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17. なんでしなないの?

年長クラスを初めて担任した年だった。

毎年、年長クラスの子どもたちが、近くの老人ホームへ行き、交流するイベントがあり、緊張の中私も初めて、子どもたちと共に訪問した。
歌をうたって、園で作った折り紙のメダルをプレゼントさせていただいた。
施設の方々はみんな明るくて、おじいさん、おばあさんもとても優しく笑顔が絶えない温かい空気だった。

職員の方が、
「この方はもうすぐ100歳で、とても元気なんですよ」
と素敵なおばあさん紹介してくれた。
そして、少し余った時間で子どもたちからの質問の時間を作ってくださいました。

「質問ある人ー?」
「はーい!好きな食べ物何ですか?」
「好きなおかしを教えてください!」
子どもたちは、思い思いの質問をしていた。

その時、ひとりの男の子が手を挙げて、
真剣な顔で言った。


「なんで、しなないの?」



え??

私は凍りついた。
驚きすぎて何を言えばいいのか、言葉が出ない。
私が出ていき謝る?フォローする?
色々な事が頭を駆け巡り正解を見つけられない・・・・

すると
「わぁ〜ははは.......‼︎
まだね、お空に呼ばれてないんだよ」
その方は笑いながら答えた。

すると質問をした子も
「そうなんだ〜!すごいね!」と

他の子どもたちも納得した顔をして、
凍りつく私を置いて
普通にまた次の質問へと戻っていったのだった。

___________
その子は、長寿の方がもうすぐ100歳だと聞いて、
「え、そんなに生きられるの?」
という驚き以上のものを抱えたのだと思う。
疑問に感じた素直な質問だったのだと思う。

「長生きする人がいる」という出会いの事実が、
子どもたちの新たな経験値となったと思う。

子どもは、時々、
大人が避けたがる問いを、
まっすぐ投げてくる。

そこに悪意はなくて、
ただ世界を理解しようとしているだけ。

そして、その問いに
笑いで返してくれた長寿の方が、
その場の空気を明るく守ってくれた。
感謝しかないです。
あの日の私は凍りつくだけだったが、
あの問いと、あの笑い声は、
「生きる」「老いる」「死ぬ」ということを
子どもたちが初めて実感した、
大切な出会いの時間だったのだと思う。

✨次回は"年少さんの超能力のお話"です🌱↓

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