砂山翔のサウナ探訪♯2 チェコ・Relax Days Prague
「宝くじが当たったらどうする?」
よく耳にするこのトークテーマ。
一度も盛り上がった試しはないが、私なら迷わずサウナ着きの家を建てると答えるだろう。
それほどサウナ中毒の私だが、現在住んでいるオランダのサウナは基本的に「男女混浴・全裸」がルールである。
混浴という慣れない環境。
そして一度の利用で日本円にして10000円弱という料金。そのため、私はしばらくサウナレスの日々を送っていた。
しかし、プラハ遠征2日目の朝。
私はついにサウナを解禁し、極上のウェルネス施設へと足を踏み入れた。
今回は、チェコで出会った楽園「Relax Days Prague」についてお話しようと思う。
駅近なホテルの地下
施設はプラハ中心部のホテル地下にある。
ヴァーツラフ広場から徒歩約6分。
I.P.パブロヴァ駅からもそこまで遠くはなかった印象だ。
受付には女性がいた。
そして私はここで安堵することになる。
ここはオランダのサウナとは違い、男女の更衣室がしっかり分かれていたのだ。
混浴文化にまだ適応できていない私には非常にありがたかった。
料金は2時間で1800円ほどだったと思う。
物価高のオランダに脳を破壊されている私からすると実質無料である。
受付を済ませ、ロッカー横のシャワーで身体を洗う。
久しぶりの海外サウナ。
期待に胸を膨らませながら、私はサウナエリアへと向かった。
サウナエリア
中に入るとまず目に飛び込んできたのは温浴スペースとバーカウンターだった。

サウナエリアにバー。
この時点で日本とは空気が違う。
そこでは女性2人が椅子に座り談笑していた。
ロッカーは男女別だったが、サウナエリアは男女共有だった。
日本のサウナでよく見かける光景は、
黙ってサウナに入り、
黙って水風呂に入り、
黙って休憩しているおじさんである。
しかしここは違った。
明らかに会話をするための空間だった。
日本のサウナが「ととのう場所」だとしたら、ここは「くつろぐ場所」のようだった。
バーで談笑する女性たちを横目に、私は誰とも会話をすることなくサウナへ向かった。
水風呂
サウナに入る前にまず水風呂を確認する。
サウナーとして当然の行動である。
ここの水風呂だけは男女別。
壁越しに繋がっている不思議な構造だった。
そしてチェコの水は容赦なく冷たい。
後で調べると5〜10℃らしい。
体感でも完全にシングルだった。
この瞬間、この施設は魚群リーチ並みの信頼度まで上昇した。
激アツだ。

サウナ室
サウナはメインサウナの他に、小さめのサウナが2つあった。
ひと通り入ってみたが、結局メインサウナが一番良かった。

メインサウナはフィンランド式サウナでかなり広い。オランダ人の大男たちでも20人くらいは余裕で入れそうだ。
チェコではシーツを敷いて座る文化があり、私も支給されたシーツを敷いて腰掛けた。
温度は90℃前後。
暑さとしては十分熱い。
しかし、あのシングルの水風呂を知ってしまうと、もう少し熱さが欲しくなる。
物足りないわけではない。
ただ、あと少しだけ欲しい。
この感覚は、歌手活動を再開した鈴木亜美を見た時に少し似ていた。
活動再開は本当に嬉しかった。
それでも全盛期を知っているからこそ、「あと少しだけ」と思ってしまう。
そんな贅沢な物足りなさだった。
代表曲である「BE TOGETHER」のサビを半分も歌っていないにもかかわらず、大ヒットさせてしまうアミーゴの全盛期の勢いは凄まじかったのだ。
内気浴

個人的に一番気に入ったのはここだった。
椅子が素晴らしい。
まるで私のために作られたオーダーメイドのように身体へフィットし、ととのいへと導いてくれた。
椅子といえば、B’zの名曲『いつかのメリークリスマス』である。
稲葉さんは歌詞の中で、クリスマスプレゼントに買った椅子を抱え、電車の中でひとり幸せだったと歌っている。
私は長年、
「クリスマスプレゼントに椅子て笑」
と思っていた。
しかし、この椅子に座った瞬間、その気持ちが少し分かった。
もし稲葉さんがこの椅子をプレゼントしてくれるのなら、私もいつまでも手をつないだまま歩いていける気がした。
ジャグジー
最後はジャグジーで締めた。
これがまた良かった。
ぬるめのお湯で複数の噴流パターンが自動で切り替わる。永遠に入っていられるタイプのお風呂である。
シングル水風呂で冷えた身体がゆっくりほどけていく。
旅の途中だったこともあるのだろう。
このジャグジーの気持ち良さは強く印象に残っている。
総合評価:★★★★☆92/100惜しみない
Relax Days Pragueは派手な施設ではない。
しかし、静かで快適で、サウナ・水風呂・休憩スペース、そのすべての完成度が高い。
特にシングルの水風呂は素晴らしかった。
この施設をプロ野球選手で例えるなら、巨人やロッテで活躍した助っ人外国人投手・メルセデスさんのようなサウナだ。
コスパ良く試合をきっちり作り、ある程度計算ができる。
そんな信頼感がこの施設にはあった。

極上のサウナとシングル水風呂で完全に仕上がった私は、軽やかな足取りで地上へ向かった。
そして、その数時間後。
このサウナの満足度を軽々と超えてくる出来事が起きる。
駅でチェコを代表するディープキスを見ることになるのである。
