AIに事実と意見を混ぜさせない——発信者が分けておく4つの情報
AIに原稿を作らせたとき、文章は自然なのに、どこか不安になることがある。
その不安の正体は、AIが間違った文章を書くからだけではない。人間側が渡した「事実」「経験」「意見」「未確認の話」を、AIが一つの滑らかな文章にしてしまうからだ。
発信者が最初に情報を分けておけば、この事故はかなり減らせる。
分けるべき情報は四つだけ
1. 確認済みの事実
公的資料、一次資料、記録、確認できる数字。出典と確認日を付ける。
2. 自分が経験したこと
自分が見たこと、聞いたこと、試したこと。これは重要な材料だが、他人にも同じことが起きるとは限らない。
3. 自分の評価・意見
何を問題と見るか、どこに違和感を持つか。事実ではないからこそ、書き手の言葉として明確にする。
4. 未確認の論点
追加で調べる必要があること、仮説、読者に問いとして残したいこと。ここを事実のように書かない。
AIは空白を埋めようとする
たとえば「ある制度について、私はこう感じた」とだけ渡したとする。AIは読みやすい文章にするため、その制度の背景や影響を補おうとする。
その補足が正しいとは限らない。しかも、元の意見と混ざれば、読者はどこまでが確認済みなのか分からなくなる。
政治、経済、法律、医療などでは、この混同がそのまま誤解につながる。
原稿依頼の前に付けるチェック表
この記事で断定してよい事実は何か
自分の経験として書く部分はどこか
自分の評価として書く部分はどこか
まだ分からないため、断定しない部分はどこか
AIに補完させてはいけない固有名詞・数字・因果関係は何か
この五つを渡してから原稿を作れば、AIは「書き手の判断」を壊しにくくなる。
透明性は、文章を弱くしない
「これは確認済みの事実」「これは私の評価」「ここはまだ分からない」と分けると、文章が弱く見えると思う人もいるかもしれない。
むしろ逆だ。どこまでが確認できていて、どこからが判断なのかが見える文章は、読者が自分で考える余地を持てる。
AIを使うほど、書き手が責任を持つ場所ははっきりする。情報を分けることは、AIを疑うためではなく、読者に対して誠実でいるための作業だ。
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