海の沈黙(2024)
贋作に秘められた悲しい過去と強い愛
倉本聰が集大成と位置づける渾身のドラマ
『北の国から』(’81年~‘03年)、『やすらぎの郷』(’17年)など、数々の名作テレビドラマを生み出した名脚本家・倉本聰が原作・脚本を手がけた重厚な大人のラブストーリー。
倉本聰が長年にわたり構想し、36年ぶりに映画脚本を手がけた本作は、アイドル歌手から実力派俳優へと見事な成長を遂げた本木雅弘と小泉今日子が32年ぶりに共演を果たしたことも注目されました。
【ストーリー】
妻・安奈(小泉今日子)を伴い、自身の展覧会へ向かった世界的な画家、田村修三(石坂浩二)は、展示されていた1点の絵画を見て驚愕とします。それは自身の絵を精巧に模倣した贋作だったのです。田村の訴えに慌てた主催者は隠蔽を画策しますが、田村はその事実を報道陣に公表し、世間を騒がす大事件となります。
贋作を保有していた美術館の館長・村岡(萩原聖人)はそれが贋作だとは知らず、絵の美しさに惹かれて購入したのですが、事件を苦にして自殺してしまいます。
同じ頃、北海道・小樽で全身に刺青の入った女・牡丹(清水美沙)の死体が発見されます。その艶やかで美しい刺青を入れたのは彼女の恋人で画家の津山竜次(本木雅弘)でした。
本作のテーマは、人間にとって「美」とは何か? 圧倒的な“美しさ”を持つ贋作に端を発し、名もなき画家の津山と世界的画家の田村、そして、相反する2人の男を結ぶ安奈との因縁のドラマが幕を開けます。
「本物だから良い」とされる世の風潮に対して、“心”の備わっていない本物でも“良い”と言えるのでしょうか? 愛人との別宅を持ち、安奈を裏切る田村。そんな夫とやるせない日々を送る安奈。そんな偽りの人生を生きる2人に対し、苦難を乗り越えた末に自身の心血を注いだ絵を描き上げようとする津山のエネルギッシュなこと。“心”を備えた本物の絵が生まれるシーンの迫力ある映像に圧倒されます。
倉本はキャラクターの詳細なプロフィールを作り、俳優たちに渡したそうです。ストイックな役作りに定評がある本木や、女心の機微を巧みに演じる小泉など、難しいキャラクターを丁寧に作り上げた俳優たちの熱演が光ります。
脇を固めるのは、石坂浩二、中井貴一など倉本作品常連のベテラン俳優たち。監督は『ホワイトアウト』(’00年)、『Fukushima 50』(’20年)の若松節朗が務めています。
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【本木雅弘の最新主演映画が2026年6月19日より公開】
孤立した城で起こる怪死事件の謎に挑む歴史ミステリー
