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夜鳴き蕎麦屋のお菊さん(21)第1593幕

【スピンオフ : 花修行編】 

第21話 『夢見の巫女見習い③』

魂が磨かれ、強くなった花。

ひいばあちゃん(桜婆)から、本格的に夢見の巫女見習いとしての指導が始まる。

桜婆:
花や。

よくぞ、ここまで強く、美しい魂を手に入れた。

ここまでは、合格点をやろう。

じゃが、ここからが本当の修行じゃ。

心して、望むのじゃぞ。

花:
桜婆、よろしくお願いします。

必ずもっと強くなって、お姉ちゃんを助けます。

桜婆:
まずは巫女みことしての修行を始める。

巫女の所作・踊り・瞑想めいそう状態からの神おろし(御信託ごしんたくを受け取ること)ができるようにしていくぞ。

まずは、ワシが踊るから、よく見て覚えなさい。

♪   シャン シャン シャン ・・・ ♪

桜婆は、巫女装束しょうぞくを身にまとい、鈴を鳴らしながら踊り出す。

桜婆:
どうじゃ、花もやってみなさい。



花も、巫女装束を身にまとい、鈴を鳴らして踊り出した。

花は、一度見たものは、すぐにできてしまう、天才肌であった。

桜婆:
おお、なかなか。

初めてで、ここまで踊れるとは。

でも、この首の角度、手の位置、ここだけ気をつけなさい。

あとは、完璧じゃ。

何度も踊って、自分のものにしなさい。

花:
はい。

ありがとうございます。

じゃあ、踊ります。

その日、花は、日が暮れるまで、一心不乱に踊り続けるのであった。

そして、そんな修行の日々も3日目に、ようやく桜婆からOKのサインが出た。

桜婆:
踊りは、その辺でいいじゃろう。

踊りながら、瞑想状態にも入っておるようじゃし。

そのうち、御信託も下ろせるようになるじゃろうて。

じゃあ、次は、夢見の巫女としての封印のかぎを外していく。

花、そこに横になり、眠りなさい。

そして、夢の中に入り、そこから見える景色を言ってみなさい。

花は、桜婆に言われた通りに、横になると、ス〜ッと眠りについた。

桜婆は、封印の鍵を開け始めた。

・・・・・

そこは、夢の中だった。

花(夢の中で):
ああ、ここは夢の中だ。

桜婆の言ってた夢の中。

何か見えるかな?・・・

あっ、学校が見える。

ここは、陸上部の部室だ。

お姉ちゃんのロッカーの前にいるのは、2年生の先輩で、手にはスパイクをにぎり、ゴミ箱に捨てていた。

花(夢の中で):
ああ、この先輩知ってる。

400m走トライアルでお姉ちゃんに負けた大野先輩が、100m走のタイムトライアルで勝った時の対戦相手だった先輩だ。

確か、溝口先輩だったっけ。

なんで、溝口先輩が?

そうか、溝口先輩、大野先輩に敗れて、選手になれなかったんだ。

控え選手になったんだね。

100m走の選手に選ばれなかったのを、大野先輩じゃなくて、お姉ちゃんのせいにするなんて、許せないわ?

っと、思ったところで、花は目を覚ました。

桜婆:
花や、どうやら、夢見に成功したみたいだね。

真実がわかったからと言って、犯人を責めちゃダメだよ。

花:
桜婆、わかった。

とりあえず、犯人がわかったから、まずはお姉ちゃんに報告するね。

桜婆:
修行は、ここで終わりにしよう。

これ以上、強くなっても、自ら滅びかねないからね。

どんな相手だろうと、決して呪ってはいけないよ。

陰陽師の言葉に、『人を呪わば穴二つ』という言葉がある。

陰陽師は、相手を呪い殺す依頼を受けた際、自分も同じように呪い殺される可能性があるから、墓穴を2つ作ったのがいわれだと言う。

他人に行ったことは、必ず自分の身に帰ってくるんだよ。良いことも、悪いことも。

それを、因果応報と言う。

多分、いじめをした先輩、自らの呪いが返されて、自滅する道を選ぶだろうよ。

悲しい話だけどね・・・

花:
桜婆、わかったよ。

私も、これからはもっと慎重になるね。

桜婆、修行をつけてくれて、ありがとうございました。

さようなら。

またいつか、会おうね。

桜婆:
ああ、ワシはいつでも、花もお菊も、お前の母さんも、ばあちゃんたちも、みんなを守っている守護霊だからね。

何かあったら、いつでもおいで。

力になるよ。

意気揚々と、花は現世へ、魂に戻ってお菊の体の中に帰っていくのだった。

この後起こる、悲しい現実があるとも知らずに・・・😱

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