インド洋に浮かぶ光り輝く島国・スリランカ訪問⑥
2023/May/3 Wed.
緑豊かなティーフィールドへの朝の散歩
6:30に起きる予定だったのだが、外が明るくなり鳥達が鳴き始めたので、アラームより早く起きてしまった。宿の主人と7:00から散歩に行く約束をしていたのだが、部屋でウダウダしていても仕方ないので、カメラを持って外に出る。
この建物もなんだか英国調でこの前にはイングリッシュガーデンがある。芝が広がったスペースにはハンモックがあり、そして周りの花壇にはカラフルな花が咲き乱れており美しい。そんな花達を写真に撮っていると主人がやってきて、"早いけど裏の茶畑の方に行ってみましょうか"と誘ってくれたので彼に従って丘の方に登って行く。

さすがに半袖では厳しい程の気温なので、珍しく長袖シャツを羽織って出掛ける。建物の裏手には茶畑が広がっていて緑一色できれい。しかし、茶畑というときれいにカットされ整然と並んでいるイメージなのだが、ここのは近くで見ると日本と違って非常にランダムで全く通路が確保されていない。そこで、"手前ならともかくどうやって奥の部分の茶摘みをするの?"と聞いてみると、この中無理やり入っていくらしい。これは重労働だ。また、日本と違い年間を通して変わらないというこの気候からかお茶のシーズンというものがないらしく年中、収穫できるのだとか。緩やかな丘を上ったり下ったりしてこの緑豊かな茶畑の中の散歩を楽しんだが、上空には青空は見えずどんよりした朝である。

1時間程この茶畑散歩して宿に戻ると、隣の建物に案内され、少し先に戻っていた主人が朝食を準備して待っていてくれていた。フレッシュマンゴージュースにはじまり、新興国にありがちなカチカチのパンのトーストが4枚も。そしてオムレツ、ソーセージ、フルーツ、ヨーグルト。たっぷりとしたイングリッシュ・ブレックファーストだったが、どれも美味しくて全部完食。もちろん締めは紅茶。やはりおいしい。ちなみに宿代の支払いの時にお土産として紅茶までもらっちゃった。
のんびり進む高原列車に揺られ
ゆっくり食べていたいところだが8:00になると迎えのトゥクトゥクがやってきた。今日は大移動の日。今日の目的地に移動するにはバスを乗り継いでも良いのだが、昨晩、"途中までは列車で移動した方が良いか?"と宿の主人に相談したら、"それはいいアイデアだ"と言ってくれた。なんでも、この区間の列車は世界で最も美しい車窓を楽しめるらしい。ただ、最寄りの駅はここから少し離れておりトゥクトゥクでしか行けないみたいなので、主人が呼んでおいてくれたのだ。その迎えが予定より少し早くやって来たので、紅茶をゆっくり飲むのは諦め、すぐに部屋に戻り荷物をまとめて、このトゥクトゥクに乗り込む。小さかったが非常に良い宿であった。ただ、街から離れたこの場所に宿泊する必要はなかったかもしれない。

トゥクトゥクは茶畑に開かれた脇道を使って最寄りのナヌオヤ駅まで送り届けてくれる。そこまでは10km程離れていて、時間で言うと20分程度かかった。そして、駅舎で切符を買おうとするが、日本人の中流意識たっぷりな私は2等を買い求めようとするが、なんと1等か3等しかないとの事。で、値段を聞くと前者は3000ルピー、後者は165ルピー。なんだ、その格差は。では、少し怖い物見たさで3等を購入する。と言いつつ、3時間以上列車に乗るのに安過ぎ。ちなみに発券されたのはもうほとんど日本では見れない硬券だった。
余裕を見て早めに駅に着いたので、列車が来るまで駅のプラットホームに降りて待つ。が、案内はほとんど書いて無く島型の2つあるプラットホームのどちらが上下かすらわからないので、待っている他の人に聞いて確かめる。
しばらくすると、そのプラットホームに重々しいディーゼル機関車が引っ張る列車が入ってきた。ちょうど目の前に止まった車両が私が乗るべき3等車だったので、たくさんの降りる人を待ってから乗り込む。が、皆賢く、窓が開けっぱなしの3等車なので、窓から自分の荷物を座席に置き見事に窓際の席をキープしている。このため、私が車内に入った時には、残念ながら窓際の席は全て埋まっており、仕方なく空いていた通路側の席に座る。その座席もさすが3等、木製のシートで少し座っただけでも、あ、これはすぐに痛くなるやつというのがわかる。

しばらくして、逆方向の列車もこの駅に入ってきたので、この列車はスリランカの鉄道としては珍しくほぼオンタイムの9:25に出発。列車はゆっくりと進みだす。重々しい機関車がかなり年代物の客車4、5両を引っ張っているのだが、日本では見かけない広軌なのに揺れる揺れる。座り心地ははっきり言って良くない。一方、窓は全開で、車窓からは高原の風も入って来て涼しい。列車は起伏のある山岳地帯を縫うように進んでいくのだが、この辺りのなだらかな斜面の山肌は、よく見るとほとんどと言ってもいい程、緑濃い茶畑に覆われている。茶畑が連なる光景は素晴らしいが、日とは異なり、丁寧に手入れされた感はなく雑草にも見える。そして、たまにあるトンネルに入ると車内には照明がないからかホント真っ暗になりビックリしてしまう。

時折、列車は駅に止まり、列車のすれ違いがある時は長く止まったりする。ただ、本当にこの鉄道は山に沿って高い所を走っており、その分クネクネしているが、山の稜線や紅茶畑の美しい景色を観ることができ最高。そして山岳地帯らしく天気は変わりやすく、青空の時もあれば霧が広がり、そして雨が降る時も。

2時間程してハプタレーの駅に到着。元々ここで下りてバスに乗り継ごうかとも思っていたのだが、バスの便が少し不便なようなので、しばらく乗車し続ける。そして、13:32に山間のエッラという駅に到着。ここで多くの観光客風の人が下りるので、私もここで下りる。ここの駅舎で比較的きれいなトイレを借りてから改札で硬券を渡す。そういえば、乗車中は切符のチェックは全くなかった。
バスを乗り継ぎティッサマハーラーマへ
この駅も高原リゾート風でかわいらしく、この街には見所もそれなりにあるらしいので、日程的に余裕があるのであればここでも1泊したかったくらいだが、残念ながらそういう訳に行かない日程なので乗り継ぎのバスに乗らねば。駅前にはバスは来ていないので坂道を降り大通りに出る。街というより村と言った方が良い規模でゲストハウスや小さな商店が立ち並んだ通り抜け、少し離れた所にあったバス停に到着。ここにバス停があるというのはグーグルマップのおかげでわかったのだが、ホント手元にスマホがあると初めての場所でも乗り換えが簡単にでき、旅行も便利になったものだ。

するとそのバス停に見慣れた顔がやってきた。先程列車の中で言葉を交わし写真を撮り合った青年二人組だ。ここスリランカの英語の通用度はかなり高くコミュニケーションには困らない環境。なんでも彼らもウェッラワーヤに行くというので、同じバスを待つ。キャリーケースを持っているのでバスが来る度にどこ行きかというのを確かめるのは結構大変なのだが、彼らに従えば良いので助かる。
こうしてちょうど待っている時にゴロゴロと雷が鳴りだし、ポツポツ雨が降り出した。こりゃ困ったなと思っていたその矢先、結構混雑したバスがやって来た。その赤バスは珍しく行き先に英文字が書いてなくカタツムリが行列を成しているようなシンハラ語の表記のみだったのだが、青年らによるとこれがウェッラワーヤ行きだという。そこで、私も慌ててそのバスに乗り込み、いつものように運転手脇のエンジンカバーの上にキャリーケースを置く。ただ、このバスは混雑しており座る場所は全くないので、スリランカに来て初の立っての乗車だ。仕方ない。
しかもこれからの道は運が悪いことに峠道の下り。バスは右に左にそして前後にも揺れ、しっかり手摺りに掴まりかなり踏ん張らなければならない。途中、バンバラガマ滝という立派な滝の脇を通ったのだが、立っていては写真どころかしっかりと見る事もできない。そしてホントこの道は山の中のすごい谷の脇を下っていく。運転手はフットブレーキばかり使っているようだが、ブレーキ大丈夫?この谷に落ちたら間違いなく死ぬんだけど。ただ、こんな山中なのにこのローカルバスは乗降が多く、途中から席に座れた。そして、バスは進み、山を完全に下り切った平野部にあるウェッラワーヤには1時間もかからずに到着した。思ったより早くて助かった。

一緒に乗り込んだ青年達はこのバスターミナルですぐ次のバスに乗り込んで行った。で、今日、私が目指すティッサマハーラーマ(略してティッサ)行はというと、いつものようにそこらにいた人に聞くと16:45までないという。えー、2時間後。それは待ち時間が長い。そこからトゥクトゥクの売り込みが激しくなったが、バスの乗継でも行けるはずと思い、探し歩いているとこのターミナル内には珍しく行き先と出発時間が書いてある案内所があった。これによると30分毎にマータラ行がある。これで少なくとも近くまで行けるはず。そこでやってきたそのバスに乗り込もうとすると、その運転手は"ティッサ行ならこの後すぐに来るから待って"と言う。ホントかと疑いつつもこれに乗るのは止める。
で、すぐにやって来たのが59番のカタラガマ行のバス。そこで一応、"これはティッサに行くか?"と車掌に確かめると"行く"と言う。おー、良かった。結局ここではおよそ40分で乗り継ぐことができた。最初のデマはトゥクトゥクドライバーがそれに乗せるための嘘だったのかもしれない。

陽気な音楽をかけながらこのバスは進む。もちろん、バスのドアは開けっ放し。そして窓も開けっ放しで、風が入ってきて気持ち良い。相変わらずここスリランカは緑豊かだが、先程の区間とは異なりこの辺りは完全に平地で田園が多い。この区間はあまり街もなく乗降も少ないので、結構、ペースは速く、クラクションを鳴らしながら他の車両をどんどん抜いていく。
しばらくするとバスは幹線を外れ、ティッサ方面へと向かう。が、このバスはティッサのバスターミナル行きではなくカタラガマ行き。グーグルマップで私が予約してあるホテルと道を照らし合わせると、私はこのティッサのバスターミナルでは下りず、その先まで乗っていた方がホテル近くまで行けそうなので、その旨を車掌に言うと追加で50ルピー追徴されたが、全然問題無し。
大きな白い仏塔を訪問

そして、ホテルの最寄りのバス停で下りる。今夜、予約してあるのはエコー・サファリ・ティッサという中級のリゾートホテルだが、ロビーはリゾート風の雰囲気で、高い茅葺き屋根が特徴。チェックインを済ませて、小さな橋を渡るとその先にプールが見え、更にその先には広い貯水池であるティッサ・ウェワが広がっている。そして案内してもらった207号室もリゾート風でしかも広く、これでたった一泊US$35とはお得だ。この部屋、このホテルでゆっくりしたいところだが、もう17:00を過ぎているので、荷物を置いたらすぐ出掛ける事にする。

この夕方、この街で訪れたい場所は一か所。ホテルから少し南に下ると田園風景が広がっており、更にその先には白く大きな仏塔が見える。あれがこの街の名前の由来にもなっているティッサマハー・ラーマヤ・ラジャ・マハ・ビハーラ寺院。その敷地内に入りこのランドマークをぐるっとまわる。が、なんとなく落ち着かないのはこの空模様。青空だったらこの白い仏塔も映えるのだろうが、今日のこの上空は真っ黒で今に雷雨になりそう。これは時間の問題と思い、見学もそこそこにホテルに戻ろうとするとやはり大きな雨粒が落ちてきた。あと30分くらいもたないかと期待していたがタイミングが悪い。そこで持ち歩いているポンチョを着る。今回はこうやって雨に悩まされることが多いが、スリランカ南西部は雨期だから仕方ない。そして、土砂降りの中ホテル近くの貯水池ビューポイントまで急ぎ足で戻ってくると、ここに大きな木があり、ここで少し雨宿りができるのだが、その目的ではなくここに少し立ち止まる。
明日のサファリカーの手配
この街のハイライトは先程訪れた寺院くらいで正直大したことない。ただ、なぜ観光客がこの街に集まるかというとこの街の郊外にあるヤーラ国立公園へサファリに行くためである。意外にもここスリランカは野生動物の王国なのである。で、そのサファリへの参加だが事前に調べたのだが、Webで事前予約したり旅行社やホテル通して予約するより、直接現地でサファリカーのドライバーと交渉した方が安上がりらしい。
ちなみに、先程のバス中でバスターミナルの手前で一人、そしてバスターミナルからホテルへ向かう途中で一人、私の横に座ってきた人からサファリの売り込みがあった。これらが一番高いというのがわかっていたので適当にあしらっていたのだが、そこで言っていた金額が15,000ルピーという金額である。更に先程ホテルを出て寺院に向かう際にここを通った時にサファリカーのドライバーが屯しており、ここでもサファリのお誘いがあった。彼らとはじっくり話してみたいと思いつつ、この雲行きだったで、寺院に行くことを優先したのだが、今、ここに戻ってみたらもう彼らはいない。この雨だから当然か。

サファリは早朝出発なので、前日の夕方に予約できていないとなると明朝参加できないという事になり、途方に暮れてしまう。んー、どうしようかと思っていたところ、目の前に1台のサファリカーが止まった。この街中にはサファリからの戻りなのかサファリカーがよく走っているのだが、なんで私の前で止まったんだろう。もしかして私のこの思いが通じた?と思いつつ、助手席側の窓を開けてくれたので話をしようとすると、“とにかく土砂降りなので、いいから車に乗れ”と言われた。そこで助手席に乗り込み話してみる。すると、本当に見透かされたようで、"明朝のサファリカーを必要としているんだろ?"と言われた。サファリカーのチャーターは客側から見ればシェアした方が安上がりなのだが、このドライバーは明日の客はまだ一人も付いていないそうである。つまりは、チョイスとしては私が貸切るしかない。で、もう一つ複雑なのが料金体系で、サファリカーのチャーター料とは別に国立公園の入場料を払う必要があるが、"その金額は高いよ"と言われ、今日行った人のレシートを見せてくれ、それを確認するとその額は13,500ルピー強。またチャーター料も、単純にいくらではなく、時間も関係しており、朝5:00時出発というのは変わらないが、丸一日というのもあれば、お昼くらいまで、そして9:00ぐらいまでで料金が変わってくる。そこでまずは時間などの条件を整理してから値段交渉に入る。私はこのドライバーを逃せば他にチョイスがなくなるのであまり強気に交渉できず、一方の向こうも私を逃せば明日の収入はゼロになるので、お互い難しい交渉なのだが、結局、11:00までで10,000ルピーでこのサファリカーを私一人でチャーターすることにして握手。明朝5:00にホテル前に迎えに来てもらうことにして別れた。
食堂でスパイスカレーと折り紙

本来であればもう日没時間なので、ホテル近くから貯水池の方角に沈む夕日を眺めようと思っていたのだが、この土砂降りではどうしようもない。そこで、一旦、ホテルの部屋へと戻る。ただ、部屋から見えるプールも完全に雨煙の中。ここでゆっくりしていても仕方なく、明朝は5:00出発というのも確定したことだし、この雨の中だが傘を差してとっとと夕食を食べに行こう。
グーグルマップによると、このホテルからさほどは離れていない所にNew Cabanaという食堂があるようなので、そこに行く。が、まだ時間が早いからか、この天気だからなのか客は誰もいないが、まぁ、いいだろう。そして、結局、スリランカに来てなんだかんだであまりカレーを食べていないので、今晩はカレーを食べようと決めている。で、メニューを開くと、もちろんスパイスカレーが何種類もあるが同じ具材でもスリランカカレーとプレーンカレーの2種類がある。そこで"何が違うの?"と聞いたところ、前者はメインのカレー以外に副菜に数種類のカレーが付くが、後者はメインのカレーのみだとのこと。そもそもいつもスリランカの食事の量が多いので私は後者で十分と判断してエッグカレーを頼む。しかも辛さも聞いてくれたので普通でと頼む。ということは作り置きではなく作ってくれるという事。少し時間がかかるであろう。

すると、この食堂のお嬢さんが遠くからこちらを見ているので手招きしてみる。そして持っていた手帳を1ページ破って折り紙の鶴を作ってあげたところ、はにかんで奥へと引き上げていった。と思ったらどうやらこの娘のお兄ちゃんらしき子がやってきた。"君も欲しいって事?"。ただ、今回は折り紙をもってきていないし、手帳のページにも限りがあるので、"何か紙ない?"と聞くと、普段勉強で使っているノートを持ってきてくれたので、許可を得てそれの2ページ分を破り、大きめの鶴を作ってあげる。と、一つでは満足いかないようなので、もう一つ作ってあげる。となると、お嬢さんが小さいの1個だけという訳にいかないので、更にもう1個となる。結局、途中で私のカレーが来て食事中断があったが、お兄ちゃんの"Beautiful"という言葉に乗ってしまい、計6個の折り紙の鶴を作ってしまった。
で、そのカレーだが、ゆで卵が2個も入ったカレーだったが、普通の辛さでと頼んだ割には全然辛くないので、別にスパイスをもらって足すと、少し辛くなってウマくなった。ここも量が多かったが、カレーに良く入っている小さな葉っぱはさすがに残したものの、それ以外はなんとか完食。お腹いっぱいだ。

食べ終えたらまた兄弟がやって来て、"もっと作って"と言われた。そこで鶴ばかりではあまり芸がないなと思い、紙鉄砲を作ってあげる事にする。だが、作り方をもう忘れてしまったのでYouTubeで調べてなんとか完成。ただ、新聞紙ではなくA3サイズのノートで作ったので、あまり大きな音が鳴らなく、これのウケはイマイチだった。
帰りはもう雨は上がっている。明朝、晴れていることを望む。20:00過ぎに戻ってきたホテルの豪華な部屋でゆったりしたいところだが、明朝早いからそういう訳にもいかない。シャワーを浴び、すぐに洗濯して、荷物整理して、充電仕掛けていたらもう21:00を過ぎている。なぜだかこの部屋のバスルームにはフェイスタオルがないし、洗面台にコップもない、そして、トイレにペーパーもないと折角のリゾートホテルなのに残念な点はあるが、まぁ、細かいところはイイ。明日早いから、寝たらこの部屋ともお別れだし、とっとと寝なきゃと大きなベッドに横たわる。
