ピアノと落語 ②: プロ音楽家と素人音楽家の見分け方
👆noteで使用可能な画像を使わせてもらいました。ありがとうございます。
前回の記事はこちら👇
👇今回は、独自の世界観の新作落語がクセになる、春風亭百栄(ももえ)師による新作落語「ホームランの約束」(@夢空間チャンネル)です。
この噺に登場するプロ野球選手みたいなプロのピアニスト、いるんじゃないかな~(一流のプロには、いないと思うけど)👇
👆つまるところ、上から目線の芸能家(スポーツ選手や音楽家)は、狭い世界で純粋培養された世間知らずなところがあって、彼らが一般人と接触すると、「非常識な人種だなー」って思われてしまうところがありますね。
「そんなことはない!」と思うプロの音楽家さんもいらっしゃるかもしれませんが、実際多いですよ。
前回の古典落語「寝床」の大店の旦那よりタチが悪い「プロ」がけっこういるんじゃないでしょうかね。
大したことのない芸を、もったいぶって恩着せがましく「披露してやる」「聴かせてやる」「教えてやる」「啓蒙してやる」という「上からスタンス」の演奏家。
そういう「啓蒙してやる」目線の演奏家がよく言うのが:
①「お前たちはわからないだろうが、俺はこんなに難しいことをやっているんだぞ!」をゴリゴリとアピールしてくる。
とりわけ、
熟達したシロートでもできるくらいの内容を、わざわざ恩着せがましくアピールしてくる。
はっきし言って、このように言う人は、アマチュアです。
どんなに「プロ」と主張しようが、アマチュアです。
ていうか、こう言ってくる人のレベルは大抵、アマチュアに毛が生えたぐらいですね。
そういうゴリゴリアピールによって、
「俺、スゴイだろー!(そう認めて認めてっ!!!)」
って訴えてるんでしょうが、
その時点で、プロ気取りの悲しいアマチュアの匂いがプンプンしてますよ。
だいいち、
普通の人が逆立ちしてもできないような難しいことを涼しい顔で平然と披露してお金を稼ぐのがプロでしょ。
プロ野球の試合で「三振しやがって!」って上から目線でヤジるのは、ほろ酔い加減で無邪気に観戦しているお客さんのほうですよ。
プロ野球の選手は、「相手チームのピッチャーが、打たせないようにキワどいコースばかりに変幻自在に投げてくるボールをバットに当てる技術は、こーんなに難しいんだぞ!」って、いちいち観客に説教しないでしょ?
ピアニストでも、上から目線で得意満面の「タネ明かし」する人、いますよね。
「俺はこーんなに難しいことをやっているんだぞ、聴いているお前ら、わかるか?」みたいな。
私個人としては、こーいうことを言うピアニストは、アウトですね。
タネ明かししたら、手品にも何にもならないでしょ?
タネ明かしする時点で、プロじゃないよ。
私が「この人はスゴすぎて、もはや異常!」と思っている超一流ケンバニストさんは、理論書に載っていないような異次元のハーモニーを涼しい顔してシレっと入れてくるだけだよ。 だいたい、聴く人によって、「うわっ!なんじゃこのコードは!?」と思う人もいれば、そんなこと全然気にしないで「いい曲だな~」って楽しく聴いている人もいるわけで、聴く人の全員に一律にプロ水準の内容を語る必要は無いと思いますよ(それに、こちとら素人なんで、せっかく語られても何言ってるんだかチンプンカンプンだと思うよ)。
それから、
「ピアノ教師という職業は、崇高な仕事なんですよ!」
というアピールをゴリゴリしてくるピアノの先生、いますよね。
私は、個人的には、ピアノ教師よりも、トイレットペーパーを製造する製紙会社の社員ほうが遥かに崇高な仕事だと思っています。
そうでしょ?
人間が崇高でいられるのは、トイレットペーパーが有るからですよ。トイレットペーパーが無かったら、犬畜生と同じになっちゃう。
宅配便会社の社員も崇高です。
だって、宅配便の会社がなくなっちゃったら、世の中がとても困るでしょ?通販業者の商売が上がったりになっちゃう!
このように、
崇高な仕事とは、世の中の実際の役に立っている仕事です。
もちろん、どんな職業も崇高ですよ。
だから、ピアノ教師も、まあ、崇高っちゃぁ崇高ですよ。巡り巡って楽器会社の売上増に貢献するかもしれない仕事だろうから。
でも、崇高さの序列は、明らかに、衣食住を扱う農業や食品会社や製紙会社や流通業や運輸交通や金融などの、社会インフラ産業の遥か後です。実業の繁栄あっての文化活動ですからね。
「昔はお侍さんが道の真ん中を歩いて、農工商は道の端っこを歩いて、我々噺家は更に端のドブの中を歩いて」なんて言う噺家さんがいますが、そういう芸人としての覚悟がある人が、本物のプロですよ。
②「文化の低い無知蒙昧なお前たちに、この高尚な芸術について、ひとつ教えてやろうか。」
みたいな話し方をするピアニストも、アウトですね。
はっきし言って、弱い者いじめです。
イタイケな素人に向かって高慢な説教をたれるのは、自分の職業の業界で負け組だからじゃないでしょうかね?
だから、自分より明らかに不利な立場にいる人に向かって、偉そうな態度をとる。
傷ついた自信を、人を威嚇することによって、人から吸い上げようとする、いわゆる「エネルギー泥棒」ですね。
それから、音楽はエンタメですから、
お客さんは、あなたの高慢な説教を恐縮して聞くためにお金を払って会場に足を運んでいるわけではないよ。
エンタメは、楽しませてナンボだから。
プロ野球選手だって、子どもの頃から野球漬けだし、球場の外ではキレイなオネーチャンのところへ行く時以外は、日々訓練ですよ。
落語家だって、真打(しんうち)として一人立ちするまでに、プロの下積みを10年以上やって、ようやく真打になってからがいよいよ大変なんだろうけど、お客さんに下積み時代の苦労話を偉そうに語ることなんてしないよ。
お客さんは、楽しむためにお金を払って観に来てるんだから。
会社員だってレストランのシェフだって、ちゃんとしたプロは、猛勉強や猛訓練の日々を恩着せがましく言ったりしないよ。
血みどろ泥まみれの舞台裏は隠して、涼しい顔してお客さんの前で神業を披露してお金をもらうのが、プロですよ。
泥まみれの舞台裏を明かして恩着せがましくアピールするのは、素人の証しです。
それから、
「子ども専用」や「大人の初心者専用」や「導入(?)」や「プレピアノ(?)」を専門に謳うピアノの先生がいますよね。
この人たちは、基本的に弱い者いじめスタンスの先生だと思いますよ。
だってさ、自分よりも確実に「できない」人たちしか相手にしないんでしょ?
このように、ターゲット(標的)を限定することによって、教師としての自分の優位を保とうとしているんですよ。
ヘタに「初心者」じゃない大人相手だと、自分のほうが下手なのが露呈する恐れがあるから、「大人初心者限定」を謳うんだよ。
でもそれってさ、「私は素人以下のピアノ教師です」って事実上言っていることになるでしょ? ピアノ教師としてヒドいレベルだってことでしょ?
「子ども専用」の場合は、ベビーシッターも兼ねているのかもしれないから、よくわかりませんが。
大人のピアノ初心者がピアノを習うんだったら、「初心者限定」教師よりも、現役で演奏活動をしている正真正銘のプロのピアニストに習うとよいと思いますよ。
指使いとか、楽譜を読むスキルなんかは、ネットの無料動画や、安価なアプリを使えば、お金をかけずに自分でできるでしょ?
お金を払うんだったら、プロの演奏家のオーラを吸ったほうが、費用対効果が大きいとおもいます。
それから、
プロの演奏家がぽろっと言う言葉に、実地のノウハウが詰まっていることがあります。
それくらい、音楽産業の中で実際に稼働中のプロ演奏家と、自宅で教えるだけの先生との間には、雲泥の差が有ります。
ただし、
ちゃんとした一流のプロ演奏家に習うと、レッスン代が高額になるし、発表会の参加料も高額になるし、その演奏家のコンサートには生徒として勉強させてもらうためにチケット買って行くでしょうし、勉強のためにその演奏家のCDも買うでしょうし、と、大変な出費になることを覚悟してから、沼に飛び込むべきです。
つまり、
大人のピアノ愛好家がお金を払ってレッスンを受ける場合は、レッスンを受ける体(てい)で、実質的には、自分のひいきのプロ演奏家を経済的に支援する「お旦(おだん)」、つまり旦那/パトロン稼業をやるくらいの余裕を持って、沼に飛び込むべきです。
それが、究極的にカッコいい、大人の趣味道楽だと思います。
私は、実際に著名なプロのピアニストさんに一回だけ習って発表会にも出ましたが、レッスン1回 + 発表会(特別レッスン付き) + CD購入 + コンサート鑑賞で10万円が一気に吹っ飛んだので、早々に辞めました(発表会の衣装代は入ってません。衣装に費やすお金なんて私にはありませんよ)。
私には、パトロン稼業は、無理でした。
でも、
世の中には、「生徒」という名の「旦那/パトロン」が、思いのほかいます。私は、他の芸事でそういう人たちを目の当たりにしました。そういう人たちは、お金の使い方がすごいです。
前回の記事でフィーチャーした古典落語「寝床」の大店の主人みたいな、芸は「?」だけど、先生や師匠が下にも置かない扱いをする「生徒」さんたちが実際にゴロゴロいることを、私は知りました。
世の中は広いことを知りました。
私も、ひいきの著名な超一流ピアニストさんに「レッスン」という体(てい)で実際には演奏だけしてもらって、謝礼にズッシリ重いご祝儀袋をドーン!と手渡せるような「生徒」になりたいものですよ~。
③「お前たち一般人と違って、わたしは芸術というとっても高尚な仕事をしているザマスよ!」
よく、「ピアニストだから指を大事にしているの!」って自己主張する人いますよね。
そう言われると、一般人は、すごいな~!って感心したりしますが、
私は、こう聞き返しますよ:
「へー!ずいぶん高価なお指をお持ちで。さぞかし年収もお高いんでしょうねー!年収はいかほどですか?」
彼女の答えた年収の金額によっては、
「じゃあ、私の指のほうが高価だー!」
って言います。
指が大事なのは、ピアニストに限ったことではありませんよ。
実際に、私の指は、現役時代は、それなりに高価でしたよ。
パソコンのキーボードを叩いて、それなりの年収を稼ぎだしていましたからね。
私に限らず、今の勤め人はパソコンのキーボードを叩いて、最低でも年間数百万円以上の価値を稼ぎ出していますからね。
大都市のオフィス街には、年収1,000万円超えの会社員なんて海砂利水魚のようにいますよ。
ところで、ピアニストさん、あなたの、その大事な指で、年間いくらお稼ぎになっているんですか?
ひょっとして、あなたの指は、そこらへんの会社員の指よりも稼ぎが少ないのではありませんか?
えー?旦那さんの扶養家族なの? じゃあ、あなたの指はおろか、あなたの存在自体の経済価値は限りなくゼロじゃないですかー!?
アパート経営の家賃収入があるって?
だったら、あなたの本業は、大家さんであって、ピアニストじゃないよね?
もちろん、大家稼業も、指は大切ですよ。
ぶっちゃけ、どんな職業でも、職業についていなくても、指は生きるために大切ですよ!!!
あなたの稼業だけが特別じゃないよ!!!
それに、
そんなに指が大事だったら、当然その指に保険をかけているんでしょうね?
えー?そんなに大事な指なのに、保険をかけていない!?
それはオカシイでしょう?
かつて、「脚に1億円の保険をかけた女優」がいましたよね。
話題にする意図もあったかもしれませんが、
その女優さんの美脚は、それだけの経済価値があったんですよ。
だって、事故や怪我で、その女優さんの美脚に傷がついたら、
つまり、その女優さんが、商売道具の「美脚」で売れなくなったら、
その女優さんで食べているプロダクション会社の売上が無くなって、
社長や社員がおまんま食い上げになっちゃうからでしょ。
だから、そうなった際に社長・社員・女優さんが当座のあいだ食べて行けるように、1億円の保険をかけたんだと思いますよ。
自分の大事な指に保険もかけないで、
「ピアニストだから指が大事なの!」ってワーワー言って、
自分より高額の指を日々酷使して働いている一般の勤め人の指をこき使うのって、
おかしいと思いませんか?
戦後昭和の少女漫画じゃないんだからさ、自分の世界に酔っていないで、もっと現実見て、ちゃんとしていきましょうよ。
まずは、
そんなに指が大切だったら、その指が傷ついて仕事にならなくなった場合に備えて、大切な商売道具の指に保険をかけましょうよ。
保険料を払ってでも守りたい、価値の有る指なんでしょうから。
そういう、やるべき基本的なこともしないで、
「私はピアニストだから指が大事だ!」
って、自分よりも価値の高い指を持っている一般人に恩着せがましく言っていること自体が、あなたの精神年齢を表していますよ。
つづき👇
~ピアノ方丈記~
