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研修は、受けさせる前に「なぜ行ってほしいか」を伝えることから始まる

研修は、ただ受けさせればいいものではないと思っています。

社員に研修へ行ってもらう。
幹部に外部研修を受けてもらう。
新入社員に学びの場を用意する。

会社として、人に投資することはとても大切です。

でも、研修は「行ってきて」「勉強してきて」だけでは、なかなか現場に活きません。

受ける側からすると、
なぜ自分がその研修に行くのか。
会社は自分に何を期待しているのか。
その学びをどう活かせばいいのか。

そこが分からないまま参加することがあります。

それでは、せっかくの研修も、
「いい話だった」
「勉強になった」
「刺激を受けた」
で終わってしまいやすい。

私は、研修は受けさせる前から始まっていると思っています。


研修に送り出すことは、期待を伝えるきっかけになる

社員を研修に送り出す時、私はただ
「行ってきて」
とは言いたくありませんでした。

それよりも、
なぜあなたにこの研修に行ってほしいのか
を伝えることが大切だと思っています。

あなたのこういう部分に期待している。
この良いところをもっと伸ばしてほしい。
今持っている力を、さらに活かす武器にしてほしい。
ここは少し苦手かもしれないけれど、補強できればもっと仕事がしやすくなると思っている。

そういうことを伝える。

研修は、相手への期待を伝える良いきっかけになります。

ただ弱点を直すために行かせるのではなく、
その人の良い部分を伸ばすため。
良い部分を活かすため。
足りない部分を補強するため。

そう意味づけるだけで、受ける側の受け取り方は変わると思います。


その研修の何が良いと思っているのか

研修に行ってもらうなら、送り出す側も考える必要があります。

その研修の何が良いと思っているのか。
どんな内容を吸収してきてほしいのか。
本人の仕事や役割に、どう活かせそうだと思っているのか。

ここを伝えずに、ただ
「勉強してきて」
と言っても、受ける側はどこに意識を向ければいいか分かりにくい。

たとえば、同じ研修を受けても、人によって持ち帰るものは違います。

話し方を学んでほしい人もいる。
部下との関わり方を学んでほしい人もいる。
自分の考え方を整理してほしい人もいる。
視野を広げてほしい人もいる。
次の役割に向けて、武器を増やしてほしい人もいる。

だからこそ、送り出す前に伝える。

「この研修のここが、あなたに合うと思っている」
「ここを吸収できると、今の仕事にこう活かせると思う」
「今後こういう役割を期待しているから、この視点を持って帰ってきてほしい」

そう伝えることで、研修は本人にとって自分ごとになります。


できれば一緒に受ける

できれば、経営者や上司も一緒に研修を受けた方がいいと思っています。

もちろん、すべての研修でそれができるわけではありません。

時間もあります。
費用もあります。
立場や役割の違いもあります。

でも、可能であれば一緒に受けることには大きな意味があります。

同じ話を聞く。
同じ言葉に触れる。
同じ場で考える。

そうすると、研修後に同じ目線で話ができます。

「あの話、うちで言うとどういうことだろう」
「あの考え方は、今の現場にどう活かせそうか」
「自分はこう感じたけど、あなたはどう思ったか」

こういう会話ができるようになります。

研修で得た言葉が、社内の共通言語になる。
外で聞いた良い話が、自社の現場に引き寄せられる。

ここまでできると、研修はただの外部イベントではなくなります。


研修後に「どう活かすか」を考える

研修は、受けて終わりではありません。

むしろ大事なのは、その後です。

何を感じたのか。
何が印象に残ったのか。
今の自分に当てはめると、何ができそうか。
自社に置き換えると、どこに活かせそうか。

ここを考えないと、研修は記憶として薄れていきます。

「いい話だった」
「面白かった」
「勉強になった」

それ自体は悪いことではありません。

でも、そこで終わると現場は変わりません。

大切なのは、気づきを現場につなげることです。

明日から何を変えるのか。
誰と話すのか。
どの場面で試すのか。
自分の役割の中で、どう表現するのか。

そこまで考えて、初めて研修は仕事に戻ってきます。


研修は、社員だけのものではない

研修というと、受講者本人の学びに目が向きがちです。

もちろん、本人が学ぶことは大切です。

でも、研修は社員だけのものではないと思っています。

送り出す側にも責任があります。

なぜ行ってほしいのかを伝える。
何を期待しているのかを伝える。
受けた後にどう活かすかを一緒に考える。
本人が持ち帰った気づきを、現場で使える形にする。

そこまで含めて、研修だと思います。

社員にだけ
「学んでこい」
と言っても、学びはなかなか定着しません。

会社側が、その学びをどう現場につなげるのかを考える必要があります。


研修設計の価値は、講義時間だけではない

私が研修を受ける時も、研修を設計する時も、大切にしていることがあります。

それは、研修そのものより前に、
なぜ研修をするのか
を確認することです。

経営者は、なぜこの研修をしたいのか。
社員にどうなってほしいのか。
どんな課題を感じているのか。
研修後、現場でどんな変化が起きてほしいのか。

ここを確認しないまま研修をしても、内容だけが先に進んでしまいます。

講義時間だけを見ると、研修の価値は分かりにくいかもしれません。

でも本当は、その前後に価値があります。

経営者の意図を確認すること。
受講者への期待を整理すること。
研修の内容を自社の現場に接続すること。
終わった後に、気づきを行動につなげること。

ここまで設計して、研修は意味を持つのだと思っています。


研修は、期待と気づきを現場につなげるもの

研修は、知識を増やすためだけのものではありません。

もちろん、知識やスキルを学ぶことは大切です。

でも、それだけでは足りません。

その人に何を期待しているのか。
どんな良さを伸ばしてほしいのか。
どんな役割に近づいてほしいのか。
そこで得た気づきを、現場でどう活かすのか。

そこまでつながって、研修は力を持ちます。

受けさせて終わりではない。
学んで終わりでもない。
いい話だったで終わらせない。

研修は、送り出す前から始まっていて、現場に戻ってから意味を持つものだと思っています。

研修は、
受けさせるものではなく、
期待と気づきを現場につなげるものなのだと思う。


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