同じ提案、3日後の差
違和感に気づいたとき、多くの人はすぐに白黒つけようとする。
でも、気づいた違和感をどう扱うかで、その後の展開は大きく変わる。
人によって保留できる人できない人がいるがそれは何が違うのだろうか?
同じ日に、同じ転職の誘いを受けた二人がいた。
どちらも即答はせず、「少し考えさせてください」と保留した。
3日後、一人は「やっぱりやめておけばよかった」と後悔し、もう一人は「決めてよかった」と納得していた。
同じように保留したはずなのに、結果はまったく違った。
多くの人は、この差を性格や経験のせいだと思っている。
「あの人は決断力があるから」「自分は優柔不断だから」——そう片付けてしまいがちだ。
でも本当にそうだろうか。
二人の3日間を振り返ると、性格の差ではなく、たった1つの行動の差があった。
納得できた方は、保留を決めた瞬間に、確認したいことを3つだけ書き出していた。
給料や条件のことだけではない。
「一緒に働く人の雰囲気」「今の職場を辞めたいと思う本当の理由」「1年後にどうなっていたいか」。
3日間で、その3つを確かめることだけに集中した。
一方、後悔した方は「少し考えます」と言ったきり、何を確認すべきかを言葉にしないまま3日を過ごした。
なんとなく不安なまま、なんとなく期限が来て、なんとなく結論を出した。
保留していた時間の長さは同じでも、中身はまったく違っていたのだ。
もちろん、確認すべきことがすぐには見つからない場合もある。
それは、本人の努力が足りないからとは限らない。
単に、まだ言葉にできるだけの材料が揃っていないだけのこともある。
3日経っても、まだどちらとも言えない、というケースがあってもいい。
そのときは無理に結論を出さず、確認したいことがまだ見つかっていないという事実だけを認めればいい。
それでも、と思う人もいるかもしれない。
「保留したところで、結局は結果論では」という声もあるだろう。
たしかに、確認したからといって必ず良い結果になるとは限らない。
3つをきちんと確認したのに、結果的にはうまくいかなかった、という人もいるだろう。
それでも、確認すべきことを言葉にしないまま流した3日間と、具体的に3つを確かめた3日間とでは、たとえ同じ結論に至ったとしても、納得感がまったく違う。
後悔は、結果そのものよりも「ちゃんと確かめなかった」という感覚から生まれることの方が多いからだ。
保留とは、ただ時間を置くことではない。
何を確認すれば決められるのかを、具体的にすることだ。
次に何かを保留したくなったら、時間を置く前に1分だけ使って確認してみてほしい。
今回の件で、確認すればはっきりしそうなことを3つ、具体的に書き出せるか →YES/NO
その3つのうち、少なくとも1つは今日中に確認できそうか →YES/NO
「なんとなく不安」で終わらせず、不安の中身を1つでも言葉にできたか →YES/NO
YESが2つ以上あれば、その保留はすでに動き出している。
まだ1つも書き出せていなくても構わない。
大事なのは、保留している間に何もしないことと、確認すべきことを探しながら過ごすことの違いに、気づいているかどうかだ。
違和感シリーズを読んでくれた人には、今回のこの視点はきっと馴染み深いはずだ。
次回は、保留がなぜ「逃げ」ではないのかを、もう少し掘り下げていく。
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