見出し画像

看板商品

24年間、ワイン会を続けている理由

このテキストは、**23年以上ワイン会を継続**しているワインバー経営者が、自身の活動の核となる信念を綴ったものです。著者は、店で最も価値のある商品は単なる飲食ではなく、**参加者との記憶や対話を共有するイベントそのもの**であると定義しています。運営が困難な時期も、ワインの知識を記した**独自のコラム**を配布し続けることで、顧客との深い信頼関係を築いてきました。物価高騰や体力的な課題に直面しながらも、彼は**「時間だけが味をつくる」**という哲学のもと、焦らずに関係を熟成させることの大切さを説いています。最終的に、ビジネスや人生をワインになぞらえ、**長期的な視点を持つことの重要性**を伝える内容となっています。

この文章の概要です。
気に入ったらぜひ本文も読んでくださいね ⬇️⬇️


正直に言うと、

私の店でいちばん売れているものは
ワインでも、料理でもない。

「ワイン会」だ。

もう23年目になる。

始まりは2004年。
私がまだホテルマンだった頃、
2000年ソムリエの資格を取った。
それから黎明期を経て開催。

今思えば、
勢いと若さだけで始めた。

知識を披露したかったのか、
認められたかったのか、
それともただ、
ワインが好きだったのか。

理由は、もうよく覚えていない。

ただひとつ言えるのは、
私も若かった。

独立してからも、ワイン会は続けた。


自分の店だけでなく、
さまざまなレストランを貸し切って開催した。

フレンチ、イタリアン、和食、中国料理。
料理人と打ち合わせをして、
ワインを選び、
テーマを決め、
原稿を書いた。

そう、
ワイン会には、必ずコラムがあった。

お客様は
ワインを飲みに来ているのだが、
実はその紙切れを
意外とちゃんと読んでいる。

これが、
あとになって効いてくる。

気がつけば、
開催回数は126回。

途中、
コロナで中断した時期もあった。

正直、
もう終わりかな、と思ったこともある。

店の経営は、綺麗事では続かない。


物価は上がる。
酒も上がる。
光熱費も上がる。
なのに、
値段は簡単に上げられない。

ワンオペで、
身体もきつくなってきた。

それでも、
なぜかワイン会だけは
やめなかった。

なぜなら、
ワイン会は
売上のためだけの場ではないからだ。

あの場には、
時間がある。
会話がある。
記憶が残る。

そして、
コラムが残る。

あの紙切れは、
ただの説明書ではない。

関係性の履歴だ。

今も私は、

2ヶ月に1度、ワイン会を続けている。

派手なことはしていない。
インフルエンサーでもない。
ただ、
薄く、長く、続けているだけだ。

このnoteも、
その延長線上にある。

水商売のノウハウ、
と言うと少し大げさだが、
23年続けて分かったことは、
いずれ書いていくつもりだ。

有料になる話もあるだろう。
無料で読める話もある。

それでいいと思っている。

ワインも、
商売も、
人生も、
一気飲みするものではない。

熟成には、時間がかかる。

今日も私は、
次のワイン会の原稿を考えている。

これが、
私のいちばんの看板商品だ。
次回はワイン会やお客様に郵送しているコラムを掲載してみようと思う。

👆👆 あだかつおすすめワイン 👆👆
~ バローロは「時間のワイン」だから ~
グラスの中のネッビオーロは、
すぐには心を開かない。
だが、待つ。
十年。
二十年。
そしてある日、
薔薇とタールの香りが立ち上がる。
人の関係も、
商売も、
ワイン会も同じだ。
時間だけが、味をつくる。

いいなと思ったら応援しよう!