壁が立ち一人称が過去になる/小野寺里穂
シリーズ・現代川柳と短文NEO/549
立つ壁といえば『ゲゲゲの鬼太郎』のぬりかべだ。世代によって設定にさまざまなバリエーションがあるようだが、すくなくともわたしの記憶では一人称は「オデ」だったと思う。むろんわたしのように150歳を超えるとあらゆる記憶がおぼろげだから自信はない。まったく年は取りたくないものだ。他方、一反もめんの一人称は鹿児島弁の「おいどん」だったとはっきり言えるのは、わたしが鹿児島県出身だからだ。一反もめんって鹿児島の妖怪なのか、と思った。その通り鹿児島県が発祥らしいが、そのわりに語尾は「~ばい」と博多弁が丸出しなのは、第3期と第5期で一反もめんを演じた福岡県育ちの声優である八奈見乗児のアドリブから生まれたものだったとか。声優の話題で外せないのは、これまで数多く鬼太郎を演じてきた野沢雅子が2018年から目玉おやじを演じているという趣向だ。なにせ息の長いシリーズだからぜひ声優のちがいも楽しんでいただきたい。ちなみに先日まで放送されていた過去放送のセレクション番組『わたしの愛した歴代ゲゲゲ』では主題歌「ゲゲゲの鬼太郎」をAdoが歌っており、おどろおどろしい歌い方がたいへんよかった。
【きょうの現代川柳】
壁が立ち一人称が過去になる
/小野寺里穂
【▼出典】
