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ニューバランスの歴史と由来。名作スニーカーの完璧な履き心地は「ニワトリの足」からの着想だった#PR


1. Kedsから続く歴史の今回は、「生体力学」の頂点へ

我々はこれまで、スニーカーの語源となったUSラバー社の「Keds」から始まり、雪山を生き抜く「コンバース」、空のプールを滑る「VANS」など、キャンバスとゴム底が織りなす「環境適応とサバイバル」の歴史を追ってきた。 そして記念すべき連載100回目。節目を飾る主役には、我々40代の成熟した大人に最もふさわしいブランドを選んだ。

「ニューバランス(New Balance)」。 スティーブ・ジョブズが愛用したことでも知られるこのブランドは、スニーカー史において極めて特異な立ち位置にいる。なぜなら彼らのルーツは、スポーツでもストリートでもなく、「偏平足を治すための整形外科的アプローチ(矯正用インソール)」にあったからだ。 そして、その究極の履き心地の原点は、一羽の「庭を歩くニワトリ」からの着想だったという伝説的な逸話が残されている。

2. 1906年ボストン。庭の「ニワトリ」が歴史を変えた

時計の針を1906年のアメリカ・ボストンに戻そう。 イギリスからの移民であった33歳のウィリアム・J・ライリーは、足の裏のアーチ(土踏まず)が潰れてしまう「偏平足」などに悩む人々のために、矯正用の中敷き(アーチサポートインソール)の製造メーカーを立ち上げた。これがニューバランスの原点である。

ある日、ライリーは自宅の裏庭で飼っていたニワトリの歩き方を眺めていた。 ふと、彼はある事実に気づく。ニワトリは、細く華奢な足をしているにもかかわらず、全くブレることなく絶妙なバランスで二本足歩行をしている。 「あの安定感の秘密は、3本の爪(指)にあるのではないか?」

彼はこの構造からインスピレーションを得て、人間の足裏を「踵(かかと)」と「親指の付け根」「小指の付け根」の3点でアーチ状に持ち上げて支持するインソールを発明した。新しい(New)バランス(Balance)をもたらす。ブランド名はこのコンセプトから名付けられた。 当時のライリーは、「オフィスの机の上に本物のニワトリの足を置き、顧客にその構造を熱弁した」と語り継がれている。厳密な科学的発見というよりは直感的な着想であったが、この「3点支持」の考え方こそが、後のバイオメカニクス(生体力学)的アプローチの礎となったのだ。

3. 「Trackster」の誕生と、1972年の歴史的転換点

矯正用インソールメーカーとして地道な歩みを続けていた同社に、大きな転機が訪れる。 1960年、世界初の波型ソール(リップルソール)を持ち、かつ足の長さに加えて「足囲(ウィズ)」のサイズ選択ができる画期的なランニングシューズ「Trackster(トラクスター)」を発売。これがスポーツ界で高い評価を得る。

https://shop.newbalance.jp/lp-history.html

そして1972年、現在の会長であるジム・デービスが会社を買収。これを機に、ニューバランスは単なる矯正具メーカーから、本格的なグローバル・シューズブランドへと一気に進化を遂げることになる。

4. “1000点満点で990点”。「Made in USA」の矜持

ブランドの評価を決定づけたのは、妥協を許さないクラフトマンシップだ。 1982年、当時としては破格の100ドルで初代「990」を発売。「1000点満点中、990点に到達した」という強気なネーミングの通り、その性能は世界を驚かせた。(※後にスティーブ・ジョブズが愛用したのは、この系譜である「992」や「991」である)

続く1985年には、EVA素材をポリウレタンで包み込んだ「ENCAP(エンキャップ)」構造を採用した名作「M1300」を発売。その圧倒的なクッション性と安定性から、メディアでは「スニーカー界のロールスロイス」という俗称まで生まれた。 コスト削減のために生産拠点をアジアに移すメーカーが多い中、ニューバランスはフラッグシップモデルにおいて「Made in USA(およびUK)」に頑なにこだわり続けている。

5. 大人の足元に、究極の「生体力学」を装備しろ

これまでの連載で語ってきた通り、名作と呼ばれる靴には必ず「圧倒的な必然性」がある。

ニューバランスは、流行やデザインから入ったブランドではない。偏平足に悩む人々を救うためのインソールから始まり、ニワトリの足から着想を得て、アメリカの職人たちが縫い上げてきた「生体力学と品質の結晶」である。 40代の男が休日にニューバランスの「996」や「1300」の紐を結ぶとき。それは単に上品なスニーカーを履いているのではない。100年以上前にボストンの裏庭で直感された、地球の重力に対して最も美しく立つための「究極のバランス機能」を足裏に装備するということなのだ。


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