IBMについて(紹介)
IBMという会社を改めてご紹介いたします。
統計機器メーカーから世界のAI基盤へ。110年の変革と、日本での「共に創る」挑戦しております。

はじめに
IBMという名前を聞いて「どこかで聞いたことがある巨大IT企業」という印象を持つ人は多いかと思います。そのIBMがどのような歴史を歩み、いま何に取り組んでいるかを知っている人は、意外と少ないかもしれないと思い、以下に私なりにまとめさせていただきました。ぜひ、皆様にIBMを知っていただき今後様々な取り組みでご一緒できれば幸いでございます。ぜひ、お時間のある際にご覧いただければと思います。
1. 統計機器から「AIの時代」まで
IBMの出発点は1911年のアメリカです。企業の経理や統計を処理する機械を作る会社として生まれ、日本には1937年、横浜の山下町に「日本ワットソン統計会計機械株式会社」として上陸いたしました。最初は小さな事務所でしたが、そこには「THINK(考えよ)」という社是が掲げられており、この言葉、スローガンは今も、IBMの社員のDNAとして生き続けております。なお、イベント名もThink となっております。日本でも開催予定です。

その後IBMは時代とともに変身を繰り返してまいりました。1981年に世界初のパーソナルコンピューター「IBM PC」を発売し、コンピューター文化を一般に広めました。また1990年代、業績の悪化したIBMは、ルイス・ガースナー氏の大胆な改革、戦略の大転換によって、数年にして復活をはたしました。(巨像も踊る)
1992年にIBMが開発した「ThinkPad」は高い信頼性と操作性を誇るビジネス向けノートパソコンの草分け的ブランドです(現在Lenovo)。
またハードウェアという点では、Z(Mainframe)からPower(AS/400 IBM i/AIX)、x IA Server、Storageと優れたハードウェアを販売し、1997年にはスーパーコンピューター「Deep Blue」が当時の世界チェスチャンピオンを破り、「機械が人間の知性に挑む」という衝撃を世界に与え、e-Business/e-Business On Demand/Smarter Planetと様々な変革に取り組んできました。
2011年にはAIシステム「Watson」がアメリカの人気クイズ番組「Jeopardy!」で人間のチャンピオンたちに勝利し、「AIが使えるビジネスツールになる時代」の幕を開けました。

2020年代となり、IBMはいま、世界175か国以上に拠点を持ち、30万人以上が働く巨大な企業でありながら、その事業の軸を「ハードウェアを作る会社」で培った基盤テクノロジーに加えて「AIとクラウドで企業の変革を支える会社」となり、さらにはIBMコンサルティングサービスも含めて、2025年の世界全体の売上の中で、AI領域のビジネスが成長エンジンになっております。日本IBMにおいても日本の産業の変革を支える基盤にパートナー企業様と共に貢献させていただいていると考えております。
2. 「AIで何かできますか?」から「AIで結果を出す」へ
「1年前、お客様から来る質問は『AIで何ができますか?』でした。でも今は違います。『AIでどんな成果が出ますか?』に変わった」と言われておりAIへの期待は急速に高まっております。
IBMの調査では「AIがビジネスモデルそのものになる」と期待する経営者は57%に達しており、一方で、その収益源を明確に描けている経営幹部はわずか24%と、期待と現実の間に大きなギャップがでております。IBMはこのギャップを埋めることを、2026年の最重要テーマに据えておりお客様との取り組みに全力を尽くしたいと考えております。
例えばでございますが、その中心にあるのが、「仕様駆動開発」 という考え方です。多くの企業様で広がっております「AIに何となくコードを書かせる」開発ではなく、「仕様書を先に固め、その仕様を正としてAIがコードを生成・テストする」という、品質と再現性を担保したアプローチを提唱をしております。
これをコンセプトを体現するツールとして2026年3月24日に正式リリースされる、IBM Bob です。AI搭載の開発支援ツールで、お客様にとってはコードを書く・テストする・新しい言語に書き直すといった作業をAIが一緒にこなす「開発の相棒」となります。IBMの社内の開発者が使い、平均 45%の生産性向上 を実証しております。

さらにIBMは、AIやクラウドを支える「足元の技術」でも世界の最前線を走っており世界最先端の2ナノメートルプロセスの半導体チップの開発、そして「量子コンピューター」の研究です。量子コンピューターはまだ一般普及の段階ではございませんが、IBMは世界で最も多くの量子コンピューターを実際に稼働させております。金融・創薬・材料科学など「従来のコンピューターでは解けない問題」への応用を着実に積み重ねております。

3. 「役に立つ」の先にあるもの 社会への貢献と、地域との共創
IBMのテクノロジーは、企業の業績を上げるためだけにあるわけではなく、それが鮮やかに見えるのが、「AIスーツケース」 のプロジェクトでもあります。オムロン、清水建設、アルプスアルパイン、三菱プレシジョンなどと共同で開発を進めております。
「スーツケースが自動で動いて、道案内してくれたらいいのに」。この一言から2017年に開発がスタートし、2019年には日本IBM・カーネギーメロン大学・日本科学未来館などが「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」を設立して本格開発しました。LiDARセンサーで周囲の障害物を検知し、AIが安全なルートをリアルタイムで計算して視覚障害者を目的地へ案内する自律型ロボットスーツケースは、現在、日本科学未来館で毎日体験できるほか、2025年の大阪・関西万博でも大規模な実証実験が行われました。「技術を誰かの自由のために使う」という、IBMが大切にしてきた価値観が形になった事例だと感じております。
地域との共創においても、2025年、日本IBMと京都市が手を組んで始まった 「IBM BlueHub プログラム in Kyoto」では、オーバーツーリズム・伝統産業の担い手不足・森林資源の放置という京都固有の課題に、5社のスタートアップが挑み、IBMのコンサルタントとエンジニアが半年間伴走し、投資家・行政・大学・スタートアップが「ワンチーム」となってソリューションを磨きました。「子連れで京都の文化体験を諦めなくていい」仕組みを作ったSimpleeは 京都市長賞 を受賞し、AIアバターで京友禅の魅力を世界に届けるCONGEN、400年後の清水寺を守るための木を今から育てるアナクロ(RINNNE)など、テクノロジーと地域文化が本気で交わった成果が生まれております。
4. AIを中心に、全部つながっている watsonx からセキュリティまで、フルスタックのIBM
「IBMって何の会社?」と聞かれたとき、一言では答えにくいのですが、それは、IBMが企業活動のほぼすべての領域をカバーするソリューションを持っているからだと思っております。

その中心にあるのが watsonx シリーズでAIの開発基盤を企業様ごとにご提供できるもにになります。watsonx.ai はAIモデルを開発・管理するプラットフォームで、AIをゼロから作らなくても、既存の基盤モデルをカスタマイズして自社のビジネスに使えるようにするもので、watsonx.data は散らばったデータを一元管理し、AIが使える形に整えることができます。さらにはwatsonx.governance によってAIが正しく、安全に動いているかを監視する「AIの管理者」を提供しております。
そして watsonx Orchestrateは、営業・経理・人事といった日常業務をAIエージェントが自動処理します。「会議の議事録をまとめて、次のアクションを自動でカレンダーに入れる」「問い合わせを受けて、担当部署に自動で振り分ける」といったことが、人の手を借りずに動く世界を実現してきます。実際に活用が始まっております。
他には業務分析には Cognos(経営ダッシュボード自動生成、レポート作成時間80%削減)、財務計画には IBM Planning Analytics(予算編成サイクル40%短縮)、設備管理には Maximo(AIによる予知保全)、ESG・エネルギー管理には Envizi、セキュリティには Guardium・QRadar・Verify という専門ツール群がある。さらにシステム連携の webMethods、インフラ管理の HashiCorp、データストリーミングのConfluent 、ネットワーク監視のSevOne やApptioはITの見える化を実現するソリューション、これら以外にも様々なソリューションをご提案しております。数多くのパートナー企業様とのエコシステム、協業や共創を通じてどんな業種・規模の企業にも対応できる「フルスタック」の体制の整備を常に検討し続けております。
5. 「一緒に作る」を本気で仕組み化している契約形態と、お客様の成功への姿勢
IBMが単なるテクノロジーベンダーと違うのは、「自分たちの技術を売る」だけでなく「お客様の事業の一部にしてもらう」という発想を、ビジネスの仕組みとして持っているところだと考えております。
そのうちの一つが ESA(Embedded Solution Agreement) という契約形態です。IBMのAIやソフトウェアをお客様やパートナー企業の製品やサービスに「部品として組み込んで」、独自のブランドで販売できる契約の仕組みとなります。従来のライセンス契約と何が違うのかというと、「何人のユーザーが使うか」で自社利用として課金されているものが一般的な利用形態ですが、お客様やパートナーが自社サービスとして展開するため、ESAは「どんなソリューションに使うか」という単位で契約をします。自社ブランドで自由に販売できたり、IBMの技術を「再販」ではなく「自社サービス/自分たちの武器」に外販ができる仕組みだと捉えていただければと思います。

ESAのような特別な契約形態によって組み込めるソリューションは前述のwatsonxシリーズをはじめ、セキュリティ、業務自動化、データ管理、インフラ管理まで実に多岐にわたります。「自社の強みはある。でもAIや最新技術の開発までは手が回らない」というお客様にとって共創を最も手軽に、かつビジネスとして成立させる入口になると考えております。
つまりお客様自社利用のIT資産、システムを構築運用するビジネスに加えて、お客様と共に新しいサービスを展開、新しい事業を展開し、ビジネスを拡販する共創型のITサービスのご提案が主流になってきております。IT資産の自社利用をされるお客様とITベンダーの関係性から、ITサービスを新規開発し一緒に販売する/外販する共創パートナー様へと変化しております。クラウドのビジネスがはじまったころ、全ての企業がITサービス、新規事業をITで展開する時代がくると言っていましたが具現化されてきております。
こうした共創の根底にあるのが、「お客様の成功に全力を尽くす」 というIBMの経営姿勢だと考えております。IBMは製品を納めて終わりではなく、導入後にお客様が実際に成果を出せているかを常に問い続ける姿勢を持って活動しております。
「測定可能な成果」にこだわる2026年のAI戦略も、この姿勢の延長線上にあるかと思っております。
「AIで何ができるか」ではなく「AIで何を成し遂げるか」。その答えをお客様と一緒に考え、形にするための技術・人材・仕組みをご提案差し上げます。多くの企業様と競争の取り組みをさせていただく機会を頂戴できれば幸いでございます。
お問い合わせ先
日本アイ・ビー・エム株式会社 : 共創ソリューション開発 部長 鈴木伸司

