人材紹介業界 × AI でこれから起こるゲームチェンジについて
「人材紹介(エージェント)業界は、これから変化(淘汰)がある時代に差し掛かるのではないか?」
そんな危機感と焦燥感を日々覚えながら仕事をしています。その背景や目指してる世界観などを、個人的主観も交えて記載していきたいと思っています。少しでも皆様のご参考になれば幸いです。
0. 人材紹介会社はこのままで良いのか?
率直に申し上げると、人材紹介の「レベル」が年々低下しているのでは?と感じています。もしかすると、人材紹介の熟練者の方々は、そう感じていらっしゃることなのかもしれません。
ただ、2025年の現時点において、「こうなること」は既に過去から決まっていたようにも思います。つまり、これまでの文脈を鑑みると、この発生事象は必然であったのだろうなと。その理由を後述していきます。
0-1. 参入障壁の低さ
人材紹介を生業にするには、いわゆる「免許」が必要になります。ただ、その免許の取得はそこまでハードルが高くありません。そのため「人材紹介を始めよう!」と思ってすぐに着手すれば、数ヶ月後にすぐに免許が取れます。
0-2. 儲かると思われている
人材紹介の紹介料金の一般的な平均は、決定年収 × 35%。例えば、年収5,000,000円で転職決定をした場合、1,750,000円が売り上げになります。また、これまで以上に紹介料金の料率を上げる事業者も増えてきています。
そして、1ヵ月に1名の入社決定があれば、社員1名あたりのコストはペイできます。むしろ、利益率も高いと感じると思いますし、他のビジネスと比較して「儲かる」と思うのは普通の心理です。それゆえに、参入も多いのだと思います。
0-3. 会社に所属するより独立したほうが稼げる
これもよく聞く意見です。人材紹介を数年経験すると、1ヵ月に2〜3名の入社決定を実績として作ることができるようになってきます。その場合、単価が1,750,000円であった場合、シンプルに3,000,000円から4,000,000円の売り上げを作ることができるため、自分で独立をして仕事をしていった方が、自分の稼ぎが良くなると思う事は当たり前の心理です。また、昨今においてリモートで面談もできるようになったため、それが拍車をかけて、独立をして取り組んでいこう、個人事業主として取り組んでいこうと思う事は当然の心理だと思います。
0-4. 人材紹介の事業者数の増加
前述した3つの要因から、人材紹介のプレイヤーは格段に増えたと感じています。下記をご覧ください。

ご覧いただいた通り、10年前と比較すると 1.76倍 に、そして20年前と比較すると 4.34倍 に増加をしています。
これらが要因となり、人材紹介協会で何が発生しているのでしょうか?
1. 人材紹介業界で発生していること
前項目で記載をしたことが発生している昨今の人材紹介業界において、具体的にどのようなことが発生しているのか?羅列します。
• 各社がスカウト媒体を使用して強化する
• スカウト媒体におけるスカウト総通数が倍増する
• スカウト返信率・返信数が低下する
• 求職者の面談数が低下する
• さらに集客をするためにWeb広告(リスティングなど)を強化する
• Web広告単価が倍増する
• 別の集客手法を強化するために交通広告・テレビCMなどを実施する
• 求職者がスカウト媒体に入る前に大手人材紹介会社へ登録をする
• さらに人材紹介会社のスカウト競争が激化する
• 人材紹介会社に勤めている方々は疲弊していく
• 育成もできず、業務効率化施策も打てず、メンバーが疲弊する
• 過去と比較して売上・利益が鈍化し、経営陣が苦悩する
• さらにスカウトを強化するよう動く
皆さま、いかがでしたでしょうか?人材紹介の業界にこのようなシステムがあると感じています。おそらく人材紹介会社の経営者・マネージャー以上の方は、体感していらっしゃる現実なのではないでしょうか。
ただ、なぜこれらが発生をしたのか?前項目で記載をした「競合企業の増加」以外にも、視野に入れておくべきことがあります(あったのです)。
1-1. 大手企業の新卒採用⇒中途採用シフト
新卒採用が中心の大手企業様が中途採用へのシフトを著しく動いていることを僕も肌で感じています。僕の主要領域はIT・Web領域になりますので、いわゆるDX採用における動きは顕著になってきています。そのため、プロジェクトマネージャーの採用についてはものすごく多くの人数規模です。
そのため、新卒一括採用からの脱却が実行されており、いわゆる「ジョブ型雇用」への転換も見え、、即戦力採用=中途採用へのシフトが明確になってきました。実際に、経団連の方針転換や政府の働きかけもあり、大手企業が中途採用に本腰を入れ始めています。厚労省の「雇用動向調査」によると、大手企業の中途採用数は、2015年の約35.7万人から、2025年には50〜55万人に増加していると見られており、1.4〜1.5倍です。
この動きによって何が起きているか。それはつまり、スカウトを中心とした中途採用チャネルが加速度的に強化されているということ。エージェント経由での採用ももちろん続いていますが、それと並行して、「自社でダイレクトに候補者を集める」という方向に明らかに舵を切っているように思います。そしてその負荷が、確実にエージェント側にも影響を与え始めていると感じています。
1-2. RPO企業の増加
もう一つ、見逃せないのがRPO(採用代行)企業の急激な増加です。
かつては一部の大手が中心だったRPOですが、今では中堅・スタートアップまで幅広く導入が進んでおり、まさに“RPOの民主化”が進んでいるように感じます。

👆 「RPO企業は直近2年ほどでどの程度増えましたか?」という質問をSNSに投稿しました。その結果がこちらです(僕が独自に調査をした結果ですね)
。
また、2021年と比べて2024年にはRPO事業者数は3倍、RPO市場全体も1.45倍に拡大しています。これはもう、“一企業がやっている”というより、“業界構造としてRPOが根づいてきた”という印象です。
そして、RPO企業が採用支援を請け負う際に何をするか? ほぼ間違いなく「スカウト強化」です。多くのRPOサービスはビズリーチを中心にスカウトを設計・運用する体制を取っています。そのため、結果的に市場全体でのスカウト通数が爆発的に増えているという現象が起きているのではないかと思います。これも、エージェント経由での推薦とのバランスを変えている要因の一つだと感じています。
1-3. HRフリーランス人口の増加
さらにもう一つ、大きな影響を与えているのがHRフリーランスの急増です。
ランサーズやクラウドワークス、SaaS系HRツールの発展も後押しとなり、
いまでは「企業の採用を一部外注で任せる」「採用業務だけを月単位でフリーに任せる」といった動きが当たり前になってきました。

👆 誤解がないようにお伝えすると、HRフリーランスの総数のデータは日本に存在していません。ただ、ランサーズさんがフリーランスの人口のデータは公開しており、そのうちn%(当社が独自に算出)で計算をしたところ、こちらの人数になりました。ご覧いただいた通り、実際に、2020年時点では14〜19万人ほどだったHR系フリーランス人口は、2025年現在、推定54万人以上にまで増えているとされており、これは約4倍に相当します。
当然ですが、彼らフリーランスの多くが“即戦力”であり、“すぐにスカウト業務を代行できる人材”です。そして企業側も、フルタイム正社員で採用担当を抱えるより、外注でスカウト運用を任せるほうが手軽で早い、という判断をしているケースが増えています。
これが何を意味するかというと、エージェントが持つ「スカウト運用の独自性」が、少しずつ市場に溶け出しているということ。そして、これまで内製化が難しかったスカウト業務が、どんどん“誰でも・どこでもできる業務”として再定義されてきている、という事実です。
1-4. 労働人口は増えていない
ここまで読んで、「スカウトが増えてるのは分かったけど、それなら求職者も増えてるのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、結論から言うと、求職者の“絶対数”はむしろ減っています。

総務省のデータによれば、日本の労働人口(15〜64歳)は2020年の7,341万人から、2055年には4,706万人まで減少すると推計されています。これは35.8%の減少であり、2,635万人の喪失です。
つまり、市場全体としては「スカウトを打つ側(企業・RPO・フリーランスなど)」は急激に増えているのに対して、「スカウトを受け取る側(求職者)」はどんどん減っている、という構造です。
これが何をもたらすかというと、「スカウト疲れ」、そしてその先にあるのが、返信率の低下 → 面談数の低下 → 応募数の低下 → 入社決定数の低下という構造的な連鎖なのです。
1-5. 人材紹介で発生していることをループ図で表現する

👆 こちらはあくまでも僕の感覚で作成したものになるのですが共感いただける人材紹介会社様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、本項目に記載した通り、さらにプレイヤーの数はこれから増えていくことが予想されます。そんな中、別のパラダイムが発生しています。
その正体は、「AI」です。
2. AIは人材紹介会社に何をもたらすのか?
思っている以上に、AIのビッグウェーブが一気に訪れています。2030年にAGIが浸透すると言う予測の声がありましたが、このままのスピードでAIが進化し続けると2026年にAGIが訪れます。AGIとは、Artificial General Intelligence(汎用人工知能)のことです。つまり、様々なこと(業務)を「人間」が実施する必要がなくなると言うパラダイムです。
具体的な話を進める前に少し基本的な話をしましょう。
・AIとは
- 専門家向けの技術で、主にコードで指示を出すことを前提とする。
- 高度な分析や処理を可能にするが、一般人には扱いにくかった。
・生成AI
- 日本語で指示できるAIで、「AIの民主化」を実現した技術。
- 誰でも文章・画像・コードなどを生成でき、利用が急拡大中。
・AIエージェント
- 特定業務に特化し、人間の代わりに作業を遂行する自律型AI。
- 求人提案やスカウト送信などを自動で代替可能な“実務支援者”。
・AGI
- 目的だけ伝えれば“自分で考え実行する”汎用型AI。
- 人間のような柔軟な思考と判断力を持ち、全業務の統合代行が可能。
AGIが創発する未来は「本当にそうなるのか?」と疑心暗鬼の方はいらっしゃるかもしれませんが、ただグローバルカンパニーを中心に下記のようなニュースが日々入ってきています。
2025年5月、マイクロソフトは全従業員の約3%にあたる6,000~7,000人の人員削減を発表
DBS銀行(シンガポール):今後3年間で約4,000人を削減予定
シンガポール最大の銀行であるDBSは、AI導入による業務効率化を理由に、今後3年間で従業員の約10%にあたる4,000人を削減する計画を発表しました。
同時に、AI関連の新たな雇用を約1,000人分創出する予定です。(AI CAREERS JAPAN, BBC)
世界経済フォーラム(WEF)の報告によれば、世界の大手企業の41%が、AIによる業務自動化に伴い、2030年までに人員削減を検討していることが明らかになりました。
PR業界でも、AIの導入により一部企業で人員削減が進んでいます。
一方で、業界関係者からは「AIの活用と戦略的な応用に焦点を当て、新しい役割を生み出す必要がある」との声も上がっており、AIとの共存を模索する動きも見られます。
これらの事例は、AI技術の進展が各業界の雇用構造に大きな影響を与えていることを示しています。今後もAIと人間の役割分担や新たなスキルの習得が求められる時代となりそうです。
また、僕の知人のプロフェッショナルなエンジニアリング企業の代表がおっしゃっていました。
「今の業務フローに対してAIを活用することによって、80%をAIで代替することができる。この話をすると、日本ではまだ疑心暗鬼の方がいらっしゃいますが、世界においてはそういったニュースは日常茶飯事で、既にその動きは顕著に出てきています」
これが人材紹介市場にどのようなパラダイムを齎すのか?僕の考えを記載していきます。
2-1. 未経験求人・若手求人の採用ニーズの激減
AIで代替されるのが、いわゆる「作業」フェーズです。また、恐ろしいことにAIは「思考」することもできています。そのため、いわゆる「コンサルティング」と言われる領域においても、AIが代替される世界線が訪れています。
つまり、いわゆる未経験求人・若手求人の仕事においては、すべてAIが代替する可能性が非常に高く、その領域の人材紹介については、おそらく今後なくなる可能性が高いです。未経験で採用をするメリットがほとんどなくなってしまうため、おそらく人材紹介会社がターゲットにしやすい未経験求人・若手求人が今後ほとんどなくなっていく可能性が高いという事実です。
実は、既にこのパラダイムは始まっています。AIの影響を最も受けやすい・導入しやすいIT/ウェブ業界は、すでに「シニアクラス」の採用活動に絞っている企業様が多いです。2025年春時点において、ジュニアクラスを採用している企業様もいらっしゃいますが、迷いも存在していることが非常に多いです。
2-2. 「問い」を提供でき「設計」ができる人材ニーズの高騰
ここがポイントです。
AIが僕らの想像以上のスピードで進化をしたとして、それを使うのは人間になります。人間が不要な世界になるかもしれませんが、様々なビジネスにおいてビジネスの発端になる「問い」は人間から提供されます。そしてその問いは、業務における「設計」が為され、ビジネスに実装されていく。
つまり、こういったパラダイムに対して、自分自身なりに問いを創発でき、カタチにでき、その問いを解決できるような仕組み(ビジネス・業務)に落とすことができる、という人材ニーズは高騰します。
ただ、今記載をした人材ペルソナのスペックは非常に、非常に高いです。年収で言うと少なくとも8,000,000円以上かもしれません。また、年収の話をしておきながら、これからは年収に関しての考え方も変わると思います。これはまた別のブログで書きたいと思うのですが、「平成時代」において年収が高い人で、この令和のAI時代において成果を上げ・活躍できるかはイコールではありません。なぜならば、平成時代で成果をあげていた「人の業務」は、AIがすべて代替する可能性が高いからです。そのため、今その業界で年収高く活躍している人でも、令和の時代では生き残っていけないという可能性も高いです。
話を戻しましょう。
このスペックの人材ニーズが今後上がるにあたり、そして前項目で記載をしたメンバー(スタッフ)クラスの人材ニーズが激減するにあたり、人材紹介会社はどのような影響があるのでしょうか?
容易に思いつくのは、まず人材紹介会社のプレイヤーにおける「レベル」を間違いなく上げなくてはならないということ。なぜならば、これまで若年層向け・未経験者向け・若手向けに人材紹介を行っていた企業様は、淘汰の対象にならざるを得ないからです。これはIT・ウェブ業界からこの動きは発生します。いわゆるレガシー業界にすぐこの波は訪れないかもしれませんが、世界中のレガシー産業においてAIの波は同じように訪れるはずですので、日本のレガシー産業が動かざるを得ないという感覚になるはずです。
そのため、あらゆる人材紹介会社において「当社はAIの影響を受けにくい」と思っていらっしゃる領域の場合においても、すぐにそのパラダイムが訪れると僕は予想しています。
2-3. キャリアカウンセラーがAIで代替される時代が来るのか?
これについては、現時点で明言を避けます。なぜならば、これが発生してしまうと、業界への影響は計り知れないからです。現時点で数百名レベルの人材紹介会社は、突如としてこの動きが出た場合、対応が難しいと思いますし、何より「人間が取り組むべき価値」を信じたい業界の1つだと思うので、イノベーションのジレンマは間違いなく発生します。
ただ、AIベンチャーは間違いなくこの領域を狙ってきます。すでに僕もこの話を何度も耳にしています。そのため、僕ら人材業界のプレイヤーがこれに取り組まなくとも、AIベンチャーがこの領域にイノベーションを起こそうと虎視眈々と狙ってきており、その動きが間違いなく直近3年以内に訪れます。
もちろん、それでもなお、人間が取り組む価値を、僕ら業界人は見つけていく・創発させていく必要があるかと思うのですが、これを想定しておく必要性もあります。

3. その上で 僕らはどうするべきなのか?
これまで記載をした内容をもとに、僕らは今後何をすべきなのか?についてお話ししたいと思います。
3-1. AIへの対応
これは必須課題であると思っています。
僕は2024年からAIを狂ったように触り始めたのですが、これまで200のAIエージェントを開発して1000時間以上をAIに費やしてきました。そこで分かった内容について記載したいと思います。
無策であれば、人材紹介会社の激増+AIによって、世の中の人材紹介会社の半分以上は淘汰される未来が目に見えています。また、9割以上の人材紹介会社に何らかの影響が及ぶのは間違いありません。ここで言う「影響」とは、売り上げや利益の増減や、規模の拡大・縮小にとてつもなく大きな影響が及ぶはずです。
2022年にChatGPTがオープンしてから、はや3年程度が経過しましたが、とてつもないスピードで進化をしています。僕はAIの時代をこれまで5つに分けているのですが、それを簡易的に表現したスライドがあるので、こちらをご覧いただけますでしょうか。

こちらはAIの時代をいくつかに分けて説明をした表です。 こちらの各時代における特徴の詳細は、先日僕が執筆をしたこちらのブログに記載があるので興味がある方はご覧ください。
AIは確実に、そしてものすごいスピードで進化をしています。これに対して人材紹介会社が理解の遅れをとってしまうと気づいた頃に致命的になるかもしれません。そんな中で、どこまでAIの知見を持つメンバーが社内にいるのか?については非常に重要な要素になるかと思います。
「社内にAIの知見を持っているメンバーがどの程度いるのか?」
といっても、
「何を取り組めば良いのか?」
は非常に不透明であると思います。
理由としては、2025年に入ってから、AIの進化がとてつもないスピードであり、正直僕もついていくのが大変です。
そんな中で、少なからず取り組むべきことがあるとするのであれば、
「社内で、自由にAIプロンプトをかける人材が何割いるのか?」
これは大きなポイントであると思っています。
なぜならば、これからAGIが訪れるとはいったものの、イノベーションのジレンマなどで、突然すべての産業がAGI化になるわけではないからです。そんな中で、ChatGPTなどを用いて自由にプロンプトを書くことができるメンバーがいればいるほど、業務がとてつもなく効率化します。
現に、当社のメンバーの半分程度はプロンプトを作ることができ、言うなれば、社内にプロンプトエンジニアが何人もいるような、そんなインパクトを及ぼせています。
3-2. キャリアカウンセラーの再定義が迫られている
前項目の続きの話です。
求人情報の整理や推薦文の作成といった業務は、すでにAIの方が高精度かつ高速に対応できる時代に入りました。こうした中で、キャリアカウンセラーが今後も価値を発揮していくには、役割を根本から見直す必要があります。
特に重要になるのは、次の2点です。
① 「AIを使える」ではなく、「AIを自由自在に操れる」ことができるか?
今後のキャリア支援において、AIはただの業務補助ツールではなく、“支援の共創パートナー”としての活用が求められる時代に突入しています。
人材紹介会社でAIを活用するとなると、例えば下記のようなことが想定されます。
1. 面談ログの要約と仮説提示:次回面談を深める問い設計の自動化
面談ログをAIが要約し、次回面談で深掘るべき問いや仮説を提示してくれるようなAIエージェント。
2. 推薦文のドラフト自動生成:面談ログ × 求人要件で生成
面談内容や求人要件をもとに、推薦文の初稿を自動で生成してくれるようなAIエージェント。
3. 求人と候補者の適合スコア提示:推薦優先度の定量化
求人とレジュメの情報からマッチ度をスコアで見える化できるようなAIエージェント。
4. スカウト文の個別最適化:志向性に基づいた自動文面生成
候補者の志向に応じて、個別最適なスカウト文を自動でつくってくれるようなAIエージェント。
5. 求人票の要約 × 魅力ポイント抽出:営業資料化を効率化
求人票を要約し、候補者に刺さる魅力ポイントを整理してくれるようなAIエージェント。
6. 非言語的魅力の可視化:キャリアに現れない“らしさ”の抽出
面談ログなどから、言語化されていない“らしさ”を抽出してくれるようなAIエージェント。
7. 社内業務のプロンプトテンプレート化:属人性からの脱却
推薦文や面談記録などをテンプレート化し、業務の属人性を減らせるようなAIエージェント。
8. 魅力項目ごとの訴求文生成:CxO〜マネージャー層向けにカスタム
候補者のレイヤーに合わせて、魅力の伝え方を自動でカスタマイズしてくれるようなAIエージェント
👆
実はこちらのAIエージェントはすでに当社の社内には存在しています。
僕も人材紹介の経験はこれまで15年以上あるのですが「こんなシステムがあってほしい、ただ実現は難しい」 というノウハウがあったのですが それを見事にAIが実現してくれています。
まさに自分の「脳」をAIエージェントが代替してくれているイメージです。
これらの業務に人間が時間を割いている限り、生産性はAIに遠く及びません。むしろ、人間がAIの手足として動いてしまっている状態すら散見されるのが現実です。だからこそ今、キャリアカウンセラーに求められるのは、“AIをどう使いこなすか”ではなく、“AIとどう共創しながら支援構造を再設計するか?”という視点です。
AIの生成力や分析力を活かしながら、自分の思考や観察をどう拡張するのか?人間ならではの経験知や文脈把握を、どこで介在させるべきか?その設計力・編集力が、これからの“仕事の成果”を分ける最大の差分になります。
AIに思考を委ねることではなく、AIに思考を伴走させる設計行為です。そしてこの力が、今後のキャリアカウンセラーにとって基礎的な業務スキルになっていくでしょう。
② 求められるのは、「AIが絶対に到達できない気づきを生み出す存在」になること
AIが求人要件やスキル要件を瞬時に分析し、業界動向をわかりやすく説明してくれる時代において、キャリアカウンセラーが持つべき唯一無二の価値は、“気づきの提供”です。
しかも、その気づきは「表面的な情報整理」では意味を持ちません。本人すら気づいていない内面的な問いや、“構造的ズレ”への指摘と再解釈ができるかどうか。
たとえば、以下のような場面での気づきは、AIには提供できません:
• 「やりたいことがない」という言葉の背後にある、認知の抑圧構造を見抜く
• 「キャリアチェンジを迷っている」のではなく、「人間関係のパターンから逃げている」ことに気づかせる
• 「この会社が合っているか」ではなく、「この組織の関係性構造の中で、自分の特性はどう影響するか」を俯瞰して見せる
こうした支援ができるためには、単なる経験年数や業界知識では不十分であり、垂直的スキル=視座の高さ・自己認識の深さ・他者の思考構造への共感力が不可欠になります。
( 垂直的スキルの説明をするとかなり長文になってしまうので、ご興味のお持ちの方はこちらのブログをご覧ください。)
さらに、求人企業についても同様です。単に「どんなビジネスをしているか」ではなく、
「この会社では、どんな感情が歓迎され、どんな表現が抑圧される傾向があるのか?」
「現場のキーパーソンは、どのようなパワーバランスで動いており、候補者に何が求められるのか?」
といった、関係性や空気感、文化的背景に対する高い解像度が必要になります。つまり、キャリアカウンセラーはもはや“求人の紹介者”ではなく、“構造的・心理的な文脈の翻訳者”であり、“気づきを媒介するファシリテーター”としての機能が主軸になるのです。
この力を持つか否かが、“求人情報はAIに、気づきは人間に”という分業構造の中で生き残る唯一の道筋になると考えています。
4. これから人材紹介会社が選ぶべき道とは
“AIに代替される側”になるか、“AIを使いこなす側”になるか?
ここまで、AIの進化と人材紹介業界への影響について、段階を追って整理してきました。
そして、最後にお伝えしたいのは、
僕たち人材紹介会社は、これからどんな道を選び、どんな戦い方をしていくのか?
という問いに、いよいよ向き合わなければならないタイミングが来ている、ということです。
本項目では、その選択肢と具体的な打ち手について触れていきたいのですが、本ブログではあえて詳細は割愛し、別途開催するセミナーにて、より深くお話しできればと思っています(冒頭にも告知させていただきましたが)

以下、セミナーで扱う予定のテーマを一部ご紹介します。
【セミナーでお話しする予定の内容(一部)】
3-1. 大手エージェントは“キャッシュと人海戦術”で勝負し続けるのか?
- 大手が取れる戦い方と、その構造的な強みとは?
- 中小が同じ土俵で戦うと、なぜ苦しくなるのか?
3-2. 中小エージェントが選ぶべき、“もう一つの土俵”とは
- 限られたリソースでも勝てるAI活用戦略とは?
- プロンプト設計力とAIエージェントの内製化の考え方
3-3. ノウハウをAIに“転写”するという発想
- 自社が培ってきた暗黙知を、どうプロンプトに落とし込むか?
- AIを“自社流に育てていく”という考え方
詳細については、ぜひセミナーでお会いできれば嬉しいです。
実際に、僕が日々AIと人材紹介の現場で向き合いながら感じている“リアルな温度感”を、そのままお伝えできればと思っています。
最後に
僕は人材紹介という仕事・ビジネスが大好きです。
僕は人材紹介というビジネスを新卒で選んだことをすごく幸せだと思っています、そしてこのビジネスに誇りを持っています。
人材紹介という業界において、僕よりも先輩はたくさん存在している中で、2025年の夏にAIの大きなパラダイムシフトがついに発生しました。もちろん、皆様が所属されていらっしゃる業界や地域、ターゲットによってはAIの荒波が訪れるまでのタイミングに前後はあるかと思うのですが、必ず数年以内に何かしらの影響を受けると思います。
僕らが大好きな人材紹介というビジネスに対して、このAIの荒波にきちんと乗りつつ、共に業界を創っていきませんか?
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