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あの先生になりたくて#9クラス初日

ーー15年後ーー
あれからどんな道を歩いても、私の心の中にはいつもあの先生がいた。
夢は一度も揺らがなかった。
私は、あの先生のようになる――。

#9 クラスで過ごす1日目

朝、「先生おはようございます!」と、自分のクラスの子どもたちが次々に登園してくる。
その姿がとにかく可愛い。

(よーし!子どもたちと1日でも早く仲良くなるために、今日はたくさん一緒に遊ぶぞー!)

そんなふうに思っていた。

けれど、子どもたちから連絡ノートを受け取ると、
「これから1年間よろしくお願いします」
という保護者の方の言葉が目に飛び込んできた。

一気に、身が引き締まる。

入園式で答えられなかった質問の返事を連絡ノートに書いたり、
「今日は帰りのバスを使いません」
「朝あまり元気がなくて心配です」
といった連絡ノートのコメントに目を通したり。
懇談会の質問や持ち物についての質問もある。
遊んでいる子どもたちの様子を見ながら、
登園してくる子どもたちともかかわりながら、
必死に連絡ノートに返事を書く。

「バスを使わない子は……えーと、どのバスの何コース目だっけ!?」
自分のノートを確認する。
(あ、ペンギンバスの2コース目だ!)

バスの名簿から名前を消す。
さらに、その日の自分のクラスの預かり保育利用の子を職員室に知らせる。

朝の私は、余裕なんてまったくなくて、
軽いパニック状態だった。

全員が登園すると、
歌を歌って、挨拶をして、自己紹介などをして過ごした。

緊張はあったけれど、
子どもたちと過ごす時間はとても楽しくて、
気づけばあっという間に帰りの時間になっていた。

クラスで「さようなら」をした後は、
それぞれの持ち場へ移動する。

2コース目、3コース目のバスを待つために部屋に残る子どもを見る先生。
お迎えの子どもを保護者に引き渡す先生。
こどもたちをバスに乗せる先生。
バスに乗る先生。

そして、私はまた壁にぶつかる。

お迎えコースを担当したものの、
自分のクラスの子どもはなんとなく分かっても、
他のクラス、他学年、約150人の顔と名前がまったく一致しない。

お迎えに来たお母さんが、
「誰のお母さんなのか」も分からない。

先輩たちは、遠くにいるお母さんに気づいた瞬間、
さっと子どもを準備して、
スムーズに引き渡している。

すごい.....。

私はというと、
お母さんに「クラスとお名前をお願いします。」と聞き、
子どもの名札を見て、必死に探す。

仕方のないことだと分かっていても、
なんだか自分が情けなく感じた。

やっと子どもたちが帰り、
職員室へ。

先生たちへのお茶出しは新人の仕事だった。
静かにお茶を入れて配り、
その週の製作の準備をして、
保育日誌を書く。

気づけば、とっくに夜7時をまわっている。

明日も早い。もう帰ろう。

こうして、私の「先生」としての一日目は
怒涛のように終わったのでした。

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