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料理人経営者、忙しいからこそ学び直す。

中尾太一と申します。

この4月から、早稲田大学 人間科学部 人間環境科学科で学び直すことを決めました。

当然ですが、仕事の量や質を下げるつもりはありません。むしろこれから上げていきます。
(そのあたりは別のnoteで書かせてください)

引き続きがむしゃらに働き、静かに学びます。

このnoteでは、今このタイミングで学び直しに挑戦する理由と、

「忙しいから」

という言葉に自分自身が甘えて逃げないために、今の気持ちを残しておきたいと思います。

私の現在


東京で自身が創業し、10年目を迎える株式会社PLEINを経営しながら、京都やま六、京都一の傳という100年を迎える老舗企業の4代目を非親族で承継し、伝統を守り未来へつないでいく事へ挑戦しています。

※非親族での事業承継の背景などは以下のnoteをよろしければご覧下さい。


学び直しの決断を逃げないために発信する


私は自分に逃げ癖や甘えがあることも、よく分かっています。
だからこそ、新たな挑戦の決意表明をしておきたいと思いました。

思い返せば6年前のコロナ禍の最初の瞬間に
「従業員の給料を3か月前払いします」と世の中へ発信したのも、飲食店の予約が一気にゼロになり、
逃げ出したくなるほどの絶望感の中で、自分を奮い立たせるためでした。

2020年4月 コロナ禍 第一回緊急事態宣言の直前
逃げない様にSNSにて発信


100年企業の京都やま六を継いだ時も、
責任とプレッシャーで押し潰されそうだったからこそ、前向きに発信しました。


経営者になり10年目になりますが、
振り返ると、いつも挑戦の時は、先に発信し、自分を追い込んできた気がします。

だから今回も、受験をして、入学したばかりの今このタイミングの想いを、振り返れるようにきちんと記しておきたいと思いました。

私が自分が決めた事から逃げないために書いたこの文章が、誰かの挑戦の後押しに少しでもなれたら...
これ以上嬉しいことはありません。

よろしければ、お付き合い下さい。

なぜ今、大学進学なのか


理由は大きく3つあります。

1. 今まさに学びたい学問があり、学べる環境があると知ったから


いま私が最も関心を持っているテーマの一つが、
well-being です。

簡単な図解


従業員が健やかに働けること。
取引先と長く良い関係を築けること。
お客様に本質的な価値を届けられること。
地域に必要とされる存在であること。
事業承継によって会社や文化が次の世代につながっていくこと。

これらは全部、well-beingの話だと思っています。

最初は書籍の文脈でwell-beingという言葉を知り、興味を持って調べていくうちに、これは人間や社会を考えるうえで本質的なテーマであり、

早稲田大学で人間科学という学問として、
well-beingを学べる環境があることを知りました。

「学んでみたい」と感覚的に思えたことが、
最初のきっかけです。


私にとって経営とは、
関わる人が、よりよく生きるための恒常的な環境を設計することでもあるはずだと思っています。


だからこそ、well-beingを学ぶことは、今の自分の経営や、これから向き合っていきたい事業承継という社会課題にも、まっすぐつながっていると感じたことが、一つ目のきっかけです。


2. 現役で大学進学をしなかったことへ、どこか心残りがあったから



学生時代、勉強は苦手ではなかったと自負しています。
ただ一度進むと決めた大学に行かず、料理の道に進みました。

それは18歳のとき、飲食店でのアルバイトをきっかけに食の仕事に魅了され、25歳で経営者になると決めたからです。

そうして始まった私の社会人人生は、
本当に周りの人のおかげで成り立っています。
料理人を選んで本当に良かったですし、一生食の仕事がしたいです。

でも学ぶことや勉強が好きからこそ大学には行ってみたかったなあ...
という心残りはありました。


そんな私が選んだのは、
心残りだった大学に行くという挑戦をしながら、
仕事を止めずに学問に向き合える社会人入学という選択です。

卒業すれば学位は
早稲田大学 人間科学部 人間環境科学科として
通学課程と同等に授与され、社会人に合わせたカリキュラムなのでコアタイムはバリバリ仕事しながら、学び直しができます。

今の自分に興味があり、必要だと思う学問を仕事外で学びながら、過去の自分の心残りの払拭にチャレンジできる事がありがたいと思いました。

今の私が使うべき時間は、
会社のための時間、家族との時間、
そしてその次に学び直しの時間です。

それは別々ではなく、全て繋がっているとも思えます。

毎週息子のサッカーを見る時間や一緒に遊ぶのが楽しみ


3. 人生を「忙しい」で言い訳にしたくなかったから



「忙しい」という漢字は、心を亡くすと書きます。


「心を亡くすから、忙しいを口癖にするのをやめなさい。良い縁が逃げていく。」



過去に尊敬する先輩経営者の方に言われたこの言葉が、ずっと心に残っています。

がむしゃらに生きていると、気づけば余裕がなくなる時があります。

そして、

新しいことを考える余白。
人の話を丁寧に聞く余白。
振り返る余白。

激動の中で、人間として大切なそういうものが、
少しずつ削られていく感覚がたまにあります。

でも、本当に怖いのは、忙しいことそのものではなく、

忙しさの中で思考が止まり、感度が鈍り、学ぶことをやめてしまうことだと思っています。


学びは、未来のための投資です。

私は親の教育方針のおかげで、
中学生の頃から父のビジネス書を読んでいました。
(社会人になってからそれがユニークだという事に気づきました。笑)

サッカー部での悩みを父に相談すると、

「ドラッカーを読め」
「カーネギーを読め」
「ゴールドラットの『ザ・ゴール』が答えだ」

といった具合でした。

名著 ザ・ゴール 今も大切なバイブルです。


中学生の頃から定番のビジネス書は一通り読んでいたので、社会人になってからも、経営者になってからも、壁にぶつかるたびに読書をしてきました。

理論や知識は身を助けると、経営者になってより身に染みて感じています。

ただ、最近は会社員時代から習慣化されていた読書の時間がどんどん減り、月1冊も読めない月もあり、読みたい本が積み上がっていくことに恐怖を覚えていました。

その積まれていく本を見ながら、

「今は忙しいからできなくてもしょうがない」
と言い訳して、必要とわかっていながら学びを怠っている自分に、ずっと後ろめたさがありました。


だからこそ、私は今こそ学び直さなければならない。
そう思いました。

大学に行けば、今一番学びたい学問に対して、毎週課題があり、単位を取る目標がある。

つまり、怠ける自分の学びが習慣化する。
それが今の自分には必要だと思ったのです。

私の人生の経験は、

本質的に良さそうなことはまずやってみる

にあります。

起業も、承継も、今回の学び直しも、

誰かの役に立ちそうで、感覚的に良さそうだと思ったことはまずやってみることにしています。

学びは人それぞれで良い

個性豊かな最高の社員達に恵まれています


人生を豊かにするために、勉強や学びはとても大切だと思っています。

そして、その学びの形は何でもいいと思っています。

誰かと話す。
違う価値観に触れる。
本を読む。
旅をする。
現場から学ぶ。
失敗から学ぶ。

大切な事は、それぞれの歩幅で、
誰かの役に立つために、成長したいと行動する事だと思います。


今回私が学び直す学部の卒業生の一人に、
フィギュアスケートの羽生結弦さんがいます。

世界最高峰の舞台で結果を出し続けながら、
なお学問に向き合い続けるその姿勢は、
「忙しいから学べない」という言い訳を静かに打ち砕いてくれます。

第一線で戦いながら学び続けることは可能なのだという確信を、彼の存在から改めてもらいました。
挑戦の大きな後押しになりました。 

その姿勢に倣い、私も学び続けます。

最後に


今回の挑戦は、仲間や家族、取引先様、そしてお客様がいてくださるからこそ成り立つものです。
本当にありがたいです。


学びたい学問があり、
それが学べる環境があり、
自分の心残りを払拭できそうで、
怠ける自分が、学ぶ習慣をつけられそう。

それが、私の学び直しのリアルです。

ポジティブに書いてますが、
だいたいこういう文章を書いている時は、
ちょっと逃げたい時です。笑

でも、忙しいからこそ、学ぶ。
忙しいからこそ、心を亡くさない。

その学びを、食を通じて関わるすべての人への価値に変えていきます。

私の逃げないための決意表明の発信が、誰かの何かになれば嬉しいです。

読んでいただきありがとうございました。

株式会社京都やま六
株式会社京都一の傳
株式会社PLEIN  

代表取締役社長
中尾太一

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