#15 戦うことしかできなかった私の、原点事件簿
これまでのお話は、大人の世界で出会った男たちとの“笑えるようなズレ”や“ほろ苦い感情”を描いてきました。
けれど今回は少しだけ、私自身の過去に戻ります。
なぜ私は「戦うことでしか生きられなかった」のか。
その原点をたどらずして、この先の物語は語れないからです。
少しだけ、私の過去に触れておこうと思う。
明るくて気の強い母と、真面目で寡黙な父。
その一人娘として生まれた私は――図々しいけれど、おとなしくて、まあまあ可愛げのある子どもだった。
……そんな私を待ち受けていたのは、なぜか“事件簿”みたいな幼少期だった。
◆ 誘拐(?)からの全力疾走
3歳のある日、近所の菓子屋のおじさんに「ちょっとおいで」と言われ、そのまま自宅に連れていかれた。
おじさんは悪気なく、夕方になっても帰してくれない。
幼い私は「もう帰れない、誘拐だ!」と本気で信じ、隙を見て全力で自宅に逃げ帰った。
母の胸で泣きじゃくったあの日から、「大人の好意ほど怖いものはない」と体に刻まれてしまった。
◆ 「二人だけの秘密」って、気持ち悪い
10歳。私を溺愛していた親戚のおじさんが、誰もいない場所でキスをしてきた。
「これは二人だけの秘密だよ」
――怖っ!
大好きなおじさんが一瞬で「キモいおじさん」に変わった瞬間だった。
◆ 山奥ドライブは恋愛映画じゃない
高校生の頃。知り合いの男性と雨の日にドライブ。
ロマンチックかと思いきや、行き先は山奥。
車を止めた彼は豹変し、私に襲いかかってきた。
かろうじて逃げ帰ったものの、心臓はバクバク。
帰宅後もしばらく体の震えが止まらなかった。
◆ 電車と図書館は“戦場”だった
図書館でも、電車でも、痴漢は日常茶飯事。
「ここなら安全」という場所なんて存在しない。
でも「親には心配かけられない」と黙って飲み込み続けた。
その沈黙が、自分の心を少しずつ削っていった。
◆ 武器を集める女の子(必死すぎて笑える編)
怖い思いを繰り返すうちに刷り込まれたのは、
「目立つと危険」
「可愛いのは苦しい」
「男は私を傷つける生き物」
という思い込み。
だから私は、守るために“武器”を集めはじめた。
・勉強が苦手なのに、明け方まで机に張りついて、気づけば教科書がよだれでカピカピ。
・人見知りなのに、無理やり留学して、最初から最後までホームシックで毎晩泣きじゃくる始末。
・税理士資格を取るために鬱になりながら10年頑張り続けるものの、要領が悪すぎて、結局は1科目しか受からない…という結末。
・世間知らずなのに起業して、右も左も分からずに博打的なビジネスの仕方をして借金を負って破産しかける。
――我ながら、どれも笑えないけど笑うしかない。
必死すぎて、だんだんコントみたいになっていった。
あきらめの悪いわたしは、そのコントを継続していった結果、
・地元で1番の大学に入学することになり
・生活するには困らない程度に英語が話せるようになり
・外資系企業でアカウンティングマネージャーとして働くことになり
・自営であるアパレル事業で、年間売上が数千万〜時には億を達成するようになった。
でもその全部が、
「なめられちゃいけない」
「もう傷つきたくない」
という一心で掴んだ武器たちだった。
気がつけば鎧のように武装して、世の中にガンを飛ばしながら生きるようになっていった。
だけど、どれだけ武器を増やしても、心の奥の虚しさは消えない…
「私は、この先もずっと戦い続けるしかないの?」
その問いの答えを探すように――数年後、私は思いがけない世界に足を踏み入れる。
戦うことでしか生きられなかった私が、なぜ“あの選択”をしたのか。
📝 共感フレーズ
誰にも言えない過去が、今の私をつくっている。
そう思ったこと、ありませんか。
◆ 次回予告
#16 では――
戦うことでしか生きられなかった私が、どうして「パパ活」という世界に足を踏み入れたのか。
その理由をお話しします。
📚 『はじめてのパパ』シリーズの続きはここから:
【第1部:食事・観察編】—エンタメ・刺激系、キャラ濃い系パパ活のストーリー(1〜8話)
【第2部:一線を越える編】—心理・しっとり系、面倒くさい女の心のストーリー(9〜17話)
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