ピアノと落語 ①:「お義理チケット」を買わされない方法
👆noteで使用可能な画像を使わせてもらいました。ありがとうございます。
👇古典落語「寝床」が現代でも語り継がれているのは、いつの時代も、こういうことが起きているからですね。 これは、新作落語の正統派、三遊亭白鳥師の若き日の高座(@白鳥師のユーチューブチャンネル)ですが、マクラのところのお客さんの笑いから、現代の日々の生活でも「あるある」! 👇
(👆弟子もそう思ってたのかー!(笑笑笑) 私も、円丈師匠の長尺の新作噺を聴きながら「いったいいつ終わるんだろう…」と途方にくれたことがあるよ。 ただ、三遊亭圓生の最大の功績は、『圓生100席』だったっけ?と並んで、三遊亭円丈を輩出したことだと思うよ。 亭派を超えた円丈チルドレンたちが創作した尖り過ぎた新作落語のかなりの作品数が、未来の古典になること確実だ!)
「寝床」のシチュエーションを現代に置き換えた、ヨネスケ師の「野球寝床」も笑えます(「テレビじゃ見れない川崎球場」の頃の某球団を題材にして、かつて聴いたときに苦笑失笑しました)。
ほかにも、「鉄寝床」を高座にかける、鉄っちゃん噺家がいますね。聴いてみたい(社長さんが鉄っちゃんなのかな。もしそうなら、テツに全く興味のない社員たちはキツいだろうなぁ~)。
ここまでが、当記事のマクラでした。
以下が当記事の本編になります👇
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大昔、まだ20代の頃、「ピアニスト」を自称する同級生から、リサイタルのチケットを手売りされて、月~金まで働きづめで泥のように寝ていたい貴重な休日の土曜日に、観に行きました。
たいして上手くもない演奏を。
たいして良くもない公共施設ホールで。
えー、だったら、家で寝っ転がっていて、同じ曲をギーゼキングのCDで聴いていた方が、絶対的にマシでした。
昔の録音なので音は悪いけど、なんせギーゼキングなんで、絶対的にスゴイです。スザマジイです。絶対的にマシ過ぎる。
でも、
あのころの私は、手売りチケットを差し出されても「No」と言えない人間でした。
今でも「断ればよかった」と、悔しい思いを思い出します。
このことを忘れないのは、心理的にしんどかったからです。
でも、世の中には、「友達だから」なんていう、どうでもよい義理よりも、もっと差し迫った義理によって、観に行きたくもないものを観に行かなければならない人たちが、今でも沢山いると思います。
1週間、家でカンヅメになって朝から朝まで(徹夜で)パソコン仕事をして、「納品したら泥のように眠るぞー!」と、それだけを心の支えに無我夢中で仕事をしていた、納品日の2,3日前に、或るクライアントの奥さん(知り合い)が送って来た、納品時間の数時間後から開催される「発表コンサートのお知らせ」というメールを開けた時の衝撃というかダメージ! 必死で仕事を納品し終わって、疲れてヘトヘトになった体に鞭打って、デパートでお土産を買って(手ぶらでというわけにはいかないよ、子どもじゃないんだから。)、行ったこともない場所まで慣れない路線を乗り継いで這うように行ったことは、今でも忘れません。
忘れないのは、肉体的よりも、心理的にしんどかったからです。
彼女の旦那さんの紹介で、旦那さんが働いている会社の仕事を頂けるようになったので、こういう場合は仕事がからんでいるから「No」を言うことは極めて難しい。
彼女は、そこまで気が回らなかったのでしょうが、
こういう類(たぐい)の、立場上断れない人に、自分の趣味道楽の発表の「お客」に来て欲しいと頼むのは、パワハラ行為です。
せめて、「プロ」を自称する人たち同士の呼び合いっこに留(とど)めて欲しいものです。
ただし、心理的にしんどかったのは、
私が断る勇気を持っていなかったからです。
たとえ、彼女が仕事がらみの関係であっても、
彼女はクライアントの会社の人の奥さんです。
社員の家族にまで気を遣う必要はなかったのです!
「その日は、別の案件の納期があって」と本当のことを言って、
断ればよかったんです。
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このような、過去の苦い経験から、私もだんだんと知恵をつけていきました。
たとえば、
「〇月✕日の午後って、あいてる?」
と巧妙に聞いてくる、自称プロの芸術家がいますから、
注意が必要です。
こういう巧妙な手口にのせられて
「うん、何もないよー」
と答えてしまったばっかりに、
観に行きたくもないコンサートのチケットを買うハメになった人の体験談を、私はネットで読んだことがありました。
そして、実際に、
同じことが、私の身にもふりかかったのですよ!
ほんとうに!
「今度の土曜日、あいてる?」
って聞かれたんです。
そのときに、とっさに私は何かの危険を感じて、
「その日は用事が入るかもしれないんだけど~。何かあるの?」
と切り返しました。
案の定、その人は、自分が出演する公演のチケットを私に売りつけようとしていたのでした!
私は、
「そーなんだー。予定が決まって、行けそうだったら連絡するねー。」
と、切り返して、相手の動きを封じることに成功しました! もちろん連絡する筈ないでしょ!
そして、
このような「返し」を決めることができた私は自信をつけて、
だんだんと「返し」が上手くなっていったのでした。
素人芸の世界には、
上記のような巧妙な手口を平気で使ってくる輩(やから)がウヨウヨしているから、
言質(げんち)を取られて彼らの獲物になることがないように、気をつけたいものです。
このほかにも、
キリギリスさんから、「友達だから」とか「同級生だから」という無言の圧力をかけられて、こういう類(たぐい)の「手売りチケット」を買わされそうになったアリさんは、
「月~金まで働きづめだからさー、休日は家で休んでいたいんだよねー。」と、きっぱり断るのが良いと思います。 これは、
「テメーと違って、こちとら平日フルで働いてんだゴルァ!」
という意味です。
敵が「週末キリギリス」に変身するアリの場合は、
「新しい職場になってから業務が増えちゃってさー、休日は家で休んでいたいんだよねー。」と、
「テメーと違って、自分は仕事で忙しいんだよっ!」
というメッセージを発射する。
究極の返事としては、
「そのジャンルは聴かないんだよねー(=全く興味がねーよ!)」
と、はっきり言う。
そしたら、相手は金輪際(こんりんざい)、自分の芸事の公演チケットを、あなたに売り込めなくなります。
それで交友関係が崩れたとしても、
そんなことで崩れるような交友関係は、崩れたほうが身のためだ!
「都合がついたら、ネット経由でチケットを買うね!」
と言って、絶対に「手売り」では買わないようにするのも良策です。
「手売り」チケットは、その場で購入の決断と支払いを迫られますが、
イープラスなどのオンラインチケット業者や、公演会場やライブハウスのオンライン予約やチケット窓口で買うようにすれば、
購入する前に冷静になれて「買うor買わない」の決断ができますし、
「あー、急に予定が入っちゃって行けなくなっちゃった~」と、後で言うこともできます。
ネットのチケット業者なり、ライブハウス経由なり、あなたと売り手の間に、第三者をかませたほうが、ビジネスライクになるので、精神的にモヤモヤしないで済むと思います。
実際に、
自分のファンでも何でもない友人知人や身近な人たちに向けて、当の本人が「義理によるプレッシャー」をかけて売り込んで直接代金をもらうような「手売り」のお義理チケットには、アマチュアの趣味の発表会の匂いがします。
そんなプロ気取りの素人キリギリスから手売りチケットを売り込まれた時には、
「いつも私、ネット経由のチケットしか買わないんだー、
えー!? ネット経由じゃ買えないのー? …… ふ~ん……」
って言うのは、アリさんが放つ強力な迎撃ミサイルです。
「オメーみたいな義理チケットを手売りする素人ふぜいに出すカネはねーんだよ!」
と同義だからです。
その他には、
「その日はまだ予定がわからないからさー、行けたら当日券を買うよ」
っていうのも、よいテですね。
とにかく、行きたくなかったら、絶対にその場で現金を払わないようにする。
だいたい、自分の趣味道楽の公演に、お義理の人を呼ぶうえに彼らからお金を取ろうとする了見がサモシイよ! チケットノルマぐらい、全額自分でかぶればいいじゃないか!趣味道楽なんだからさ!
敵がもし、
「予約の段階で売り切れちゃったら、当日券はほとんど売り出さないかもしれないから…」
と反撃してきたら、
「えー!?そうなったら何よりじゃーん!私みたいに予定がわかんない人に売るよりも、絶対聴きに来てくれる人に売った方がいいよ。うん、ぜーったいに売り切れるって!」
って、敵の背中をバン!と叩きながら明るく言い放とう!
呼ぶほうの、「自称プロ」の実質素人キリギリスさんたちは、素人キリギリスさん同士で手売りチケットを売ったり買ったりし合って、リサイタルごっこなりコンサートごっこなりの道楽を楽しまれるとよろしいかと思います。
世間様はね、ほんとうの仕事で、忙しいんですよ。
それにね、
忙しい世間様が、素人キリギリスの趣味道楽の発表時間のために費やすコストは、
チケット代だけじゃありませんよ。
[チケット代 + プレゼント代 + 会場までの交通費 ] だけじゃありませんよ。
上記に加えて、
あなたのお道楽の発表会のために、忙しいアリさんが費やした、
彼らの時間的な経済価値が乗っかっているんですよ。
もし彼らがその時間に働いたら、彼らが稼げたかもしれない、彼らの労働の価値のことです。
例えば、時給が2,000円の人は、[2,000円 x 費やした時間] の経済価値を、
あなたのお道楽の発表のために犠牲にしたのですよ。
古典落語の「寝床」の旦那は、
芸は最悪だけど、そこのところはちゃんと配慮しています。
チケット代が無料なうえに、来てくれた観客に美味しい仕出しの料理やお酒を用意しているんだから。
さすが大店(おおだな)の旦那です。
そうはいってもパワハラです。
そりゃぁ、「大家は親も同然、店子(たなこ)は子も同然」の古き良き時代のことですから、
家賃を滞納する店子を大目に見てあげたり、なにかと気を配ってあげたり、
お店(たな)の中でも、仕事をサボる奉公人を場合によっては見て見ぬふりをしてあげたり、番頭が帳簿をドガチャカしても少額なら目をつぶっておいてあげたりと、良い旦那なんでしょうよ。
でも、旦那の芸は、聴いた人が死にかねないような殺人芸なんですから、強制的に聞かせるのはパワハラを通り越して犯罪ですね。
大人が趣味道楽の芸事の発表会を催す際は、
①チケット代は当然無料にする。 そして、
②終演後に、来てくれたお礼としてお土産を配布(自分の趣味道楽に知人友人を義理で付き合わせた時間に対する経済的な補償として)
がないとね。
それをしない場合は、
「お客さん」が今度は「芸術家」になって発表する番になったら、「芸術家」の自分が受け取った分は、必ずお返しする。
つまり、
自分が「芸術家」のときに、「お客さん」にチケット代を払わせて、プレゼントまでもらったなら、今度は「お客さん」の自分が、チケットを買い、プレゼント持参で、万障繰り合わせて観に行くのが、大人の礼儀というものです。
つづき👇
~ピアノ方丈記~
