【読んだ本】 2026年夏🌻 山へ海へ恐竜探しへ🦖
いよいよ夏本番。毎日毎日暑い日が続いていますね🌻
今回は最近読んだ本の中で、夏に読みたくなるような本をご紹介します。
よく冷えたアイスコーヒー片手に読書などもいいですね。
この夏の旅の移動時のお供にもどうぞ🚃
『火山のふもとで』 松家仁之
新潮社 2012
村井設計事務所は、毎年夏の間、浅間山のふもとにある「夏の家」へ事務所を移す。入所したての「ぼく」にとって初めての夏の家では、秋に控えた設計コンペに向け、所員たちの仕事が静かな佳境を迎えていた。静謐な風景、ひそやかな恋、忘れられないひと夏の物語。
実は先日チャッピーに「あなたが好きそう」とおすすめしてもらった作家さんのデビュー作。確かにわたし好みで、なんだかAIに一本取られた気分で、ちょっと悔しい。
作中の「ぼく」の視点から見えているものすべてが正しいわけではないのだろうな、語られないそれぞれのドラマがあるのだろうな、と思わせる奥行きがありました。
例えば、先生が最後に「ぼく」の事務所の先輩に向けた言葉、「傷つかないように、理不尽や強引さを無感覚にしておいて黙って受け入れようとすると、自分が何がしたいか、したくないのかわからなくなる。」は、実は「ぼく」に向けた言葉ではなかったのではないだろうか。この本の初めから終わりまで、「ぼく」の信念がどこか見えませんでした。「先生」の美学をトレースできる感受性や感性、先生に似た頑固さはあるのに。ひそやかな恋の結末もそう。
先生の「本を読んでいる間は、ふだん属する社会や家族から離れて、本の世界に迎えられる。読書や図書館というのは教会にも似たところがある。ひとりで出かけていってそのまま受け入れられる場所だと思えば。」という言葉も印象に残りました。本や図書館に受け入れてもらったという感覚は、どこかわたしにもある感覚なので。
読み終わった後も、しばらく鳥の声や霧の匂いがするような、世界観の余韻が残る美しい本で、建築に詳しくないわたしでもとても楽しめました。これから少し涼しくなる前に読みたい1冊です。
『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ
中央公論新社 2020年
他のクジラが聞き取れない52ヘルツの高い周波数でひとり鳴き続ける、孤独なクジラ。実母にずっと虐待を受けてきた「キナコ」は海の見える町に流れ着き、傷つき声を出せなくなった、まるで52ヘルツで鳴くクジラのような少年と出会う。
かなり重い話なのに反して、怖いほど読みやすく一気に読んでしまった。ちょっとの出会いで人生は大きく変わるな、と。キナコたちが人生をかけて助けようとしてくれる人に出会えて良かった。
物語は途中で終わってしまうけど、彼女たちのその後の穏やかな幸せを願わずにはいられない。一度でも愛された記憶があれば独りでも生きていける、という言葉を思い出しました。
『新訳 老人と海』 アーネスト・ヘミングウェイ
訳 今村楯夫
中央公論新社 2020年
『老人と海』に登場する"the boy"は果たして何歳なのかは長らく議論となっており、10歳説と22歳説があるという。 多数ある日本語既訳では「少年」に設定されていた。一方、ヘミングウェイ研究の第一人者による今回の新訳では22歳説をとり、"the boy"を成人した「若者」として全体を捉え直した。
名作なのにお恥ずかしながら、これまでちゃんと読んだことがなかったのですが、わたしは、22歳説しっくりきました。年配の方から見たら20歳かそこらなんてまだまだboyだよなと思うし、最後のシーンで闘い終わったサンティアゴをみて、全てを悟り泣くことはとても10歳では出来ないよなと。また、本の後半部を占める、ヘミングウェイ研究の第一人者である訳者の解説も興味深かったです。
作者のエゴが極限まで削ぎ落とされた、純度の高い小説では作者が後ろに見えてこないから、描かれた情景がとてもクリアに見える。だからこそ、この本の中では自分自身とこの物語との純粋な対話に没頭できるのだと思った。読んでいてずっと、物語の解釈を通してまるで自分の生き方や浅さはかさが丸裸にされていくような怖さがあった。きっとまたいつか読み替えしたとき、その時の自分の人生のステージや感受性によって受ける印象は変わるだろうなと思いました。
恐るべし、ヘミングウェイ。
『恐竜まみれ―発掘現場は今日も命がけ―』
小林快次
新潮社 2019年
そこに謎があるかぎり大発見を目指し探求せずにはいられない。仲間と共に危険なフィールドに挑み続ける恐竜研究者の超スリリングな発掘記。
とてもロマンがありシンプルに面白かった。恐竜発掘の現場はこんな感じなのか、まさに現代の冒険家。「恐竜研究者カッコ良すぎるぜ!」とわたしの心の中の少年が叫びました。大きな発見のきっかけはアマチュア発掘家というのも夢があるなぁ。これも夏休みの季節にぜひ。おすすめです。
『名門校の本棚』 平林理恵
日経BP 2025年
名門校の先生方がこれから大人へと成長していく中高校生たちに、いま、薦めたい本とは?
フォロワーさんが紹介していて気になったので早速読んでみました。
こんな先生たちに教わりたかった。生徒さんたちがあまりに羨ましすぎる。
特に灘の先生のお話が良かった。大人になってからふと思い出すのって、「深く考えさせられた瞬間」だったりするし、それがあとで世界が広がったときにいつの間にか世界を受け入れる素地になっていたりする。
広尾学園の先生の「何が琴線に触れるのかはひとりひとり異なりますが、出会うべき本は誰にだってきっとある。」という言葉も印象的でした。
紹介される本は学校の特色も出ていて、ラインナップも面白かった。
読みたい本リストにおすすめ本をどんどこ追加しました。
この夏に読みたい本を探している方にもぜひ。
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