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知るメモ|【「携帯電話」の通信料】|スマホがないと生活の質が落ちる時代!~ドコモの値上げ、日本の通信量は安いのか高いのか?

もうスマートフォンのない生活は想像もできない。
電車の中でルートを調べる。
カフェでキャッシュレス払いをする。
急な予定変更もLINEですぐ共有。
天気を見て、ニュースを読んで、Netflixで映画を観て、ふとした疑問をAIに聞く・・・

スマホは「あったら便利なもの」から、完全に「ないと困るインフラ」になっています。
電気・ガス・水道と並ぶ、第四のライフラインと言っても過言ではないでしょう。

そんな現代において、毎月どのくらいの「維持費」を支払っているかをちゃんと把握していますでしょうか?
実はいま、その金額が静かに、しかし確実に上がろうとしている。

NTTドコモが、またもや「値上げ」を示唆しているのだ。

2025年6月にすでに月額1,000円超の値上げが行われた新プラン「ドコモMAX」が導入されたばかりというのに、2026年5月の2025年度決算発表会見では、前田義晃社長が「コスト上昇などを背景に、旧料金プランを含めた料金体系全体で見直す必要がある」と踏み込んだ発言をした。
ahamoを含む全プランが値上げ検討の射程に入っている、ということだ。

「また値上げ?」と感じる人も多いはず。
でも一方で、「実はそれでもまだ日本は安い方なんじゃないの?」という声もある。
今回は、そのモヤモヤをデータで丁寧に整理してみたいと思います。


◆ドコモ値上げの経緯を整理する

菅政権の「強制値下げ」から始まった物語

時計を少し巻き戻しましょう。
2021年、菅義偉元首相の旗振りのもと、日本の携帯電話料金は「官製値下げ」と呼ばれる大幅な引き下げを経験した。
ドコモ、au、ソフトバンクの三大キャリアは相次いでオンライン専用の格安プランを投入。
ahamoが月2,970円(30GB・5分かけ放題)で登場し、業界全体が値下げ競争に突入しました。

しかし「安くしろ」という政治圧力は、4年ほどで転換点を迎える。

物価上昇、インフラ維持コストの高騰、5G/6Gへの投資負担、そして政府が求める賃上げ対応。
これだけの要因が重なれば、いつまでも値下げ水準を維持できるわけがない。

2025年〜2026年の動き

  • 2025年6月
    NTTドコモが新料金プラン「ドコモMAX」「ドコモmini」を導入。
    「ドコモMAX」は月額8,448円(税込)と、旧プラン「eximo」の7,315円から1,000円以上の値上げとなった。
    ドコモは「DAZNが無料で使える」など付加価値を強調したが、ユーザーからは「実質値上げ」との声が続出。

  • 2025年6月(同時期)
    KDDIも新プランで値上げ。
    ソフトバンクも同年9月にサブブランドのワイモバイルで新プランを導入し、業界全体が「値上げラッシュ」の様相に。

  • 2025年7月:home 5Gの月額料金が4,950円→5,280円に改定。

  • 2026年5月
    ドコモの前田社長が2025年度決算会見で、ahamo含む全プランの価格見直しの可能性を明言。
    ARPU(1ユーザーあたりの平均売上金額)を中期的に月額4,100円超に引き上げる目標を掲げる。

ここで重要なのは、ドコモが単なる「値上げ」を目指しているのではなく、大容量プランへの移行促進という戦略をとっている点です。
多くのデータを使う人ほど単価の高いプランを使ってもらい、通信以外のサービス(動画・ポイント・保険など)も一緒に使ってもらうことで、1契約あたりの収益(ARPU)を高めようとしている。

消費者から見れば「値上げ」でも、企業から見れば「付加価値戦略へのシフト」というわけです。


◆日本の通信料金、実際のところはどうなのか?

主要プラン比較表(30GB+通話料込み)

現在の日本のプランを整理してみます。
今回の比較基準は「30GB前後のデータ量+通話定額込み」という条件。
現在の日本の平均的なスマホユーザーが必要とするラインを想定しています。

  • キャリア/プランデータ:容量 月額料金(税込)

  • ドコモMAX:無制限(大容量) 約8,448円
    通話5分間+880円、かけ放題+1,980円、DAZNつき

  • ahamo:30GB 2,970円
    5分かけ放題、無制限通話は+1,100円

  • au povo2.0:30GB(サブスク) 2,780円
    別途トッピング型

  • LINEMO ベストプランV:30GB 2,970円
    5分かけ放題。LINEギガフリー

  • 楽天モバイル(最強プラン):3GBまで1078円〜無制限3,278円
    Rakuten Linkアプリによる通話はかけ放題。20GBまで2,068円

  • UQ mobile コミコミプランバリュー:35GB 3,828円〜
    10分かけ放題付

  • ワイモバイル Mプラン:30GB 4,158円(6月2日以降4,378円)
    10分かけ放題+880円

  • IIJmio:25GB 2000円、35GB 2400円
    通話定額5分+500円

  • mineo(マイぴた):30GB 約2,178円
    パケット放題3Mbpsなら無制限。通話10分かけ放題+550円

ポイントまとめ:

  • 最もコスパが高いのは楽天モバイル。無制限の通信、通話込みで月3,278円はかなり破格。

  • ahamo・LINEMOは30GB+5分かけ放題で横並びの2,970円。大手系で安く使いたいならここ。

  • ドコモMAXは付加価値サービスを含む「プレミアム路線」。シンプルに使いたい人には割高。

  • MVNOはさらに安いが、品質・サポートとのトレードオフを理解した上での選択が必要。


◆世界と比べるとどうなのか?深掘り国際比較

ここからが本題。
「日本の通信料金は高いのか、安いのか?」を世界規模で検証してみよう。

比較の前提と難しさ

国際比較には注意が必要だ。

  • 各国で「通話込み」「データのみ」「制限あり・なし」など、プランの中身が違う

  • 購買力平価(PPP)換算と為替換算でまったく印象が変わる

  • 国の面積・人口密度・インフラ整備コストが違う

  • 「安い」プランと「一般的に使われているプラン」は別物

ここでは、日本円換算での月額料金を、30GB+通話定額込みに相当するプランを軸に比較します。
数値はあくまで参考目安であり、為替変動・選択プランによって幅があることをご了承ください。

世界各国の通信料金比較(30GB相当+通話込み・月額)

  • 国代表:キャリア例 月額(現地):円換算目安 特徴

  • 日本(ahamo):NTTドコモ(2,970円):2,970円
    5分かけ放題込み・最安クラス

  • 日本(大手プラン):ドコモMAX(8,448円):8,448円
    付加価値込みのプレミアム

  • アメリカ:T-Mobile/Verizon(約$60〜$80):約9,000〜12,000円
    30GB以上は無制限プランが主流。割高、広大なインフラコスト

  • イギリス:EE/O2(約£25〜£35):約5,000〜7,000円
    中程度。競争あり

  • フランス:Orange/Free Mobile(約€15〜€25):約2,500〜4,000円
    Freeの激安プランで市場全体が安い傾向

  • イタリア:Iliad/WindTre/Fastweb(約€8〜€25):約1,300〜4,000円
    Iliadの破壊的低価格が牽引。200GB超+通話無制限が€10前後という驚異的コスパ

  • ドイツ:Telekom/Vodafone(約€25〜€40約):4,000〜6,500円
    欧州ではやや高め

  • 韓国:SKT/KT/LGU+(約50,000〜70,000ウォン):約5,500〜7,700円
    5G品質は世界最高水準。インフラ充実

  • 中国:China Mobile(約100〜150元):約2,100〜3,200円
    圧倒的な格安。国有企業優位

  • インド:Jio/Airtel(約300〜600ルピー):約500〜1,000円
    世界最安クラス。ただしサービス品質に差

  • シンガポール:Singtel/StarHub(約S$30〜S$45):約3,300〜5,000円
    先進国の中では比較的安め

  • オーストラリア:Telstra/Optus(約A$45〜A$60):約4,500〜6,000円
    国土広く料金高め

  • スウェーデン:Telia/Tele2(約SEK300〜400)約4,000〜5,500円
    北欧は全体的に高め

  • イスラエル:Cellcom/Partner(約100〜150シェケル):約4,000〜6,000円
    データは世界最安クラスも、通話込みでは中程度


グラフで見るポジション:日本はどこに立つか

世界的に見て、インドや中国のような新興国市場・国策的な低廉化が進んだ市場と比べると、日本は確かに高い。
しかし先進国同士で比べると話は変わる。

先進国グループの中では、日本は「中位〜やや安め」というのが正直なところでしょう。

アメリカ:圧倒的な割高感
アメリカでは30GBを単独で買おうとすると、月額60〜80ドル(約9,000〜12,000円)が一般的。
30GBを超えると無制限プランになるものが多い。
通信エリアは広大な国土をカバーしてはいるが、農村部で通信品質には課題も残る。
アメリカと比べると安い。

フランス:格安プランが業界全体を下げた
フランスでは「Free Mobile」という激安MVNOが市場参入し、大手キャリアの価格破壊を引き起こした。
現在は月額15〜25ユーロ程度(2,500〜4,000円)で30GB以上が利用できるプランも珍しくない。これは日本と同等か内容によっては安い水準。
日本は山がちで人口密度の格差が大きい国。
山間部・離島まで5Gをカバーしようとすると、当然コストが膨らむ。
フランスは人口が集中していて、インフラコストが相対的に安くなりやすい条件がある。

韓国:5G先進国なのに結構お高め
世界最高水準の5G整備で知られる韓国だが、月額料金はけっして安くない。
主要三キャリアの30GBクラスで5,000〜7,000円台が一般的。
通信品質の高さに見合った価格とは言える。
ICT総研の調査によれば、5Gダウンロード速度は韓国が433Mbpsでダントツのトップ。日本は157Mbpsで3位。

中国:国有企業が支える圧倒的な安さ
中国は国有通信企業の影響で、料金が徹底的に抑えられている。
30GBクラスで月2,000〜3,200円程度。
ただしサービスの性質(政府管理下のネット環境)や品質が日本とは根本的に異なる点は考慮する必要はある。

イタリア:「Iliadショック」が生んだ欧州最安クラスの市場
イタリアの通信料金は、実は今や欧州の中でも飛び抜けて安い部類に入る。
その立役者はフランス発の格安キャリア「Iliad(イリアッド)」だ。
2018年のイタリア市場参入以来、Iliadは200GB超のデータ+国内通話・SMS無制限を月額わずか約10ユーロ(約1,700円)以下で提供し、市場全体の価格破壊を引き起こした。
現在もIliadは月額7.99〜11.99ユーロで150〜250GBという驚異的なコスパを維持しており、これはフランスの「Free Mobile旋風」と全く同じ構図。
WindTreやFastweb・TIMなど他のキャリアも価格競争を強いられた結果、30GB前後のプランなら月額10〜25ユーロ(約1,700〜4,000円)という水準に落ち着いている。
ただしイタリアの通信品質は日本より劣る面があり、世界ランキング48位前後(Speedtest社調べ)で、農村部や旧市街の厚い石壁の建物内では電波が入りにくいケースも珍しくない。
安さだけで見れば日本と互角以上だが、インフラの成熟度という観点では差がある。

インド:購買力平価で見ると印象が変わる
数字だけ見れば、インドの通信料金は世界最安クラスです。
Jioのポストペイドプランは30GB+通話無制限で月額約349ルピー、日本円に換算するとわずか約580円。
しかし、インドの一人当たり国民純所得は、2023〜24年度で約18万8,892ルピー(年額)。月換算にすると約15,700ルピー、日本円で約26,000円ほどでう。
さらに、インドの所得格差は日本の比ではなく、地方では月収1万〜2万ルピー(約1万6,000〜3万3,000円)程度で生計を立てている人々が今も大勢いる。
この層にとって、月349ルピーの通信費は「月収の約2〜3%」にあたる。
日本人がahamoの月2,970円を払う場合、平均月収(約36万円)に対する割合は約0.8%からすると負担感は大きい。
インド最大手のJioが999ルピー(約1,650円)の格安スマホ「Jio Phone」を展開したりして、国民のデジタル普及を進めてはいる。

余談として、インドの都市部・IT系ホワイトカラー層の平均月収は20万〜40万ルピー(約33万〜66万円)にも達する。
この層にとって月349ルピーは「コーヒー1杯分以下」の感覚だろう・・


◆ドコモ値上げは「正当」なのか?

【値上げ賛成側の論拠】

  1. インフラ投資が必要
    5G展開、6G研究、サイバーセキュリティ、災害時の回線確保など、インフラへの投資は増加する一方です。
    値下げ圧力が続けば、品質の維持が難しくなる。

  2. 賃上げ対応
    政府が「賃上げ」を企業に求めている中、通信会社だけが人件費を据え置くわけにはいかない。

  3. 物価上昇との整合性
    食料品も電気も電車賃も値上がりする中で、通信料だけが下がり続けること自体が不自然とも言える。

  4. 国際比較でも安値圏
    先進国の中では、日本の通信料金はすでに安い方であり、もう少し高くても許容範囲という見方も成り立つ。

【値上げ批判側の論拠】

  1. 官製値下げから日が浅い
    菅政権による値下げからまだ5年も経っていない。
    消費者に慣れる間もなく値戻しという不信感は当然だ。

  2. 付加価値の強制感
    「DAZN等が無料でついてくる」と言われても、使いたくない人には余計な値上げでしかない。サービスを選べない構造は問題。

  3. ahamoまで値上げは過剰
    オンライン専用プランは人件費・店舗コストを削っているはず。
    それまで値上げするのは理由として弱い。

  4. 収益性はすでに改善傾向
    ドコモの2025年度決算は順調で、赤字だから値上げという緊急性には乏しい。

大手キャリアの「プレミアムプラン」が値上がりすること自体は、一定の合理性がある。
ただし、ahamoのようなオンライン専用プランまで値上げするとなれば、消費者への影響は広く深い。
特に低・中所得層のユーザーにとって、通信費の値上がりは生活への直撃でしょう。
「値上げするなら、通信品質との整合性や、無駄を省いた格安プランの選択肢はしっかり残せ」それが消費者の最低限の要望ではないでしょうか。


◆まとめ

毎月払い続けているのに、なんとなく放置してしまいがちな通信費。
でも年間で計算すると、大手キャリアのプレミアムプランとMVNOの差は、年間5〜8万円になることもあります。

世界と比べると、日本の通信料金は先進国の中では「中位〜安め」の水準にある。ただしそれは今後の値上げが進めば優位性は失われていく。

ドコモの新たな値上げ示唆は、スマホ料金を見直す良い機会だとポジティブに捉え、なんとなく使い続けているプランを今一度チェックしてみてください。
生活に欠かせないインフラだからこそ、賢く、お得に使いましょう!


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