#8 ピュアすぎるパパとの日帰り旅行は、疲れすぎたという話
イイ人なのに、なぜか一緒にいると疲れる――。
そんな「愛すべきズレキャラ」と過ごした、忘れられない日帰り旅行の話。
◆ ワゴンRの衝撃
2021年2月6日。
この日のパパは尾崎さん、50代後半。
待ち合わせに現れたのは――ワゴンR。
これまでのパパがベンツやBMWで登場するのを見慣れていた私は、
「え?軽ワゴン?逆に新鮮だな」と目を瞬いた。
しかも、開口一番のセリフがこれ。
「今日は来てくれてありがとうございます。こんな感じですが、僕で大丈夫でしょうか?」
え?何その確認。
私、いまから何かされるの?
連れ去られちゃう?と一瞬ドキッとした。
◆ まさかの朝マック
車に乗り込むなり、尾崎さんが嬉しそうに言った。
「まずは僕、行ってみたいところがあるんです。マクドナルドに行ってもいいですか?」
は?マック??しかも朝の8時に?
スタバならまだしも、マック!?
しかもこの体型…あ、なるほど、信者ね。
「はい、行きましょう」
と笑顔で答えつつ、心の中では盛大にツッコんだ。
到着して向かったのは――ドライブスルー。
いや、店内じゃなくて!?
そして注文はこう。
「ソーセージマフィンセット2つで!」
え、私に選択権なし?
よりによってソーセージマフィンって…
それ一番苦手なんですけど!
フィレオフィッシュ食べたかったんですけど!
まだ出会って10分。キレるには早い。
…自分に言い聞かせた。
◆ 純愛を探す理由が切なすぎる
マフィンを頬張りながら聞いた尾崎さんの人生。
・初めての彼女=今の奥さん
・旅行経験ゼロ(学生以来)
・女遊びもギャンブルもなし
唯一の夢は「退職後、奥さんと旅行」だった。
が、定年前に奥さんからまさかの一言。
「あなたのお世話はもう終わり。別々の道を歩みましょう」
えええ…。
それで心折れて、「純愛を探そう」と決意。
選んだのがパパ活。
…いや、そこは婚活アプリでしょ。
◆ 海鮮丼とズレた気遣い
3時間かけて海沿いの町へ。
ようやく到着したレストランで私は海鮮丼を、彼は刺身定食を注文。さらに鮑までつけてくれた。
「お〜やっと気が利いた!」
と思ったのも束の間。
彼の食べる速さが尋常じゃない。
私は昔から超スローペースで、小学生の時なんて掃除が始まってもまだ給食食べてたくらい。
やっと食べ終えて「ふぅ〜」とお茶を飲もうとした瞬間――
「じゃあ、行きましょう!」
はぁぁ!?
だから奥さんに見限られるんだよ!!!
(心の声MAX)
◆ 市場でも押し負ける
次に向かった市場。強面のお兄さんに「いい魚あるよ!」と声をかけられ、ビビりながらも爆買い。
続くお土産屋でも、おばちゃんの押しに負けて大量のお菓子を購入。
全部「奥さんにバレたら困る」と私にくれる。
いやもう、この人の人生、押しに弱すぎて可哀想すぎる。
◆ 無自覚に人を疲れさせる生物
帰りの車内。とどめの告白が待っていた。
「実は、僕…これまで会った子たちに、何度もお金をせがまれて…」
家族の病気だのスマホ代だの、騙されてお金を渡しては連絡を絶たれた過去。
「でも最後にもう一度だけ」と思って私に声をかけたらしい。
…もういい。聞いてるだけで息切れする。
尾崎さんは「イイ人」なのに、全方位でズレてる。
だから、無自覚に人を疲れさせる。
奥さんの三行半も納得だ。
◆ 最後に
夜、メールが届いた。
「今日はありがとうございました。次は桜を見に行きませんか?」
…尾崎さん。
せめて来世では、純愛とフィレオフィッシュを味わってください。
そう切に願った夜だった。
よほど性格の悪い人のほうが、一緒にいて楽。
そう悟った、忘れがたい日帰り旅行。
📝共感フレーズ
「イイ人なんだけど、なぜか疲れる人」って、あなたの周りにもいませんか?
◆ 次回予告
食事だけの関係は、ここで終わりです。
#9から始まるのは、愛とエロス、そして女性性の解放がテーマの物語です。
なぜ私は、そんな危うい世界へと足を踏み出せたのか?
その答えはこちらから:
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禁断のサバイバルを味わいたい人は
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「40代女性のリアル」、これからも綴っていきます。
