[組織ブログ Ver.81]「文脈思考」という武器 ─ 採用と組織を読み解く新しいレンズ
「文脈思考という考え方については、知っておいて、損はないと思う」
そんな話を社内外ですることが非常に多くなりました。この言葉は僕の口から出た本音で、これをきちんと理解し始めてからビジネスにおける考え方や、人間関係、そしてチームやグループ、組織における言動を深く振り返ることができるようになりました。
そんな話を細かく記載していきたいと思います。
0.文脈とは
文脈とは:
これまでの変遷、経験のこと
かなりざっくり記載していますが、理解しやすい表現をするのであれば、こんな感じかと思います。
たとえば、僕は今40歳ですが、40年間の文脈があります。その文脈の中には、ポジティブな文脈もあり、ネガティブな文脈もある。また、目を覆いたくなるトラウマのような文脈もあります。
その文脈が40年間蓄積し続けており、今このブログを執筆している際に、どのような「言葉」を使うのかも、これまでの文脈がその言葉を使わせているという考え方もできます。
少し細かく文脈を見て参りましょうか。
1.文脈はたくさんの種類がある
この考えに立ってからは、すごく様々な気づきを多方面ですることが多くなりました。早速説明をしてまいりましょう。
1-1. 自分自身の文脈
これはまさに前述した、僕自身の40年間の文脈のことです。
僕は今、ポテンシャライトという企業の代表をしています。前職はIT系の人材紹介会社の取締役でした。では、なぜ僕はポテンシャライトの代表をしているのか?これは文脈的に結果的にそうなったという考え方ができるのです。
長くならないように記載をすると、僕の名前は「一城」と書きます。名前の由来をお父さんに聞いたところ、一つの城を持ちなさいという話だったようです。「どんな城を持てば良いのか?」と質問したところ「大きくても小さくても何でも良い」という回答でした。僕は当時、学級委員になったり、スポーツチームのキャプテンになったりをイメージしており、中学校の頃に学級委員に立候補してみたり、サッカーチームのキャプテンを目指してみたりしていました。
そして、お父さんはある小さな会社の代表をやっていましたが、僕も自然と将来的に会社の代表になりたいと思うようになり、会社を立ち上げました。つまり、僕の「名前」という文脈が存在しています。
また、本ブログをご覧いただいている方で、僕と一度以上コミュニケーションをとっていただいたことがある方は、おそらく僕のパーソナリティー(性格や人柄)をご理解いただけているかもしれないのですが、僕のパーソナリティーも文脈から構築されています。
たとえば、僕は幼少期から学生時代までに「1番になった」という経験はほとんどありません。そのため、僕には「1番になれない」というコンプレックスが存在しています。ただ、ビジネスの世界においては、どうにかして1番になりたいという考えを持っていました。そこでリクルートさんが主催するキャリアカウンセラーランキングで1位の表彰を受けた時は本当に嬉しかったです。つまり、僕が1番にこだわる理由は、幼少期から学生時代に1番になれない自分に対しての惨めな気持ちになったり、「自分は神様から愛されていないんだ」と自分の中で決めつけていた文脈があるからなのです。
また、なぜ自分はイライラするのか?という感情の動きについても文脈から説明をすることができます。これは僕の持論ですが、喜怒哀楽の感情が発生するのは、自分自身の「枠組み」を超越した出来事が起きるときだと思っています。ここで言う枠組みとは、自分自身の「原体験」で枠づけられており、つまり自分自身の原体験は、自分自身の「当たり前」を構築し、原体験「以外」で起きた事象は枠組みの外の事象というわけです。
たとえば、よく僕が事例に挙げるのは様々な国の異なる食文化についてです。ある国はフォークを使う、ある国は箸を使う、そしてある国は手でご飯を食べるなど、異なる国籍の方同士でご飯を食べるときは、カルチャーショックだらけかもしれません。ここで言うと「驚く」という感情が生まれるかと思います。すなわち驚くというのは自分自身の「枠組み」を超越した事象が発生していることを意味します。
つまり、喜怒哀楽のいずれかが起きた場合は、自分の枠組みを超越した事象が起きている、自分自身の当たり前を覆されているという捉え方。もし仮にするのであれば、それも文脈がそうさせていると思うと良いかもしれません。
本項目で1つブログが書けそうなのですが、次に進めましょうか。
1-2. 特定の相手の文脈
言い換えると「二者間の関係性」とでも言いましょうか。
皆さんは、親友と呼べる方はいらっしゃいますでしょうか?もしくは古い友人、そして長年付き合っている彼氏や彼女、夫婦関係、ご両親。たくさんの関係性がありますよね。そして、皆さんが長く関係性を持っている様々な方々に対して、そのそれぞれの前で表現される「自分自身」って異なる顔だったりしませんか?たとえば、
・古くからの友人の前ではすごくふざけたりする自分がいる。
・彼女の前だと無口で、ただ静かな時間を楽しんでいる自分がいる。
・お母さんと会うと、なぜかお母さんのおせっかいに腹が立ってしまう自分がいる。
・会社では意思決定が鋭いのに、妻の前だと意思決定がしにくくなってしまう。
・在籍が長いメンバーとすごく仲が良いけれども、意外と真剣な話をしなくなってしまう。
そんなことがあったりしませんでしょうか?
これはなぜ生まれるのでしょうか?もちろんたくさんの要素が複雑に絡み合って、上記の事象が発生していると考えられるのですが、「文脈がそうさせている」という考え方をしてみると、面白い発見があります。
僕の話をしましょうか。
僕は、高校時代の友人と話すときが最も「ふざけている自分」だと思います。高校時代って、真面目というよりは、ふざけてばかりいたのではないかなと思うのですが、当時の文脈を今まさに思い出し、高校時代の友人と会うと、その記憶が蘇り、真面目な話というよりは、当時の思い出や、ふざけたような話ばかりしてしまいます。
また、僕はお母さんと会うと、今でさえ、きちんとゆったりと優しい口調で話をすることができますが、お母さん特有のおせっかいが始まると「もう!わかってるからいいよ」という思春期の子供のような反応をしてしまうことがあります。社会人になると一人暮らしをしたり、親元から離れるわけですから、大学生までの自分と両親との関係性が大人になっても幾分か続くというふうに捉えることもできます。これも文脈がそうさせているという考え方ができますよね。
また、ポテンシャライトの創業メンバーである小原との関係性について。もともとは新卒で入社したネオキャリアの同期で、それ以降も定期的に会って会話をすることが多かったのですが、当時は戦友であり友人のような関係性でした。そしてポテンシャライトが始まると、創業期は厳しいコミュニケーションも双方で取り続けてきたわけですから、それも文脈として蓄積されています。そして、会社が大きくなり、コミュニケーションのスタイルも変わり、そして執行役員が1人増え、さらに関係性が変わりました。ここまで複雑な二者間における関係性の文脈は無いかもしれませんよね。
こちらの文章をお読みいただいて、皆さん個人においても、これまでお世話になった様々な方々との二者間の関係性は、非常に複雑性が高い関係性もあるのではないでしょうか。そしてその関係性を構築しているのは何か大きな「ひとときの出来事」ではなく、これまで蓄積された複雑な文脈がそうさせている可能性もありますよね。
1-3. チームやグループの文脈
チームとグループの違いとは何か?という言及は、本ブログではしません。仮に定義するのであれば、少人数がチーム、少し大きくなって、グループとでもしておきましょうか。
前項目の二者間の関係性と異なり、チームとグループは三者間以上になるため、さらに複雑になります。
よくあるのは三者間が非常に難しいといいますよね。これは学生時代の仲良しグループでも同じことが言えます。二者間だといつも一緒にいられて、そして文脈を共有し合えます。ただ、三者間になると、そのうちの二名で会話をすることも増えると思いますし、三人で遊園地に行ったら、乗り物に乗るときに何かと議論が発生します。
それが四人になったり、五人になったりすると、なおさら発生しますよね。ここで言う情報の粒度だけではなく、それまでうまくいっていたチームやグループに新しい人がジョインするにあたり、チームやグループがうまくいかなくなってしまったという経験をされたこともあるかと思います。これは、その新しく入ってきた人が何か悪いというわけではなく、これまでのそのチームやグループの「文脈」が変わったのですから、文脈やシステムの再設計をする必要があります。
チームやグループは、そのメンバー間での双方における理解を「人物タイプ」のみで判断してしまうことが多いように思います。たとえば、MBTIやストレングスファインダーなどを双方共有し合い、人物タイプ的に双方がマッチするポイントやミスマッチするポイントを共有し合う。これは非常に素晴らしい行為なのですが、これは二者間におけるマッチングポイントであり、三者間や四者間になるとどうなるのでしょうか?また、三人や四人になると、そのうちの二人はすごく文脈をこれまで共有できているメンバーであり、一人だけ文脈をほぼ知らない。一方で、四人のうち三人はこれまで別のプロジェクトチームであったけれども、一人だけ異なるなんていうことも発生することが多いです。
つまり、人数が多くなれば、その文脈も発生する複雑性も高くなりますし、そしてそのチームやグループの歴史が長ければ長いほどもちろん文脈が存在するわけで、グループやチームの統合、つまりM&Aなんていうことが実施されると、さらにその文脈が複雑に絡み合うということなのです。前項目に記載をした二者間、そして自分自身の文脈もある中で、チームやグループの文脈を共有したり、それをきちんと理解し合うことのハードルの高さをご理解いただけるのではないでしょうか?
1-4. 組織(会社)の文脈
皆さんが所属している組織にももちろん文脈が存在します。この文脈は、ポジティブにも作用しますしネガティブにも作用します。
組織や会社における文脈は、その組織が出来上がった背景まで遡ります。「今」のその組織や会社の姿は、これまでの文脈が構築していた(そうさせていた)と捉えると非常に納得感が高まることもあります。
たとえば、皆さんはこれまで会社問わず、様々な組織やコミュニティーやサークルなどに参加された経験をお持ちなのではないでしょうか。同時に、「あ、自分と合わないな」と感じた経験もお持ちなのではないでしょうか?その際に、
「なんとなく〇〇さんが雰囲気を微妙にしているなぁ」
「何か自分と価値観が合わないんだよなぁ」
などと、そこまで深く考えることなく、無意識的にジャッジされていたことがあるかもしれません。
ただ、「今」のその組織やコミュニティーは、これまでの文脈がそうさせていたと考えるといかがでしょうか?
そのコミュニティーが、そのような雰囲気を醸し出しているのは、それまでの文脈からすると「そうせざるを得ない理由」がある
その組織がその決断をするにあたり、時間がかかるのは、過去の文脈において、心身を伴う意思決定における失敗がある可能性がある
という感じです。
当社においても、これまで絶対的な成功要因もありますし、目を覆いたくなるような失敗要因もあります。これらのこれまでの体験が文脈となり、組織における意思決定を早めたり遅らせたりしている感じです。
そのため、新入社員が入社した際に、「当社っぽい意思決定」をしてしまうのは当たり前のことで、なぜならば、文脈の理解が薄いからです。また、文脈がネガティブに作用していることも多数あります。たとえば、過去の失敗体験にとらわれていたり、過去の大昔の成功体験を模倣してうまくいくと思い込んでいたり、などです。そんな中で新しくその組織にジョインしたメンバーがそれを気づかせてくれることもあります。
話を戻します。
組織やコミュニティー、そして会社のカルチャーや意思決定軸などは、それまでの文脈がそうさせている可能性が高く、文脈を知ることによって理解がぐんと深まります。いや、「理解」と表現しましたが、それまでの会社の変遷を全て理解することは不可能です。そのため、この「文脈思考」という存在自体を知っておくだけでも、
相手の意図やしがらみ
守りたいこと
補いたいこと
強がってしまうこと
などを推測する力が身に付くのではないかなと思います。
1-5. 業界の文脈
この思考も持てると話が前に進みやすいかと思います。
前項目で記載をした文脈は、その組織や会社における文脈の話でした。次に「業界」です。たとえば、法人企業だとした場合、何かしらの業界に属しています。そのため、下記のようなことが発生します。
その組織にとっては初めての体験かもしれないが、業界には既にその文脈が存在している
その組織にとっての文脈は構築できているが、業界全体(競合企業)にはその文脈がない
自組織の成功体験(文脈)が存在していると、同時に業界には別の成功体験(文脈)が存在している
何か新しいアイディアがその組織において立ち上がったとしましょう。その組織に参加しているメンバーが、多種多様なバックグラウンドをお持ちである場合、様々な意見が飛び交うのが普通です。なぜならば、バックグラウンドが異なる組織での経験は異なる文脈の集合体といえるからです。仮にその新しいアイディアについて、
佐藤さんが賛成していたとしても、鈴木さんが自分自身の過去の文脈からネガティブに考えている可能性がある
高木さんが前職(前組織)でネガティブな文脈を経験している可能性がある
高橋さんが同じアイディアを仲が良い前職メンバーと進めていて、結果はうまくいったがそのプロジェクトでそのメンバーとの関係性が崩壊した経験がある
など、あらゆる文脈が存在しているわけです。
少し話が逸れました。「業界」の文脈というのは、その業界の様々な企業・人物の文脈の集合体とでも言いましょうか。もちろん、広告業界でいう電通・博報堂、人材業界でいうリクルート、自動車業界でいうトヨタなど、その業界での絶対的な存在がいることも確かです。その絶対的な存在が、その業界のルールや歴史、文脈を築いてきたわけですから、その業界における一社に文脈が存在していなかったとしても、すでに業界にはその文脈は存在しているということもあったりします。
また、蛇足ですが、この業界の文脈を深く理解することは、戦略を精密にすると言い換えることもできます。なぜならば、業界で過去の失敗体験を学ぶことによって、その戦略を止めるという選択肢もできるでしょうし、過去の失敗体験を防ぐような施策を投じることもできたりします。
↑
この文章は、短文ですが、非常に奥が深いです。これを理解できるのは、おそらく何かしらの文脈を「自分の意思決定で構築した側」になったことがないと少々難しいです。
たとえば、皆さんも自分自身のアイディアを上司の方に提案して否定されたことがあるかと思います。その否定は、上司の自分自身の文脈やそれまでのその組織における文脈、そして業界における文脈において、過去の失敗体験という「要素」をあなたに提示して、否定されたのではないでしょうか?ただ、あなたの中に残るのは「自分の提案が上司に否定された」という体験です。
もし仮に、自分自身の本心のアイディアが上司から否定されたとして、その際に、
「あぁ、この上司自身の文脈や、上司の過去に所属した組織の文脈が今回のご意見(否定)につながっているんだろうな」
と思うことができるメンバーの方、そんな素晴らしい資質を持っているメンバーはなかなか存在しないのではないかなと個人的には思っています。もちろん存在していたら本当に素敵だと思います。
1-6. 日本の文脈
少し遠回りして説明をすると、皆さんが何かしらの「業界」を変革しようとして、その業界で働く方の賛同は得られたけれども、日本の政治や歴史がそうさせないという経験をしたことがありますでしょうか?
たとえば、僕の経験としては、ベンチャーやスタートアップ向けにビジネスを展開してきた中で、どうしてもダイナミックに動けないことがあるなぁと感じることがありました。それは、アメリカや中国と比較すると、国を挙げてベンチャー企業に投資をする金額が数十倍異なるということを目の当たりにした時です。もちろんその国の戦略や思想もあるので、それを否定したいというわけではないのですが、10倍もの投資額が異なる中で、日本が世界のスタートアップに戦うためにはどうしたらいいのか?ということを考えることもあります。もちろん文句を言っていては始まらないので、自分ができることに取り組んできたのですが、「日本のこれまでの文脈」がどうしてもそうさせていないという見え方もできるわけです。
また、日本は第二次世界大戦後に最も大きく成長してきた国の1つだと思います。特に、製造業、ものづくり産業は世界に誇れる業界の1つです。ただ、第三次産業であるITやウェブ領域においては、アメリカに大きく遅れをとっており、その後先進国の勢いにも押されています。現在は第4次産業ともいわれていますが、そこで第3次産業で取った遅れをどのように取り戻すのか?なんてことも議論の1つになっています。
そんな中で、これまで第二次産業で日本はうまくいってきたわけですから、その成功体験をし続けていればうまくいくという観点も、日本全体が持っている可能性もあります。日本の国策を決めているのは国会であり、内閣総理大臣が最終決裁者かと思うのですが、その日本のこれまでの成功体験という文脈自体がその意思決定に大きく関係しているのは何も不思議なことではありません。
また、「若い人の意見を取り入れる」なんてこともよく耳にしますが、それは非常に良いと思うんですけれども、文脈がそうさせていないという考えをすると「なるほどな」という意思決定も散見されています。
1-7. 地球の文脈
地球が今どのような状態になっているのか?を知ることも、人生にとって新しい視座を提供してくれるはずです。
ここで長文の記載は避けますが、地球があまりポジティブな状況ではないことは誰しもご存知なのではないでしょうか?たとえば、地球温暖化については誰しもご存知の事実であり、このまま地球温暖化が止まらなければ「何かネガティブなことが起こる」ということ自体は皆さんご理解いただけているかと思います。
地球温暖化は様々なこれまでの文脈が発生させています。たとえば、今僕は電車に乗っていますが、エアコンがその1つです。エアコンを強くすればするほど二酸化炭素が発生しているわけです。ただ、30年前の日本の夏の平均気温は25度だったということで、今よりも5度も低いです。今よりも5度平均気温が低いのであれば、エアコン(冷房)は必要ないかもしれませんよね。となった場合に、地球の文脈はこれまでの人類が構築してきており、まさに僕ら自分自身が今も構築し続けているのです。
工業生産も同じです。製造メーカーがたくさんの産業機器や個人が使う機器を生産しています。テレビもそうですし、自動車もそうです。ただ、これらの元となっている原料は何なのでしょうか?エスカレーターも壁も、ドアも電車機体もそうです。今、日本には資源がどんどん枯渇している状態になってきています。そんな中で、その資源を使ってこれ以上工業生産を生み出すというのは、どのようなメリットを人間は得るのでしょうか?
と考えたときに、地球の文脈も存在しているというわけです。
2. 文脈思考を取り入れると、様々な幅が広がる
さて、たくさんの文章を皆さんにここまで読んでいただいたわけですが、皆さんいかがでしたでしょうか?ピンとくる内容もあったかもしれませんし、いまいち理解が進まない内容もあったかもしれません。
その上で、この文脈思考を少しでも取り入れた際にどのようなことが発生するのか?について説明したいと思います。
2-1. 他者のことが理解できるようになる
「他者」と記載しましたが、正確に言うと「自分以外」という表現の方が良いかもしれません。なぜならば、前項目で7つの文脈の種類をご説明しましたが、1つ目は自分自身でしたが、その他の6つについては、自分自身以外のステークホルダーがいる中での文脈だったからです。
僕はこの文脈思考を学んでみて、魔法の質問があると思っています。それは、
「目の前で発生した事象は、何の文脈がそうさせたのか?」
という質問です。
この質問に対して、自分自身の文脈、相手との文脈、チーム・組織の文脈などをどんどんその文脈の範囲を広げていき考えるだけでも、だいぶ視野が広がりますし、視座が高くなる印象があります。
たとえば、今目の前で発生している事象が、あなたにとってネガティブであれば、その瞬間自分自身のシャッターを閉めることってありませんか?自分自身にとって不都合な事象が発生した、自分自身の感情がネガティブに動く事象が発生した、など、そういった事象が発生した場合に、どうしても他責になったり、自分自身を擁護してしまったりしませんか。
僕の場合は「採用ブランディング」というサービスに対して誇りを持ってサービス提供をしています。そのため、採用ブランディングについて少し軽い発言をしている人がいた場合に、その他の話題と比較すると、僕は過剰に反応する傾向があると思っています。そのため、少しむっとしたり、イライラしたりなんてことも発生します。ただ、その時に魔法の質問を自分に唱えます。
「今のネガティブな感情の変化は、何の文脈がそうさせているのか?」
この答えは、採用ブランディングというサービスと僕の文脈において、僕が新卒3年目ごろからこの採用ブランディングについて強く意識しながら人材業を行っており、日々仕事をして自己研鑽をしてきたという文脈が、他のサービスと比較しても僕は強いこだわりを持っているからです。そんな文脈が自分自身の感情を動かしているのです。という感じです。
2-2. チームや組織を文脈的に観察できる
今、自分が所属しているチームや組織、そして自分が所属していないチームや組織を主体的に転送して、客観的に捉えたときに、皆さんはどのような感覚になりますでしょうか?もちろんポジティブに感じていたり、ネガティブに感じていたり、なんてことはあるかと思うのですが、
自分自身がなぜそのチームや組織に対してポジティブに感じるのか?そしてネガティブに感じているのか?については、何か特定の事象が発生してそう感じているという考えではなく、
「このチームや組織、そして自分自身で、もしくはそのチームメンバーとの文脈が、そのポジティブ・ネガティブな感情を発生させているのかもしれない」
などと考えると、組織やチームの見え方が変わってきます。
たとえば、今の自分自身が所属している組織が、自分が想定している以上に「元気がない」組織と見えてしまっていたとしましょう。そして自分自身は「元気がある組織」を無意識的に正しい組織だと認識しており、元気がない組織はあまりよろしくないというふうに無意識的に決め込んでいたとしましょう。
その際に、普通の場合は「元気がない組織はよろしくない」と無意識的に思い込んでいるわけですから、自分の組織=微妙という判断をしてしまっているのかと思います。一方で、文脈思考で客観的にその事象を観察してみると、何が炙り出るのでしょうか?
おそらく元気がない組織がよろしくないというのは、自分自身の文脈が深く紐付いているといえます。たとえば、前に所属していた組織やチーム、さらにその前に所属していた組織やチームにおいて「元気がない組織は悪だ!」と監督やキャプテンから言われている経験(文脈)があった場合は、文脈がそうさせているというパターンでしょうね、となるかもしれません。
2-3. 様々な事象に対して、認識・理解度が高まる
皆さんは今の日本の政治についてどう思いますか?これは僕の客観的な観察なのですが、ポジティブに感じている方が少ないような気がしています。
日本の政治ってすごく難しいですよね。たとえば、消費税が問題になっているかと思うのですが、消費税を減税した場合、僕ら国民はポジティブだと思います。ただ、財源が少なくなるため、その際においてはネガティブかもしれません。もちろん僕が消費税問題の全てを把握しているわけでは一切ないので、何が正解なのか?もし仮に減税をしたとしても、副次的に発生する問題がおそらく発生するわけですから、何を「要素設定」するかによって減税をするのか?増税をするのかというジャッジが変わるかと思います。
話を戻して、今の日本の政治において「文脈がそうさせている」という観点で、客観的に政治を捉えた場合、どのような発見がありそうでしょうか?消費税を先ほど事例に出してしまいましたが、日本のあらゆる政治的な場面において、僕らが想像もし得ない文脈が存在しているのだと思います。どうしても「そうせざるを得ない」事情があるかもしれませんし…という観点を持って、政治を眺めてみると、様々な視点を持つことができます。
また、組織やチームにおいても同様です。自分自身が納得がいかない、自分自身の想像の範囲外の戦略となるかもしれません。その場合に「戦略が良い・悪い」というジャッジをすぐにするのではなく、
「この戦略に対して、気持ちがポジティブにもネガティブにも揺れているのは、自分自身の文脈の何がそうさせているのか?」
「この戦略を、この組織やチームが投じるのは、この組織やチームのどのような文脈がそうさせているのか?」
などと考えるだけでも、圧倒的に視野が広がります。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
よろしければフォローもよろしくお願い致します(左上クリックいただき、「フォロー」ボタンがあります)👆
