AIで過去動画20本から、次の3企画を10分で選ぶ方法
※「配信者のためのAI実践ノート」#12
過去動画を見直すとき、再生数が高い順に並べても、次の企画は決まりません。今だけ伸びた話題と、チャンネルに残したいテーマは、しばしば別だからです。
AIは「当たり企画」を選ぶ審査員ではなく、動画ごとの差を同じ表で比べる助手にします。前回は、公開後の反応を数字だけで判断しない見方を整理しました。今回はそこから一歩進めて、過去動画を次の一本に変える10分の手順を置いておきます。
再生数より先に、「次にも使える問い」を拾う
動画を見返すときに残すのは、数字だけではありません。次の五つを一行ずつ書き出します。
誰に向けた動画だったか
その人が持っていた問いは何か
動画で出した結論は何か
まだ答え切れていない部分はどこか
次回に使えるコメントや資料はあるか
ここで初めて、過去動画が「再生済みの資産」から「次の企画の材料」に変わります。詳しい掘り起こし方は、第5回:AIで過去動画を掘り起こし、次の企画に変える方法でも書きました。
20本を、五項目だけで並べる
対象は、直近だけでなく、チャンネルらしさが出ている動画も含めた20本です。スプレッドシートでもメモでも構いません。列を増やしすぎず、先ほどの五項目にタイトルと公開日を足す程度にします。
大事なのは、AIに動画の評価を丸投げしないことです。自分で書いた「誰に」「何を答えたか」が入っていなければ、AIは再生数や似た言葉だけを拾いやすくなります。
AIには「候補を並べる」と頼む
20本分の表を渡したら、頼む仕事は企画の決定ではなく比較です。たとえば、こう指示します。
以下の動画一覧を比較してください。共通する視聴者の問い、結論が途中で終わっている動画、最近の投稿と重複しない切り口を箇条書きにしてください。再生数だけで優劣を付けず、入力にない事情は補わないでください。次に検討する企画候補を3件、根拠と公開前に確認すべきことを添えて提案してください。
「入力にない事情は補わない」と入れるのは、もっともらしい補足で企画の根拠がぼやけるのを防ぐためです。
10分で回すなら、この順番
2分:対象の20本を選ぶ
3分:五項目を一行ずつ埋める
3分:AIに比較と3候補の提示を頼む
2分:候補を一つ選び、残りを外した理由もメモする
動画のURL、タイトル、概要欄が手元にある前提なら、まずこの10分で「何を比べるか」は決められます。視聴者コメントや一次資料まで確認するのは、その後です。
選ばなかった二つも、捨てない
今回出た三候補のうち、公開するのは一つで十分です。ただし選ばなかった二つは、見送り理由と一緒に残します。「資料が足りない」「直近の動画と重なる」「今の視聴者の問いとずれる」と書いておくと、次に見直すときの判断材料になります。
AIで増えるのは、企画数そのものよりも、比較して選べる状態です。チャンネルの軸を決めるのは、最後まで配信者の仕事です。
有料記事にするなら、売るのは企画名のリストではない
有料化するなら、価値になるのは「伸びそうな企画20選」ではありません。自分の動画を入れれば、次の一本を選べる比較表と、コメント・資料まで含めて確認する質問セットです。無料では判断の考え方を渡し、有料ではコピペして使える表と運用手順を渡す。この分け方なら、読者の作業が一段先に進みます。
連載の入口と全体像は、第1回:YouTube配信者がAIで「止まる時間」を減らす方法にまとめています。
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