うまくいっている時こそ、成長のチャンスがある
反省というと、うまくいかなかった時にするものだと思われがちです。
売上が悪かった時、お客様が少なかった時、クレームが起きた時、思ったように人が動かなかった時。そういう場面で「何が悪かったのか」を振り返ることは、もちろん大切です。見て見ぬふりをしていたら、同じことを繰り返してしまうし、失敗を次に活かすためには、原因を見つけることも必要です。
でも私は、それと同じくらい、うまくいっている時に振り返ることが大事だと思っています。
むしろ、調子がいい時こそ、組織や人が成長する大きなチャンスなのかもしれません。
うまくいっている時は、前向きに考えやすい
うまくいっていない時の振り返りは、どうしても空気が重くなりやすいものです。
本当は誰かを責めるためではなく、次に活かすためにやっているとしても、結果が出ていない時は、受け取る側も身構えやすくなります。自分の弱いところを認める余裕がなくなったり、言われたことを責められているように感じたりすることもあります。
一方で、うまくいっている時は少し違います。
結果が出ている時は、現場にも少し余裕があります。お客様が来てくれている、売上も悪くない、雰囲気も前向きになっている。そういう時は、「何が悪かったのか」よりも、「もっと良くするにはどうするか」という話がしやすくなります。
私は、調子がいい時ほどよく聞いていました。
なぜ今、調子がいいのか。何が効いているのか。来てくれたお客様に、次の来店につながる行動ができているか。
うまくいっている時は、忙しさもありますし、結果が出ている分、ついそのまま流してしまいがちです。でも、そのままにしてしまうと、うまくいった理由が分からないまま終わってしまいます。
成功を、たまたまで終わらせない
売上が良かった時や、来客が多かった時、現場の空気が良かった時に、その理由を環境やタイミングだけで片づけてしまうことがあります。
今日は天気が良かったから。イベントがあったから。たまたまお客様が多かったから。部下が頑張ってくれたから。
もちろん、それも理由の一つです。商売は自分たちだけで決まるものではありません。天気、季節、地域のイベント、競合の動き、お客様の気分など、いろいろなものが影響します。
でも、そこで終わらせてしまうと、自分たちの成長にはつながりにくいと思っています。
大事なのは、環境や周りのおかげを認めたうえで、自分たちのどの考え方や行動が結果につながったのかを見ることです。どんな準備をしていたのか、どんな声かけをしていたのか、どんな売り場やメニューの見せ方をしていたのか、お客様が来てくれた後に次につながる行動ができていたのか。
そこを見ないと、成功は「たまたま良かった」で終わってしまいます。
たまたまで終わると、次に同じような機会が来た時に再現できません。逆に、うまくいった理由を言葉にできれば、その成功は次の一手につながります。
調子がいい時ほど、弱さも認めやすい
結果が出ていない時は、人はどうしても守りに入りやすくなります。
本当は自分にも足りないところがあると分かっていても、余裕がない時には素直に認めにくいことがあります。自分の弱さを見るよりも、何かのせいにしたくなったり、今は仕方ないと考えたくなったりすることもあると思います。
でも、結果が出ている時には少し余裕があります。
うまくいっているからこそ、自分たちの良かったところを認めたうえで、「でも、ここはまだ弱いよね」「もっと伸ばすなら次はここだよね」という話がしやすくなります。
私は、ここがとても大事だと思っていました。
調子がいい時は、ただ喜んで終わるのではなく、自分たちの良かったところと、まだ伸ばせるところの両方を見られるタイミングです。結果が出ているからこそ、弱いところを必要以上に恐れずに見ることができますし、前向きな空気があるからこそ、「もっと攻めよう」という気持ちも生まれやすくなります。
だから、うまくいっている時こそ、成長のチャンスなのだと思います。
成功の道は、登山に似ている
成功の道のりは、登山に似ていると思っています。
同じ山を登るとしても、ルートはいくつもあります。まっすぐ登る人もいれば、遠回りしながら登る人もいる。仲間と声をかけ合いながら登る人もいれば、何度も休みながら登る人もいます。装備や体力、天候によっても、選ぶ道は変わります。
成功も、たぶん同じです。
この方法でうまくいく会社もあれば、別の方法でうまくいく会社もあります。同じやり方をしても、地域や客層や人によって結果は変わります。
一方で、失敗する原因は意外と似ていることが多いと感じます。
準備不足、確認不足、目的のズレ、現場との温度差、お客様を見ていないこと、続ける力が足りないこと。失敗には、ある程度よくある落とし穴があります。
だから、失敗しない方法を学ぶことも大事です。ただ、それだけでは山は登り切れません。
本当に大事なのは、自分たちなりの登り方を見つけることです。どのルートなら登れるのか、どこで休むべきなのか、どの準備が役に立ったのか、誰の支えが効いたのか、次に別の山を登る時にも使える考え方は何なのか。
そうやって、うまくいった道のりを振り返ることができれば、成功は偶然ではなく、次の挑戦に使える経験になります。
うまくいっている時こそ、次の一手を考える
調子がいい時は、ただ喜んで終わってもいいのかもしれません。頑張った結果が出たなら、喜ぶことも大切ですし、みんなで達成感を味わうことも、次に向かう力になります。
でも、そこで終わらせるのはもったいないと思っています。
うまくいっている時だからこそ、考えられることがあります。
なぜ今、うまくいっているのか。自分たちの何が効いたのか。お客様は何に反応してくれたのか。来てくれたお客様に、次も来てもらうための行動ができているか。この良い流れを、次の挑戦につなげるには何をすればいいのか。
結果が出ている時は、現場にも余裕があり、空気も前向きになりやすい。そのタイミングで成功の理由を言葉にしておくことは、ただの振り返りではなく、次の成長の準備になるのだと思います。
うまくいかなかった時だけ振り返るのではなく、うまくいっている時にも振り返る。
そうすることで、自分たちの行動や考え方の中にある良さに気づくことができます。そして、その良さをもう一度使えるようになります。
