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なんでうちの子、くるくる回るんだろう?

回る・ゆれる・跳ぶ。その動きにも理由があるかもしれません

子どもが、くるくる回ることがあります。

その場で何度も回る。
止まったと思ったら、また回る。
楽しそうに笑いながら回ることもある。

見ていると、ふと思うことがあります。

なんで、こんなに回るんだろう。
楽しいだけなのかな。
目は回らないのかな。
この動きには、何か理由があるのかな。

理由は一つではありません。
でも、見方の一つとして、
体がその感じを受け取りたくて、回っていることがあります。

回ると、体に「動いている感じ」が入る


くるくる回ると、体にはいろいろな感じが入ります。

ゆれる感じ。傾く感じ。ぐるっと動く感じ。
スピードが変わる感じ。景色が流れる感じ。

その感じが入ることで、
体がはっきりする子がいます。

今、自分の体がどう動いているのか。
どこにあるのか。
どのくらい傾いているのか。

そういうことを、
回ることで確かめていることがあります。

大人には「ただ回っている」ように見えても、
本人の中では、体の感じを受け取っている時間なのかもしれません。

「楽しい」だけでは説明しきれないことがある


もちろん、楽しくて回っていることもあります。

回るのが面白い。
景色がぐるっと動くのが楽しい。
体がふわっとする感じが好き。
それだけの日もあります。

でも、何度も何度も回るとき、
「楽しいから」だけでは言い切れないことがあります。

じっとしていると、体の感じがぼんやりする。
気持ちが高まって、体を動かしたくなる。
次の行動に移る前に、大きく体を動かしたくなる。
疲れや緊張がほどけて、動きとして出てくる。

そんなときに、
回ることで、体や気持ちの状態を確かめていることがあります。

くるくる回る姿は、
体が自分に必要な感じを受け取りにいっている姿かもしれません。

回るだけではなく、ゆれる・跳ぶにもつながる

子どもが受け取りたいのは、
「回ること」そのものだけではないことがあります。

体が大きく動く感じ。上下に動く感じ。
前後にゆれる感じ。傾く感じ。力を入れる感じ。
そうした感じを、体が求めていることがあります。

だから、同じ子でも、
回るだけでなく、ほかの動きが増えることがあります。

ぴょんぴょん跳ぶ。前後にゆれる。横にゆれる。
ぶら下がる。布団の上でごろごろ転がる。
走って、急に止まる。椅子をゆらす。逆さまになるのを好む。

形は違っても、
体に「動いている感じ」を入れているという点では、
近い意味を持つことがあります。

くるくる回る姿は、
その子が体の感じを受け取る入口の一つなのかもしれません。

その感じに浸っている時間

大人は、少し回るだけで気持ち悪くなることがあります。

でも、子どもによっては、
回る感じやゆれる感じが心地よかったり、
体が分かりやすくなったりすることがあります。

回ると、体がはっきりする。
ゆれると、気持ちがまとまりやすい。
跳ぶと、体に力が入りやすい。
ごろごろ転がると、体の位置が分かりやすい。

そういう子もいます。

音や光の感じ方が人によって違うように、
回る・ゆれる・跳ぶ感じの受け取り方も、人によって違います。

少しの動きで十分な子もいれば、
大きく動くことで、体の感じを受け取りやすい子もいます。

本人が苦しそうでなく、
周りとの安全も保てているなら、
その感じに浸っている時間として見てもいいのかもしれません。

安心しやすい形で、体の感じを受け取る

ただ、いつでも同じ形で動けるとは限りません。

場所が狭い。人が近い。
階段や硬い家具が近くにある。
移動中で止まりにくい。
寝る前で、体がさらに高まりやすい。

そういう場面では、
大きく回ることが難しいことがあります。

ここで大事なのは、
回ることを悪いものにしないことです。

その子にとって必要な感じを、
本人と周りが安心しやすい形で受け取れるようにする。

そう考えると、
「やめて」だけではない選択肢が見えてきます。

今は大きく回る形ではなく、
別の形で体を使う。

そんな入口を、余裕のあるときに探しておけると、
動きにくい場面で助けになることがあります。

別の入口を探しておく

大きく回ることが難しいときのために、

別の体の使い方を探しておくこともできます。

たとえば、
ゆっくりゆれる。布団やマットの上でごろごろ転がる。

その場で数回跳ぶ。足の裏で床を強く押す。
壁を両手で押す。タオルをぎゅっと引っぱる。
クッションを強く抱える。椅子に座ったまま、足で床を押す。

これは、回ることを我慢させるためのものではありません。

体が受け取りたい感じを、
別の入口から受け取るための手がかりです。

大切なのは、
急いでいる場面で、急に探さないことです。

時間に余裕があるときに、

「これをすると体が少し落ち着く」
「これは気持ちよく体を使える」
「これはあまり合わない」

を少しずつ見つけておく。

そうすると、
大きく回りにくい場面でも、
別の選択肢を伝えやすくなります。

合う動きは、その子によって違う

どの動きが合うかは、子どもによって違います。

跳ぶと体がまとまりやすい子もいます。
ゆっくりゆれる方が合う子もいます。
ぶら下がると、体が分かりやすくなる子もいます。
ごろごろ転がる方が心地よい子もいます。

押す・引くような、力を使う動きが合う子もいます。
反対に、跳ぶとさらに高まる子もいます。
ゆれると気持ち悪くなる子もいます。
回るのは好きでも、ぶら下がるのは苦手な子もいます。

だから、正解を一つに決めなくて大丈夫です。

その子の体が、
どんな感じを心地よく受け取っているのか。

どんな動きのあとに、少し体がまとまりやすいのか。
どんな動きは、今は合いにくいのか。
そこを、少しずつ見つけていく感じです。

おわりに

子どもがくるくる回る理由は、一つではありません。

でも、見方の一つとして、
体がその感じを受け取りたくて、回っていることがあります。

回ることは、悪い動きと決めつけなくていいです。

その子にとっては、
体に必要な感じを受け取る、自然な方法の一つかもしれません。

ただ、場所や時間によっては、
大きく回ることが難しい場面もあります。

そんなときのために、
回る以外の体の使い方を、余裕のあるときに探しておくいいと思います。

それは、子どもを止めるためではなく、
必要な感じを、安心しやすい形で受け取るための手がかりとなります。

「なんで回るんだろう」と思ったとき、
その動きの奥に、体が受け取りたい感じがあるのかもしれない。

そう見てみるだけで、
子どもの姿が少し違って見えてくるんじゃないでしょうか。

少し先の安心につなげるなら

くるくる回る姿と同じように、
手をひらひらさせる動きにも、本人にとっての見え方や感じ方が関係していることがあります。

「なんで手をひらひらさせるんだろう?」と思ったときは、こちらの記事も近い見方で読めます。


補足1|当事者の感覚から見えること
この記事を紹介してくださった方が、子どもの頃にくるくる回っていた感覚を、「天井が回るのが面白かった」「回ったあとのふわふわした感じが不思議だった」と書いていました。

大人には同じ動きに見えても、本人の中では、景色の変化や体の感じを受け取っている時間だったのかもしれません。
理由は一人ひとり違います。
でも、当事者の言葉に触れると、体の感じ方という見方が少し近くなります。紹介してくださった記事はこちらです。
当事者の感覚として、とても参考になる記事でした。


補足2|この記事の背景にある見方
この記事は、作業療法や感覚統合の考え方を参考にしています。
この考えでは、くるくる回る、ゆれる、跳ぶ動きには、体の揺れや回転、位置や力の入り方を感じる感覚が関係している言われています。
家庭で診断するためのものではありません。
ふらつき、吐き気、転倒、生活への強い影響がある場合は、医師や作業療法士などに相談してください。