遠くから届いた、優しい贈りもの #159
とても大切なお友達から、素敵なプレゼントが届きました。
「小鳥さん、パンを焼くのもお菓子を作るのも好きでしょう? 手作りする時に使ってもらえたらいいなと思って」
遠方に住むお友達からの、そんな想いのこもった優しいプレゼント。
あぁ、嬉しいな。
とても嬉しい。

とっても可愛いグラニュー糖

砂糖は綺麗なピンク色。とても可愛い

お砂糖をプレゼントしてもらうのは、生まれて初めてです。
そして、こんなに可愛くて綺麗なお砂糖を、私は見たことがありません。
蓋を開けると、甘酸っぱいいちごの香り。
あぁ綺麗。
あぁ素敵。
もったいなくて使えないと、しばらくの間キッチンに飾り、たまに手に取って眺めていました。
お天気の良い、春のような陽気のある日。
使おう。
このお砂糖を使ってお菓子を焼こう。
明るく光が射すキッチンに立ち、いつも焼いているチョコスコーンを、フリーズドライのいちごに変えて焼いてみようと思いました。
みなさま。
私ね。
お菓子を作るにあたり、
とても緊張していたのです笑
このお砂糖を使ってお菓子を焼けるのは、おそらく数えるほどしかないでしょう。
もしも上手くいかなかったとしても、
「失敗しちゃった。また作ればいいか」
という訳にはいかないのです。
大切に使いたい。
その思いが高じて、
失敗するわけにはいかない。
という、謎のプレッシャーを抱えながら作り始めました。
いつもは、チョコを入れたチョコスコーンを焼くのですが、今回はチョコは入れないため、その分の甘さをお砂糖のみで出せるよう、いつもと分量を変えたレシピで作りました。
小麦粉とバターと牛乳とベーキングパウダー。
ほんの少しのお塩と、それからお砂糖。
お砂糖をたくさん使います。
あぁ、なくなっちゃう。
あぁ、減ってしまう。
大切に大切に、こぼれないように、そろりそろりと計って入れます。
丁寧に混ぜて、優しくこねていると、いつもは粉の香りしかしない生地から、いちごのお砂糖の甘い香りが、ふわふわとただよってきます。
あぁいい香り。
甘い香りに包まれて、作っているだけで癒される。
綺麗に丁寧に、心を込めて成形したら、最後にフリーズドライのいちごを取り出して、生地の上にトッピングしていきます。
大切に使いたいという気持ちが募るあまり、いちごを取り出す時に、手が震えてくるのがわかりました。
、、、いや、緊張しすぎでしょ笑
自分でも、なにをそんなに緊張しているのかと思うのです。
なのに、最初から最後まで、ドキドキが止まらない。
どうか美味しく焼けますように。
どうか失敗しませんように。
いちごをトッピングしてから、少し考えて、お砂糖を上からパラパラとまぶしました。
カットして並べて、いざオーブンへ。
焼き上がるまでの間も、そわそわと落ち着きません。
いつもより焼き目がつかないようだけど、大丈夫かしら?
いつもより厚めに成形してしまったけれど、大丈夫かしら?
あぁ、ちゃんと美味しく焼けるかしら?
20分焼きました。
焼き目は薄いものの、ふんわり膨らんで、なかなかかわいいフォルムになりました。


いちごが焼かれて、レーズンのような見た目になってしまいましたが、いつもの生地より、ぷっくりかわいく焼けました。
最後にまぶしたお砂糖がきらきらとしています。
焼いて香りはとんでしまったのか、いちごの香りはほとんどしません。
食べてみましょう。
焼きたては、ふわっ、ほろっ、という食感。
たくさんお砂糖を入れたけれど、甘さはかなり控えめに感じます。
その分、フリーズドライを食べた時に、いちごの甘酸っぱさがより際立って、わぁ、ちゃんといちごのスコーンだ!と、感動しました。
素朴な生地に、優しいいちごの甘酸っぱさがよく合います。
チョコスコーンとは、また違う美味しさ。
うん、美味しい。
ちゃんと美味しい。
あぁ、良かった。
本当に良かった。
網に乗せて冷ましていると、
「いつものスコーンと違うね、これ、なにが乗ってるの?」
と、子どもたちも興味津々でやってきました。
「いちごのお砂糖で作って、いちごのフリーズドライを乗せたよ」
と言うと「食べたい!食べたい!」と笑
じつはね。
子どもは、1人はいちごが大好きで、1人はいちごが苦手です。
食べられるかな?
3人で仲良くスコーンを食べました。
冷めたスコーンは、サクッ、ザクッとした食感に変わっていて、フリーズドライのいちごの味が、さらに際立ったように感じました。
冷めたスコーンも美味しくて、とても好きだな、と思っていたら、子どもたちは2人とも、
「美味しい!すごく美味しい!いつものスコーンも好きだけど、これも好き!」
そう言って、あっという間に食べてしまいました。
、、、えっ?
あんなに緊張しながら、心を込めて作ったのに、あなたたち一瞬で食べたわね笑
美味しくできて嬉しい。
美味しく食べてもらえて嬉しい。
だけどやっぱり一番嬉しいのは。
こんなに素敵なプレゼントを、私のためにと送ってくれたお友達の、私を想う優しい気持ち。
ありがとう。
あなたの気持ちが嬉しかったよ。
想いをちゃんと受け取ったよ。
そして、もしも叶うなら。
あなたにこのスコーンを食べて欲しいよ。
そんな風に、遠く離れるお友達のことを想ったら、心まで優しい甘さに包まれた、そんなある日のお話でした。
