理容師が学ぶ皮膚科学とは?毛染め連用リスクと早期発見の話
毎月欠かさずお越しになるお客様の
裾周りをクリッパーで刈り上げていたときのことです。
ふと、襟足に赤みが出ているのに気がつきました。
「痒みはありませんか?」
施術の手を止めてそっとお聞きします。
すると、
「実は時々痒くなることがあって。脇腹にも痒いところがある」
と教えてくださいました。
散髪が終わったら皮膚科へ行くつもりでいた、とも。
こういうときまず安心します。
ご本人がすでに気づいていて
専門医へ向かうつもりでいる。
それが一番大切なことです。
「どうしてこうなるんでしょう?」
と聞かれました。
一般的な話として、とお断りしながら
お伝えしたのは二つのことです。
一つは、毛染めを長く使い続けることで
地肌への影響が出る場合があること。
染料の成分が繰り返し肌に触れると
じわじわと反応が蓄積されることが稀にあります。
もう一つは、体の疲れやストレスが
皮膚に出ることも珍しくない、ということ。
肌は正直で、体の内側の状態をよく表します。
ただし、理容師が伝えられるのはここまでです。
原因の特定も診断も治療も皮膚科医の仕事です。
「なるべく早く受診してください」
とお伝えするのが理容師としてできる最善です。
理美容師の養成学校では皮膚科学の授業があります。
皮膚の構造と機能、毛髪の知識、皮膚トラブルや疾患の種類、衛生とケアの考え方。
健康で安全な施術を提供するための基礎として必ず学ぶ分野です。
シェービングという施術がある以上肌に刃を当てます。
だからこそ肌の観察には自然と敏感になります。
「いつもと違う」を見逃せない職業です。
当店では、ヘアケアとスキンケア全般を専門的に学ぶ
カリキュラムを修了した「全理連ヘア・カウンセラー」の資格も取得しています。」
身内にアトピー性皮膚炎がある影響もあって
肌への関心は人一倍あるほうだと思っています。
皮膚の異常に気がつくことは理容師にもできます。
毛染めによるかぶれが疑われるときは
すぐに受診を勧めるようにしています。
早く受診するほど対処がしやすいのは確かです。
理容師と皮膚科医は職域がまったく異なります。
その境界線をはっきり理解しているからこそ
「早く診察に行ってください」と迷いなく言えます。
曖昧に抱え込むよりそのほうがお客様のためになる。
27年間の仕事の中でそう確信してきました。
施術中、お客様の頭皮や肌を観察するのは
習慣というより反射に近いものです。
頭皮の乾燥、フケの様子、色の変化、ふくらみ。
意識していなくても目に入ります。
異常を感じたらお客様に確認する。
それだけのことですが、毎月通っているからこそ気づける変化があります。
今日のお客様は、皮膚科へ向かったと思います。
娘さんが予約を取ってくれたから。
気になっていたことを相談しやすい関係性。
理容椅子に座る時間は髪を整えるだけの時間ではありません。
体の変化に、誰かが目を向けてくれる時間でもあります。
次の来店で経過を聞いてみようと思います。
技術だけでなく、理容師としての本音も書いています。
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守り神こんぺーが見守る理容白石の、小さくてあたたかい物語をお届けしています。サポートはこんぺーの幸運のコンペイトウに変わって、またあなたのもとへ戻っていきます