インド洋に浮かぶ光り輝く島国・スリランカ訪問⑤
2023/May/2 Tue.
高台よりキャンディの街並みを眺める
夜中、お腹が痛くなって起きてしまった。食べ物に当たったというより、寝ている間に直接エアコンの風が当たっていたからだ。そこで、持ってきていた正露丸を飲んだ後は、エアコンを切って天井にあるファンだけを回して再び眠る。
ただ、まだ日本時間が残っているからかなんとなく早起きの習慣が付いており、今朝も6:00に起きてしまった。正露丸のおかげか腹の調子も問題なさそう。昨日の午後、このキャンディの街を十分に見て回れたとは言えないので、キャンディの朝の散策に出掛けよう。で、目指すはレイク・ビュー・ポイント。その名の通り昨日周ったキャンディ湖を見下ろす場所なのだが、そういった場所はだいたい高台にある。高台に行くといえば当然上り坂なので、距離的には大したことないのだが、トゥクトゥクを使うことにする。

で、チャレンジしてみようと思うのがスマホに入れたPick Meというアプリ。簡単に言えばスリランカ版のUberだ。スリランカ版のSIM、つまり電話番号もあるので登録も無事にでき、後は呼ぶだけ。おもしろいのが乗用車だけでなくちゃんとトゥクトゥクも呼べる事。今呼ぶと、ホテルから目的地までの価格は187ルピーと出てくる。ただ、朝早いからかすぐ近くにドライバーはいないようで待ち時間は7分と出たので、ホテルのロビーで少し待つ。
するとドライバーから電話がかかってきて"着いた"との事。通りに出てみるがトゥクトゥクが複数いるので、"何色?"って聞いて、更にアプリでプレートナンバーを確認してから、それに乗り込む。

私を乗せたトゥクトゥクは坂を登って行く。思ったより急坂でしかも遠回りになりそれなりに距離があったので、これは約80円を払った価値があった。
辿り着いたレイク・ビュー・ポイントはキャンディ湖の南側の小高い丘の中腹に展望台として整備されている場所。屋台らしきものもあるのだが朝だからか閉まっているし、私以外誰もいない。そこでここからの景色を独り占め。ここから見渡すと、キャンディの街が山に囲まれた狭い盆地に開けているのがよくわかる。残念ながら今朝は曇り空であり、太陽も霞んでいている。そして先に見えるのは霧か雲海か。晴れの日とは違ってこれはこれでキレイだ。
ただ、この景色も写真を撮って3分も眺めていれば飽きてきたので、下山を開始。帰りは下りなのでもちろん歩きだ。反対方向から登ってきてすれ違うのは白い制服を着た女学生達。ちょうど通学の時間なのだろう。ただ、毎日この坂を登っての通学は大変だろうな。

キャンディ湖畔まで降りくると、ここも通勤・通学ラッシュなのかバス、トゥクトゥク、車、人が行き交い大混雑。そんな中、クイーンズホテルの脇を抜けホテルへと戻る。そして、とっとと部屋で荷物をまとめ、一応、もう一回だけトイレに行ってからホテルをチェックアウト。
ピンナラワの象の孤児院へトゥクトゥクで往復
こうして慌てて8:00にチェックアウトをしたのは待ち合わせをしているからである。今日の午前中はここキャンディのまだ見ていない所をまわるという選択肢もあったのだが、どうしても見たいという所はもうない。であれば、ここキャンディから少し遠いのだがピンナラワという場所に象の孤児院という施設があり観光名所になっているみたいなので、そこに行ってみることにした。象はシギリヤでも見ているが、まぁ、典型的な旅行者としては有名処は抑えたい。
で、そこへの交通手段だが、ローカルバスで行くと超安く行けるのは間違いないが、途中で乗り換えが必要であり、そのタイミングによっては時間がかかりそう。で、もう一つの手段はお金に物をいわせてトゥクトゥクで往復しちゃう手だ。で、いくらくらいなのかとアプリのPick Meで調べると往復で6500ルピー程度と出てきた。そこで、今朝乗ったトゥクトゥクドライバーにダメもとで6000ルピーで交渉すると、あっさりOKが出たのである。

約束より5分程遅れてやってきた今朝ほどの赤いトゥクトゥクにキャリーケースを乗せ出発する。キャンディは大きな街であり交通量も多く、所々で渋滞している。走っている時はこのトゥクトゥクも風が入ってきて気持ちイイのだが、こうした時は排気ガスがモロに入ってきて不快。ただ、街を出ると緑豊かな道となる。道中、峠越えもあり、トゥクトゥクは唸りを上げて登る。一方、下りはガソリン代をケチっているのか、エンジンを切って走行。そして、どんどん進んで行ったが、目的地ピンナラワまでは結構距離があり、結局、1時間半もかかった。
そして、ドライバーに"ここだよ"と言われたので、トゥクトゥクを降り、その場所に入っていく。この入り口で入場料を払うが、ここは外国人料金なのかわからないが4740ルピーとこれまた高い。まぁ、ここは病気の象や親を失った小象などを保護している施設だそうなので、それに役立てば良いだろう。

入場して園内を進むと、柵の向こうに餌を食べている象がいたり、親子の象がいたりするが、思ったのと違いすごく動物園的な雰囲気の場所。しかも愛らしい子象へのミルクやりの時間も過ぎてしまった様でそれも見れず、なんだか象だけの動物園に高い料金で入っただけの感じだ。
いやいや、これを見に来たんじゃない。そこで入り口の受付まで戻り、"川で象の水浴びしている姿はどこで見れるのか?"と聞くと、ここから150m程先の道路の反対側とのこと。しかも毎日定時行っているその水浴び時間がもう始まっているらしいので、急いでそこへと向かう。
そこへの道は両脇にお土産屋街が並ぶ参道となっている。そして、その参道の真ん中には象さんの新鮮なお土産がいくつか転がっている。これは、先程、象が列を成して川に向かったばかりの証拠だ。

果たして、その河原に行くとたくさんの象が川に入り水浴びをしていた。これこれ、この光景を見に来たのだ。茶色く濁った水に入っている象の数はどうだろう30頭はいそう。飼育員が撒く放水銃を浴びたり、自分の鼻で川の水を汲んで自分の背中にかけたり、各自思い思いに水遊びを楽しんでいて、なんだか嬉しそう。そして、必死に親象を追いかける子象の姿もあり微笑ましい。それを眺めることができる展望台から他の観光客と一緒に見下ろす。観光客の一部は河原まで降り、多分別料金を払っているのだろうが、象を撫でたり背中に乗せてもらったりしている。いいんじゃない。ただ、それを見ているだけでも安らぐ。ここに来て良かった。けど、思うのが、この河原でのゾウの水浴びを見るだけだったら先程の高い入場料は払わなくてよかったんじゃない??
この展望台の上にはレストランがあり、朝、食べていないので何か食べながらこの景色を見るのも良いかと思ったが、そのメニューを見ると値段がバカ高いのでやめておく。そこで参道へと戻り、ローカルドリンクのジンジャービアーという物を一本購入して、また展望台へと戻る。で、飲み始めるが、そのドリンクの味はと言うと、ビアーとあるがアルコールは入っていないソフトドリンクで、アメリカで売っているルートビアーみたいな激マズ飲料だった。それでも、喉が乾いていたので、500㎖を飲み干す。

で、そのドリンクを飲みながらこの展望台から象を眺めていると、ポツポツ雨が降ってきた。上空はかなり暗い。しばらくして本格的に降ってきたが、この展望台は上にあるレストランが屋根となっているので、ここで雨宿りし、止むのを待ちながら引き続き川にいるたくさんの象たちを眺める。だが、その雨はどんどん強くなるばかり。先程までいた観光客もほとんどいなくなっている。そこでアプリの雨アラームで確認してもこの辺りは降っていないことになっている。熱帯特有のシャワーだろうと思っていたが一行に止む気配がなく、むしろ土砂降りだ。
30分くらいずっと待っていたが、一向に回復する見込みがないのでバックパックからポンチョを取り出し、それを着て参道を走って戻る。そして大通りの所にあったATMから、チャーターしているトゥクトゥクのドライバーに電話を掛ける。このドライバーはちょうど今朝Pick Me で呼んだドライバーなので、朝、電話で会話したから電話番号の履歴が残っていて助かった。そのドライバーは私が待っていた場所がわかったようですぐに迎えに来てくれたので、これに乗り込みキャンディへと向かう。
茶畑と紅茶精製工場巡り

それには1時間はかかると思うのでその間に雨は止むかなと思っていたが、全く止む気配はないままキャンディ郊外まで戻ってきた。今回のトゥクトゥクはキャンディ往復でお願いしているがグーグルマップで見るとこれから南下しようと思っている私にとってまたキャンディの街中まで戻る必要はない。そこで、その分岐点であるペーラーデニヤという街に差し掛かったところでこの付近のバス停で降ろして欲しいとお願いした。
ただ、外はまだ雨。屋根のないこの路傍で乗り換えのバスを捕まえねばならないので、どうしようかと思っていたが、このドライバーは親切で屋根のあるトゥクトゥク内で待っていて良いと言ってくれ、次々入って来るバスを見てくれ、"あれは違う"、"あれも違う"、と言ってくれる。そして、"あれだ!"と言ってくれた段階で礼を言い、このドライバーと別れ、雨が降りしきる中、その赤バスに移動し乗り込む。雨は予定外だが、乗り換えはスムーズに行っている。

バスが南に向かうにつれ雨はやみ、次第に青空の欠片も見えてきた。そして車窓も一変し、辺りは山また山。クネクネの山岳道路で、バスは唸りを上げて進む。そして周りの山々の山肌に広がるのは茶畑である。これから向かうヌワラエリヤ周辺は紅茶の産地。そうスリランカ名物の一つは世界に名を轟かせるセイロン茶である。で、その現地に赴いてできる事が紅茶工場の訪問。現在向かっているヌワラエリヤへの街道に2つ程紅茶の精製工場があるみたいなので、途中下車をして訪問しよう。
天井に張ってあるロープを引っ張ってベルを鳴らしバスを降りることを告げて降りる。まず最初に訪れるのがブルー・フィールド・ティー・ガーデンズ。一面の茶畑に囲まれた場所であるが、複数ある建物のどこに行けばいいんだろうとキャリーケースを転がしていると若い男性が声を掛けてきた。そこで、"工場見学したいんだけど"と言うとまず売店脇に荷物を置かせてくれ、それから奥にある一番大きな建物に案内してくれる。

工場見学というとある程度人数が集まったらツアーの要領で回るのかと思ったらこの男性がマンツーマンで案内してくれるようである。そして、その建物に入るととにかくイイ匂い。お茶の匂いである。緑茶と紅茶は同じ茶葉でその精製方法が異なるだけというくらいの知識はある。その摘みたての茶葉を集積する場所が最初。その後、不要な枝などを除去する場所。ちょっと熱い乾燥させる場所。乾燥した茶葉を粉砕する場所などなどを巡る。使用している機械は結構古くなんでも130年前の物だそうだし、乾燥の行程では薪で炊いた火を使っている。昔から製法は変わっていないのであろう。見る所は決まっているようで、思ったより早く15分程でこの工場見学は終了となった。

次は売店のある建物に戻り、ここで無料のテイスティングタイム。しかも先程説明を受けたOP、BOP、BOPFなどの8種類ある茶葉の中から試したい物を一つ選べるというので、英国で最も飲まれているというBOPをお願いする。しばらくしてティーポットに入ってきたそれが運ばれてきた。ここではこれに合わせて有償だがケーキなども食べれるようになっているので、朝食、昼食抜きの私はそれを食べようと思っていたのだが頼むタイミングを逸してしまったのでとりあえずその紅茶を飲む。うまい。そしてやはり香りが良い。先程、工場を見学したばかりなので格別だ。これを飲んだからはお土産用の紅茶を買わずにはいられない。そこで飲み終わった後は、売店に移動して紅茶を選ぶがとにかく種類が多くて迷ってしまう。そこで先程工場案内をしてくれた若い男性に聞き、荷物にならずしかも丈夫な小型の木箱入りの物で、試飲したものと同じBOPの一つを購入する。

思ったよりこの訪問で時間が掛からなかったので、予定通り紅茶工場のはしごをすることにして、この先にあるもう一つの工場も訪れよう。また、ヌワラエリヤ方面へと向かうバスを捕まえ20分程。ラブケリー・ティー・ラウンジ前に到着。こちらは人気が高いのか大型観光バスが何台も止まっており、観光客の姿が多い。それもそのはず、工場周りの山並みは見渡す限りの茶畑。緑が美しく、その中に入って写真撮影をしている人もいる。それを眺めてから建物の中に入っていく。
するとこちらの工場見学は完全ツアー形式になっている様で"5~10分待って"と言われたので、一旦外に出て茶畑の写真などを撮ってから戻るとまた"5~10分待って"と言われる。あまりオーガナイズされていないようなので、ちょうど出発しようとしている10名程のグループに勝手に付いて行くことにした。
見学の内容は先程の所と基本いっしょだが、こちらは行程順路がしっかり設けられており、工場の上部からガラス越しに見学して行き、いかにも観光用の工場見学という感じ。

そして、こちらもあっさり10~15分で見学が終わり、円卓で試飲となる。そこで今回は先程とは違う物を試そうとしたのだが、ここでは種類は選べず奇しくもまたBOPを飲むことになった。ただ、やはりおいしい。産地で飲めるというのは良いものだ。そして、やはり無料で飲ませていただいたのだから、横にあるお土産屋で紅茶を選ぶことにする。ただ、先程と同じだが工場直営だからか量が多いものが多く、一方小さめのキャリーケースで旅行している身としてはそれほど大きな物は買えないので、100g入りという小さいのを探す。そして、ここではBOPではなく、一番荒くそして薄いというOPを一つ選んだ。ただ、レジでは前に大量買いの中華系の人々がいたので、少し時間がかかった。
これで紅茶工場見学は終わり。再びバス停に戻ってヌワラエリヤ行きのバスを待ち、10分程後にやってきたそれに乗って、更に標高を上げ、終点のヌワラエリヤの街の中心部にある立派なバスターミナルまで行く。
高原都市ヌワラエリヤ

辿り着いたヌワラエリヤの街は英国の植民地時代に避暑地として栄えた場所で、まずは涼しい。というよりも夕刻の今は半袖だと少し肌寒く感じるくらいだ。そして、現在もコロニアル調の建物が数多く残っており、このバスターミナルから見える郵便局もピンクのかわいらしい建物。なんでも英国植民地時代の1828年に建てられた物だそう。そしてこの脇にはビクトリアパークという英国風の大きな公園もあるのだが、時刻はもう17:30。すでに薄暗くなっているので、そこに入るのは諦める。

そして、今夜予約してある宿の辺りには食事処がなさそうなので、少し早いがこの街中で夕食を食べてしまおう。グーグルマップで街中の評判の良い店を探すがこの付近には少なく、特に食べたい気分でもないのだが中華系の店に入る。しかもその名がMilano Restaurant。名前からしてあまり期待が持てそうもない。そこで頼んだのはFried Rice。つまりはチャーハンだ。出てきたそれがまた超大盛だったので、これ以外に頼まなくて良かったと思いつつ、口に運ぶ。少し味が濃いが、作り立てで温かくちょっとピリ辛。お茶碗だと軽く5杯くらいはありそうだったが、朝昼抜きの私は頑張ってそれを食べ切る。これとマンゴージュースでお会計は1490ルピーであり、しっかり10%のサービス料が取られていた。
ティーフィールドに囲まれたB&B
もう辺りは暗くなっており、薄雲が広がっている上空がきれいに赤く染まっている。そこで、Pick Meでおよその相場を調べておいてから、この店の前でトゥクトゥクと交渉して今晩の宿まで送ってもらう。ビクトリアパーク脇からグレゴリー湖の畔を通り過ぎ、舗装されていない道を入ったところにあったのが今晩予約してある宿、The Tea Garden。ホテルではなくいわゆるB&Bである。
トゥクトゥクのエンジン音が聞こえたのかこの宿の主人が迎えに出て来てくれ、まずはリビングルームのような所でウェルカムドリンクとして紅茶を出してくれた。ほんと、今日の午後は紅茶ばかりを飲んでおり、持っていた水が全然減らなかった。そして、この宿の主人といろいろ話をするが、物腰が柔らかく言葉遣いも丁寧で且つ非常に親切な主人である。また、宿も非常にきれいでお洒落。一通り話が終わった後は、私の部屋に案内されるが、そこはこのリビングルームのすぐ隣の部屋。スタンダードルームというそこは非常にキレイでちゃんとシャワールームもあるが、窓からの眺望は良くない。そして、ここにはクーラーはないが、標高が高いせいで涼しいので全く問題ない。

居心地の良い部屋であるが、この街外れではさすがのDialogでも電波が届いていないのでスマホを触ることもできなく、部屋の中で特にやることもないので、シャワーを浴びてしまう事にする。まずはいつものように土埃まるけになった髪の毛を洗い、次に体を洗おうとしたらシャワーのお湯が途中から水に変わってしまった。ここは標高1800mを超す高地。さすがに温水でないと無理ということで残念ながら体は洗えず。完璧かと思われたこの宿だがそうではなかったらしい。
そして、こういう造りの宿だからどうしても上の階のドタンバタンや子供の声が聞こえてくるのは仕方ない。やる事もないので、21:00前だがベッドに潜り込み、ガイドブックを眺める。今までベッドはほぼシーツのみであったが、ちゃんとここは布団があるので、それに包まらなきゃ寒くて眠れない。
