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世間はClaude Code, Claude Codeと言うが、月20ドルで選ぶなら今この瞬間はCodexやと思う件

「社長」

秘書のあびぃが、めずらしく機嫌のいい声で現れた。

「前回のAI記事、よく読まれてます。...まあ、悪くない出来でしたし」

ほう。あびぃがそこまで言うとは、雪でも降るのか。

「で、一件、いい質問が来てます。"Claude Codeがいいって言うけど、月20ドルで始めたい。それでもClaude Codeですか?" って」

...いい質問だ。そして、わたしの答えは、たぶん世間とは少し違う。

月20ドルのエントリープランで選ぶなら、今このタイミングは、Codexやと思う。

「...社長。前回、Claude Codeが品質No.1だって、あんなに胸を張ってませんでした?」

張った。今も思っている。わたし自身はClaude CodeのMax最上位を、廃課金して毎日回している。推しは、推しだ。

「じゃあ、なぜ」

推すことと、人に勧めることは、別の話だからだ。特に「月20ドルで」という条件がつくと、話はまるごと変わる。理由を、四つ話す。



理由その一 最近のClaude、わたしの手に馴染まなくなってきた

一つ目。最近のClaude Code、わたしの手元で、少し様子がおかしい。

「おかしい?」

アップデートのたびに、賢くはなっている。それは間違いない。だが、ここ最近、思った通りの出力にならない場面が増えた気がする。こちらの意図と、微妙にズレる。そして、よく止まる。待たされる。

「気のせいでは?」

気のせい、で済めばよかった。だが、これはどうやら、わたし一人の話ではないらしい。

つい先日、6月の頭のことだ。あのNotionが、公式にこう告知した。「AnthropicのOpus 4.7と4.8で性能の低下が起きていて、Notion AIでこのモデルを選んだ人の失敗率が上がっている」と。そして影響をおさえるため、モデルの選択画面からAnthropicのモデルを丸ごと一時的に無効化し、別の提供元に処理を振り替えた。

...これは、ちょっとした騒ぎになった。世界中が使う、あのNotionが、「今のClaudeは不調だ」と判断して、一時的に外したのだ。SNSでは千回以上、拡散されたという。

「つまり、Claudeはダメだと」

落ち着け。そこは公平に言う。この件は、十二時間ほどで復旧した。原因も、モデルそのものが劣化したのではなく、一時的なインフラの不具合だと、AnthropicもNotionも、はっきり説明している。Claudeが根っこから悪くなったわけではない。

「じゃあ、たいした話じゃ」

いや、ここがポイントなのだ。たとえ一時的でも、こういう"今日はClaudeの調子が悪い"という日が、ときどき訪れる。あの巨大なNotionですら、いったん丸ごと外して、別の道に逃がした日があった。...わたしがこの数週間、手元で感じていた小さな違和感は、どうやら気のせいではなかったらしい。現場の体感というのは、案外バカにできないのだ。


理由その二 20ドルでOpusを使うと、すぐ天井に頭をぶつける

二つ目。これがいちばん大きい。月20ドルのClaude Code、つまりProプランで、いちばん賢いOpusを使おうとすると、すぐに上限に達する。

「上限」

そう。Opusは賢い。だが一回の処理で食う量が、軽いモデル(Sonnet)の何倍もある。だから20ドルの枠でOpusを気持ちよく走らせていると、あっという間に「はい、今日はここまで」と止められる。あとは、時間が回復するのを、ただ待つ。この待機時間が、地味に効く。仕事のリズムが、ぶつりと切れる。

「廃課金の社長は、その上限なんて知らないのでは?」

逆だ。最上位を使っているからこそ、20ドルの天井がどこにあるか、はっきり見える。下から見上げるより、上から見下ろすほうが、天井の位置は、よくわかるものだ。


理由その三 同じ20ドルで、Codexは三倍から五倍、粘れる気がする

三つ目。ではCodexはどうか。Codexは、ChatGPTの月20ドルプラン(Plus)に、おまけのようについてくる。追加料金はいらない。

そして、これは完全に体感なのだが...同じ20ドルでも、Codexのほうが三倍から五倍は粘れる気がする。

「気がする、って」

数えたわけではない。だが、Claude Codeなら昼前に止められていた作業量を、Codexだと夕方まで走らせられる。そういう日が、ここ最近ずっと続いている。財布が同じなら、長く走れるほうが、ありがたいに決まっている。


理由その四 賢さを上げたClaudeは、とにかく遅い

四つ目。スピードだ。

Claudeは、いちばん賢い推論モードにすると、とにかく遅い。じっくり考えてくれるのはありがたい。が、待っている間に、コーヒーが冷める。淹れ直すと、また冷める。

Codexは、それに比べると、まだ速い。サクサク進む感覚がある。月20ドルで、とにかく数をこなしたい人にとって、この速さは、効く。


結論 ── 立場が違えば、答えも違う

だから、今このタイミングで「月20ドルで始めたい」と聞かれたら、わたしはCodexと答える。コスパと、使用感で。

「...前回Claude推しだったのに、宗旨替えですか」

推しは変わっていない。質のClaude、コスパのCodex。最上位まで課金して品質を取りに行くならClaude Code。月20ドルで、賢く長く粘りたいなら、今はCodex。立場が違えば、答えも違う。それだけの話だ。

「読者のために確認しますけど。これ、"Claude Codeはダメ"って話じゃないですよね」

違う。まったく違う。Claude Codeは今も、最強格の一つだ。げんにAnthropicは、この春、計算資源をどかんと増強して、Claude Codeの使用上限そのものを底上げしている。改善は、ちゃんと続いているのだ。

「じゃあ、その底上げが効いてくれば、また逆転すると」

その可能性は、おおいにある。だからこそ、これは"2026年6月時点の、わたしの体感"でしかない。改善は続いている。それでもなお、今この瞬間、20ドルの枠でいちばん賢いOpusを回すと、天井はやっぱり早い。わたしは、そう感じている。

逆に、この底上げがもう一段効いてくれば、わたしは喜んでClaudeに軸足を戻す。何度でも言う。体感は、生鮮食品だ。



最後に ── AIの「おすすめ」は、生鮮食品だ

ここで、いちばん大事なことを言っておく。

AIの世界の「おすすめ」は、生鮮食品だ。賞味期限が、おそろしく短い。今日のいちおしが、来月には棚の奥で傷んでいる、なんてことが、平気で起きる世界なのだ。

だからこの記事も、「2026年6月のわたしの体感」として読んでほしい。Anthropicが上限をまた増やせば、Claude Codeがもう一段速くなれば、わたしは、あっさり手のひらを返す。喜んで返す。今、なりを潜めているGeminiもそろそろ3.5もしくは一気に4を出して逆転してくるかもしれない…

そして、また体感が変わったら、ここで伝える。それが、毎日浴びるようにAIを使っている人間の、せめてもの務めだと思っている。

「...手のひら、返す気満々ですね」

現場の人間は、義理より体感で動く。それでいい。

「まあ、悪くない締めじゃないですか」

おっ。

「二回目はないですよ」

今日も、ターミナルが回る。Claude Codeと、Codexと、両方が。

かくしてCodexのProプランに課金してしまったクロージャーであった。



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