ペールギュント殺人事件⑤
前話はこちら(↓)
椎名と土居は、コンサート会場に戻った。防犯カメラの映像を再び見始めた。指揮者が遅れて舞台に上がったのを土居は目撃している。その間の様子を丹念にチェックした。
すると、指揮者が現れる直前、舞台の袖から、一人の男が慌てて出ていく様子が捉えられていた。その男は、謎の演奏者と特徴が一致していた。
「土居ちゃん、やっぱり、この男が鍵を握っているな」
椎名は、この男がコンサートの演奏者と入れ替わろうとしたのではないかと推測した。
「もし、この男が演奏者と入れ替わっていたとしたら、なぜ?」
土居は、その疑問を口にした。
「実行犯として、現場に居たかったのかもしれない。それとも、何か別の目的があったのか」
椎名は、この男の正体を探るために、コンサート会場の周辺を再び捜査することにした。
一方、土居は、コンサートプログラムに載っていなかった謎の演奏者について、音楽関係者に情報提供を呼びかけることを思いついた。
「もしかしたら、この男は、有名な音楽家だったりするかもしれない」
土居の予想は的中した。音楽関係者からの情報で、謎の演奏者は、世界的にも有名なバイオリニストであることが判明した。
「なぜ、そんな有名なバイオリニストが、こんな事件に関わるんだ?」
椎名は、この事件の謎が深まるばかりに、頭を悩ませた。
捜査を進める中で、さらに別の驚くべき事実が明らかになった。マルガイの摂津綾子は、過去にこのバイオリニストとトラブルを抱えていたことがあったらしい。
「もしかして、これは復讐か?」
土居は、そう考えた。
「しかし、なぜ、こんな周到な計画を立ててまで復讐を?」
椎名は、まだ多くの謎が残されていると感じた。
二人は、バイオリニストの身辺を徹底的に調べ始めた。そして、ある日、驚くべき事実を発見する。バイオリニストは、多額の借金を抱えており、その借金は、コンサートの主催者である謎の男によって提供されていたのだ。
「この男、一体何者なんだ?」
椎名は、この事件の黒幕がこの謎の男である可能性に気づき始めた。
…つづく
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