ミステリーと音楽の皮を被ったスポ根小説 中山七里「岬洋介シリーズ」
「岬洋介シリーズ」とは
司法試験に首席合格するほどの頭脳と観察力を持つイケメン天才ピアニスト・岬洋介が活躍するミステリー小説シリーズ。
特徴
タイトルにクラシック音楽の作曲家の名前がついていることからもわかるとおり、音楽絡みの難事件を岬洋介が解決します。
もうひとつの特徴は、クラシック音楽についての怒涛の解説が入ること。
毎回、それもかなりの量入ります。
こう書くと、クラシック音楽に馴染みのない人は、手を出しにくくなってしまうかもしれませんね。
でも、安心してください。全然大丈夫です。
最悪、その部分全部「なんかめっちゃ凄い演奏」と置き換えれば、大体なんとかなります。
クラシック音楽を聴いてみたくなる
でもね、実際読むと熱量に押されて、言及されている曲を聴いてみたくなると思いますよ。
私もYouTubeで出てくる曲を調べちゃいました。
まんまと作者にのせられているような気もしますが。
さて、そんな「岬洋介シリーズ」は、現在9巻までとスピンオフ作品1冊が出版されています。
今回は12月にKindle Unlimitedで読むことができた4冊についてご紹介したいと思います。
『さよならドビュッシー』
あらすじ
ピアニストを目指している15歳の少女が、火事で祖父と仲良しの従姉妹を失い、自身も大火傷を負ってしまう。
一命は取り留めたものの、後遺症で指は元のように動かないし身体は傷だらけ。
更に身の回りで奇妙な出来事が連続して、精神的にももう限界!
そんなどん底状態で、彼女はイケメン天才ピアニスト・岬洋介のレッスンを受けることになる。
感想
ミステリーを読み慣れている人なら「ああ、これはアレをやるつもりだな」と序盤でピンとくるはずです。
重要なのは、それが何を意味するかなのですが……
そんなことは途中のスポ根パートでかき消されます。
そう!
この作品の正体は、ミステリーと音楽の皮を被ったスポ根ものです。
それも「巨人の星」とか「エースをねらえ!」みたいな、昔ながらの泥臭いやつです。
これまた昔ながらの表現ですが、スポ根パートで手に汗を握っている間に物語は終盤に突入してしまうのです。
『おやすみラフマニノフ』
あらすじ
岬洋介が講師を務める音大で、密室状態の保管庫から時価2億円のチェロが盗まれた。
そのチェロは、学生にとって重要な意味を持つ演奏会で使用されることになっていた。
演奏会の開催が危ぶまれるなか、コンサートマスターの学生は岬洋介を巻き込んで事件を解決しようと試みる。
感想
岬先生、なんと喧嘩も強かったことが判明。
超人か?
『いつまでもショパン』
あらすじ
岬洋介が参加していたショパンコンクールの会場で殺人事件が発生。
折しもポーランドの首都ワルシャワはテロの脅威に晒されていた。
事件とテロの関係は?
そして、どうなるコンクール?!
感想
岬洋介、いつの間にかショパンコンクールの本選に出場しています。
しかも、ポーランド語も喋れることが発覚。
もう何でもありだな!
そして驚愕のラスト!
リン・ミンメイかマリナ・イスマイールかこの人は……
『さよならドビュッシー前奏曲~要介護探偵の事件簿』
あらすじ
シリーズ第一作『さよならドビュッシー』に登場するキャラクター、玄太郎と介護士のみち子をメインに据えたスピンオフ短編集。
感想……?
探偵役の玄太郎は下半身が不自由で車椅子生活を送っています。
この手のキャラクターが探偵役をする場合、安楽椅子探偵スタイルをとることが多いですが、玄太郎はおとなしく椅子に座っているタイプではありません。
車椅子で暴走します。
ええ、文字通りの意味での暴走です。
そして、なぜか巻き込まれた岬洋介も爆走します。
歩道を自動車で!
どうしてこうなった……
それはぜひ読んで確かめてみてください。
読む順番についての注意
本編については、基本的に出た順に読むのが一番わかりやすいでしょう。
問題はスピンオフの『さよならドビュッシー 前奏曲~要介護探偵の事件簿 』です。
どちらを先に読んでもストーリー的には問題ありません。
ですが、個人的には『さよならドビュッシー』の後に『前奏曲』を読むことをお勧めします。
『前奏曲』から読んでしまうと『さよならドビュッシー』の序盤の展開が衝撃的すぎて先を楽しめないと思うのですよ……
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今回紹介した本

Kindle Unlimitedについてはこちらでも説明しています。

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