べ飲み続けることができた。

サンセバには一人で行くな

わたしは基本一人旅を好んでいる。
しかしサンセバに関しては、友人と一緒で正解だったと思う。

バル巡りは、どうしても「シェア前提」になる。
一人では食べられる量にも限界があり、選べる種類も少なくなる。

気になるものを少しずつ分け合うことが、この街の楽しみ方に一番合っている気がした。

マストで行きたいバルには昼の開店時間に行け

人気のバルは、開店前からすでに人が並んでいる。

昼時には一気に人が流れ込み、店内はすぐに埋まっていく。
少しでも落ち着いて楽しみたいのであれば、開店時間を狙うのが一番。

また、多くのバルは昼営業のあと一度閉まり、夜に再び開く。
そのため、一日通しで営業している店よりも、昼・夜営業の店を優先して回った方が効率が良い。

結果的にそれが、より多くのバルに出会う近道になる。

最後に

確かにこの街は「美食の街」と呼ばれている。
その言葉に嘘はないのだと思う。

ただ、それほどまでに絶賛されるものなのかと言われると、少しだけ考えてしまう部分も多々あった。

それでも、バルを巡るという体験そのものは、とても良いものだった。
一皿ごとに移動し、街を歩き、また次の店へ向かう。

その繰り返しの中で、食べること自体が旅になっていく。

そしてサンセバは小さな街である。
そのため、さっきのバルで見かけた人と、別のバルでまた遭遇することもしばしば。

あの人は何を食べたのだろう、とふと思うこともある。
知らないはずの人が、いつの間にか“また会う人”へと変わっていく。
そんな瞬間が、この街には確かにあった。

この街は、料理の記憶というよりも、
「食べながら歩いた時間」そのものが残る場所なのかもしれない。

美食の街のハードルを上げすぎてしまった私の個人的な感想でしたが、サンセバを訪れる予定のある方は、少しだけ期待値を下げて行くと、この街の見え方が少し変わるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
もしよろしければ、スキやコメントをいただけると喜びます。

今回の旅を、友人と過ごした時間の視点から綴った記事もあるので、よろしければそちらも覗いてみてください。

それではまた次回!

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