静岡大学情報学部 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
30秒でまとめると…
情報技術と人・社会をつなぎ、未来をデザインする情報の総合学部
学べる分野
静岡大学情報学部では、「情報科学」「情報社会」「行動情報」の3つの分野から情報を多角的に学びます。
AIやプログラミング、データサイエンスといった情報技術だけでなく、心理学、社会学、経済学、経営学なども取り入れ、「人と情報」「社会と情報」の関係まで学べることが大きな特徴です。
技術だけでは解決できない課題を、情報を活用して解決する力を育てます。
注目の特徴
静岡大学情報学部は、国立大学で初めて設置された情報学部として長い歴史を持ち、情報分野の教育・研究をリードしてきました。
情報科学科・情報社会学科・行動情報学科の3学科が連携し、AIやデータ分析だけでなく、情報倫理やメディア、マーケティング、人間行動の分析まで幅広く学べます。
浜松キャンパスでは地域企業との共同研究や実践的な学びも盛んです。
身につく力
AI・プログラミング・データ分析などの情報活用力
統計や数理的な考え方を使った課題分析力
情報を社会課題の解決へ生かす企画・提案力
プレゼンテーションやチームで協働するコミュニケーション力
情報倫理や情報社会への理解
これらの力はIT企業だけでなく、メーカー、金融、行政、コンサルティング、マーケティングなど幅広い業界で評価されており、情報を武器に多様な進路を目指せます。
元「中の人」のチェックポイント
「情報学部」と聞くとプログラミングだけを学ぶイメージを持つ人が多いですが、静岡大学情報学部はそれだけではない。
学べる分野では情報技術と社会科学を融合して学び、注目の特徴である3学科それぞれの専門性を生かしながら幅広い視点を身につけられる。
そして身につく力はITスキルだけでなく、課題発見力や提案力まで含まれるため、「情報を使って社会に貢献したい」という人に特に向いている学部。
2. この学部に向いている人
この学部に向いている人の概要
静岡大学情報学部は、コンピュータやAIに興味がある人だけでなく、「情報を使って社会をより良くしたい」と考える人に向いている学部です。
情報技術と人・社会の両方を学ぶため、文系・理系どちらの視点も大切にしながら、新しい価値を生み出したい人にぴったりの環境です。
「情報で未来を変えたい」という人
こんな人におすすめ
AIやプログラミングに興味がある
データを活用して社会課題を解決したい
新しい技術を学ぶことが好き
情報学部では、技術そのものを学ぶだけでなく、「その技術を社会でどう生かすか」を考える力も養います。
IT企業や研究職だけでなく、あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む今、情報を活用できる人材の活躍の場は広がっています。
「人や社会のしくみ」に興味がある人
こんな人におすすめ
SNSやインターネットが社会に与える影響を知りたい
心理学や社会学にも興味がある
情報と人との関係を学びたい
情報社会学科や行動情報学科では、人の行動や社会の仕組みを情報という視点から学びます。
情報技術だけでは解決できない課題に取り組めるため、公務員や民間企業、シンクタンクなど幅広い分野で活躍できる素養が身につきます。
「数字やデータから答えを見つけたい」人
こんな人におすすめ
数学や統計に興味がある
データ分析が面白そうだと思う
根拠をもとに考えることが好き
データサイエンスは今後ますます重要になる分野です。
情報学部では、統計やAIを活用して課題を分析し、解決策を考える力を養います。
メーカーや金融、マーケティング、行政など、多くの業界で求められる実践的な力になります。
「チームで新しいものを生み出したい」人
こんな人におすすめ
グループ活動が苦にならない
人の意見を聞きながら考えることが好き
アイデアを形にすることに興味がある
情報システムは一人ではなく、多くの人と協力して作り上げます。
静岡大学情報学部でも演習やプロジェクト型学習が行われ、コミュニケーション力や企画力を磨く機会があります。
技術と人をつなぐ役割を担える人材は、どの業界でも高く評価されます。
「一つの分野に縛られず幅広く学びたい」人
こんな人におすすめ
文系・理系のどちらにも興味がある
将来やりたい仕事を大学で見つけたい
幅広い知識を身につけたい
静岡大学情報学部は、AI、プログラミング、心理学、経済学、社会学などを横断的に学べる全国でも特色ある学部です。
将来の選択肢を広げながら、自分に合った専門分野を見つけられることも大きな魅力です。
逆に向いていないかもしれない人
次のような考え方なら、別の学部を検討した方がいいかもしれません。
「プログラミングだけ学べれば十分」と考えている人
たとえばこんな人
プログラミングだけを勉強したい
社会科学や心理学には興味がない
幅広く学ぶことに魅力を感じない
静岡大学情報学部は、情報技術だけを学ぶ学部ではありません。
社会や人との関わりも重視するため、「技術だけを極めたい」という人は、より専門性の高い情報工学系学部の方が合う場合もあります。
「新しいことを学ぶのが苦手」な人
たとえばこんな人
数学や情報をできるだけ避けたい
データや論理的に考えることが苦手
変化の速い分野にはあまり興味がない
情報分野は技術の進歩が非常に速く、大学卒業後も学び続ける姿勢が求められます。
最初から高い知識は必要ありませんが、新しいことを吸収しようとする意欲がある人ほど、この学部で大きく成長できます。
元「中の人」のチェックポイント
情報学部で評価されるのは、「プログラミング経験がある人」ではなく、「情報を使って何かを良くしたい」という好奇心を持つ人。
高校時代に専門知識がなくても、探究活動や情報Ⅰ、部活動などで課題を見つけて工夫した経験は大きな強みに。
「文系だから」「理系だから」と決めつけず、情報を通して社会に貢献したい気持ちがあるなら、ぜひ挑戦してほしい学部。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー
静岡大学情報学部が求めているのは、次のような人です。
情報学(AI・データ・情報社会など)に興味がある人
情報を使って地域や社会に貢献したい人
文系・理系の枠を超えて幅広く学びたい人
論理的に考え、課題を解決しようとする人
高校で身につけた基礎学力を大学でさらに伸ばしたい人
例えば、
「情報Ⅰの授業が面白かった」
「探究活動で地域の課題を調べた」
「データを使って考えることが好き」
といった経験は、この学部での学びにつながります。
プログラミング経験がなくても、知的好奇心と主体的に学ぶ姿勢があれば十分です。
静岡大学情報学部は、情報技術を社会のために活用できる人材を育てることを目指しています。
カリキュラムポリシー
カリキュラムは、「文工融合」の考え方を軸に段階的に学べるよう構成されています。
まずは全学共通科目と学部共通科目で情報学の基礎を身につけ、その後は各学科の専門科目へ進みます。
講義だけでなく、演習・実験・グループワーク・フィールドワーク・卒業研究まで実践的な学びが用意されているため、大学から専門知識を身につけたい人でも安心です。
一歩ずつ学びを深めながら、自分の専門性を育てられる教育課程になっています。
ディプロマポリシー
卒業までに身につける力として、次のような能力が示されています。
情報科学・行動情報学・情報社会学の専門知識
情報倫理と幅広い教養
論理的に課題を発見・分析する力
解決策を考え、実行する実践力
地域や国際社会で活躍できるコミュニケーション力
社会では、「知識がある人」よりも、「知識を使って課題を解決できる人」が求められています。
静岡大学情報学部は、専門知識だけでなく、実践力や協働する力まで身につけることを卒業時の目標としています。
カリキュラムの特徴
1年次
情報学の基礎や教養科目を学び、「情報とは何か」を幅広く理解します。
2年次
以降は情報科学科・情報社会学科・行動情報学科それぞれの専門分野を深く学び、演習や実験も増えていきます。
3年次
専門性をさらに高めながら研究テーマを考えていきます。
4年次
卒業研究に取り組みます。
基礎から専門へと段階的に成長できるため、情報分野を初めて学ぶ人でも無理なく力を伸ばせます。
PBL・実習
演習やグループワークでは、実際の社会課題をテーマに解決策を考える機会があります。
地域や企業と連携した取り組みや、チームでシステムやサービスを企画・開発する学びも特徴です。
高校の探究活動をさらに専門的・実践的に発展させたようなイメージで、知識を「使える力」に変えていきます。
特色ある授業
静岡大学情報学部最大の特色は、「文工融合」の教育です。
情報科学科ではAIやプログラミング、情報社会学科ではメディアや情報倫理、行動情報学科ではデータサイエンスや人間行動の分析など、それぞれ異なる専門分野を学びながら、他学科の授業も履修できます。
専門分野を横断して学べるため、「技術に強いだけ」「文系に強いだけ」ではなく、社会の課題を多面的に考えられる人材へ成長できます。
このような柔軟な視点は、IT企業だけでなく、メーカー、金融、行政、コンサルティングなど幅広い業界で大きな強みになります。
元「中の人」のチェックポイント
1年次から専門知識だけ詰め込むのではなく、基礎を固めながら徐々に専門性を高め、演習やPBL、卒業研究を通して実践力を身につけられる仕組み。
大学が求めているのは、すでに高度なプログラミング技術を持つ人ではなく、「情報で社会を良くしたい」という知的好奇心を持つ人。
その気持ちがあるなら、高校時代の経験を生かしながら、カリキュラムの「幅広さ」を不安ではなく強みとして大きく成長できる学部だといえる。
4. 研究
主な研究分野
静岡大学情報学部では、次のような研究が行われています。
AI・コンピュータサイエンス
情報科学科では、AIや機械学習、画像処理、自然言語処理、ソフトウェア開発など、情報技術の中核となる研究を行っています。
研究例
人工知能(AI)のアルゴリズム開発
画像認識・映像解析
音声認識・自然言語処理
情報セキュリティ
コンピュータネットワーク
情報技術の「つくる側」を目指したい人に最適な研究分野です。
データサイエンス・行動分析
行動情報学科では、統計学やAIを活用し、人の行動や社会現象をデータから分析します。
「なぜその行動が起こるのか」を科学的に解き明かすことが特徴です。
研究例
消費者行動の分析
SNSデータの解析
スポーツデータ分析
医療・健康データ解析
マーケティング分析
データを使って社会を読み解く力を身につけられる研究分野です。
情報社会・メディア研究
情報社会学科では、情報技術が社会や文化、人々の生活に与える影響を研究します。
技術だけではなく、法律や倫理、メディアとの関わりまで幅広く学べます。
研究例
SNSとコミュニケーション
情報倫理・情報法
デジタルメディア
ジャーナリズム
地域情報化
情報と社会の関係を多角的に考える力が養われます。
人間中心の情報システム
「人が使いやすい情報システム」をテーマに、人間の心理や認知特性を取り入れた研究も盛んです。
技術だけでなく、利用者の立場から考える視点を重視しています。
研究例
ユーザーインターフェース設計
ユーザー体験(UX)
ヒューマンコンピュータインタラクション
認知科学
教育支援システム
技術と人をつなぐ研究に興味がある人におすすめです。
地域・企業との共同研究
浜松地域の企業や自治体と連携し、実際の社会課題を研究テーマにするプロジェクトも多く行われています。
研究成果が地域社会で活用されることも特徴です。
研究例
地域DXの推進
スマートシティ
防災情報システム
地域交通データ分析
企業との共同システム開発
大学で学んだ知識を実社会で生かせる研究環境が整っています。
卒業研究テーマ
情報学部では研究室ごとに卒業研究へ取り組みます。
年度によってテーマは変わりますが、次のような研究が行われています。
AIを活用した画像認識システムの開発
SNSデータを用いた消費者行動分析
災害時に役立つ情報共有システムの設計
教育現場におけるICT活用の研究
人工知能による文章生成・自然言語処理
高齢者が利用しやすいアプリケーションの開発
地域活性化に向けたデータ分析
Webサービスのユーザー体験(UX)の改善
技術開発だけでなく、人・社会・地域をテーマにした研究が多いことが静岡大学情報学部の特徴です。
静岡大学情報学部だからできる研究
静岡大学情報学部では、「文工融合」の教育を生かし、AIやプログラミングだけでなく、心理学・社会学・経済学などの視点も取り入れた研究ができます。
さらに浜松キャンパスという立地を生かし、地域企業や自治体との共同研究に参加できる機会が多いことも大きな魅力です。
研究成果が実際の社会で活用される経験は、静岡大学情報学部ならではといえるでしょう。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学情報学部ではAIやデータ分析などの専門知識を使って、より深く社会課題に挑戦している。
研究テーマを見ると、「便利なアプリを作る」「地域を元気にする」「人が使いやすいシステムを考える」など、あなたにもきっと身近な内容がたくさんある。
興味のあるテーマが一つでも見つかれば、それが学部選びの大きなきっかけになるはず。
5. 学生生活
男女比
情報学部の学生数は男性750人(72.0%)、女性292人(28.0%)です。
情報系学部は全国的に男性の割合が高い傾向があります。
ただ、静岡大学情報学部は情報社会学科・行動情報学科を設置していることもあり、工学系学部ほど極端な男女比ではありません。
文理融合の学びを反映した、比較的多様な学生構成といえます。
出身地
2025年度入学者の出身高校所在地は、
①愛知県71人(約29%)
②静岡県70人(約29%)
③岐阜県13人(約5%)
④三重県8人(約3%)
⑤長野県7人(約3%)
が上位です。
東海地方を中心に全国から学生が集まっていますが、愛知・静岡の割合が高く、中部圏を中心とした広域地元型の学部といえるでしょう。
留学制度
静岡大学では、交換留学や短期海外研修、語学研修など、多様な海外プログラムを利用できます。
情報学部の学生も大学全体の制度を活用し、海外協定校で専門分野や語学を学ぶことができます。
また、情報学部では国際会議への参加や海外大学との研究交流も活発です。
情報技術は世界共通の学問であるため、英語で専門知識を学ぶ機会や海外研究者と交流する機会も多く、国際的な視野を広げたい学生に適した環境です。
提携大学
静岡大学はアジア、北米、ヨーロッパ、オセアニアなど世界各地の大学と学術交流協定を結んでいます。
交換留学では、専門科目の履修や語学学習、異文化交流などが可能です。
情報学部の学生も、自分の専門分野を海外で学びながら、国際的な情報技術や研究動向に触れることができます。
留学支援
留学希望者には、国際交流センターによる相談、語学学習支援、留学説明会、奨学金情報の提供など、大学全体でサポート体制が整えられています。
留学前後の履修相談も受けられるため、「留学すると卒業が遅れるのでは」という不安を軽減しながら挑戦できる環境です。
地域連携
浜松キャンパスという立地を生かし、地域企業や自治体と連携したプロジェクトが数多く行われています。
PBLや演習では、地域の課題をテーマに情報システムやデータ分析を活用した解決策を考える機会があり、企業との共同研究に発展することもあります。
大学で学んだ知識を実社会で試しながら、課題発見力、提案力、チームワーク、プレゼンテーション力など、社会で求められる実践力を身につけることができます。
元「中の人」のチェックポイント
情報学部というと、「パソコンに向かって一人で勉強する学部」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、
静岡大学情報学部では、地域連携やグループワーク、企業との共同プロジェクトなど、人と協力しながら学ぶ機会に恵まれている。
また、地元静岡県や隣の愛知県など中部地方を中心に全国から学生が集まっている。
「プログラミング経験がない」「県外に進学するのが不安」という人でも、大学のサポートを受けながら着実に成長できる環境が整っている。
6. 入試方法
選抜方式
総合型選抜は情報科学科で実施されます。
第1次選抜では英語と「数学」または「数学・情報」の基礎学力試験、第2次選抜では面接を行い、学ぶ意欲や論理的思考力、情報分野への適性を総合的に評価します。
学校推薦型選抜は3学科で実施されます。
大学入学共通テストに加えて面接を課します。高校での学習成果だけでなく、志望理由や学習意欲、適性も重視されます。
一般選抜は前期・後期日程を実施します。
前期では共通テストに加え、情報科学科は数学・英語、行動情報学科は総合問題、情報社会学科は小論文を課します。
後期では学科ごとに数学・総合問題・面接などを組み合わせ、専門分野への適性や思考力を評価します。
難易度
河合塾Kei-Netによる2027年度入試予想では、共通テスト得点率は61~72%、偏差値は45.0~55.0です。
情報科学科が最も高く、情報社会学科、行動情報学科が続きます。
地方国立大学の情報系学部としては標準~やや高めの難易度で、共通テストでしっかり得点したうえで、学科ごとの個別試験対策が合否を左右します。
各教科の重要度と得点源
数学
重要度:★★★★★
得点源:★★★★☆
共通テスト:〇 個別学力検査:〇(情報科学科・後期など)
情報科学科では個別試験でも数学が課されるため最重要科目です。
行動情報学科でもデータ分析や統計の基礎となるため、高得点を狙いたい教科です。
英語
重要度:★★★★☆
得点源:★★★★☆
共通テスト:〇 個別学力検査:〇(情報科学科前期)
英語は共通テストだけでなく、情報科学科では個別試験でも利用されます。
大学入学後も英語の論文や専門資料を読む機会が多く、早めの基礎固めが重要です。
国語
重要度:★★★☆☆
得点源:★★★☆☆
共通テスト:〇 個別学力検査:△(小論文につながる)
共通テストで確実に得点したい教科です。
情報社会学科では小論文が課されるため、読解力や論理的な文章を理解する力が大きな武器になります。
理科
重要度:★★★★☆
得点源:★★★☆☆
共通テスト:〇 個別学力検査:×
理科は個別試験では課されませんが、共通テストでは配点を占めます。
特に情報科学科を志望する理系受験生は、数学とのバランスを意識して得点力を高めましょう。
社会
重要度:★★★☆☆
得点源:★★★★☆
共通テスト:〇 個別学力検査:×
共通テストのみの利用ですが、安定して得点しやすい科目です。
情報社会学科を志望する場合は、社会問題への関心や知識が小論文や面接にも生かされます。
情報
重要度:★★★★☆
得点源:★★★★★
共通テスト:〇 個別学力検査:△(総合型では数学・情報を選択可)
2025年度から共通テストに加わった「情報」は、情報学部志望者なら高得点を狙いたい教科です。
総合型選抜(情報科学科)では「数学・情報」を選択できるため、高校の「情報Ⅰ」をしっかり理解しておくことがアドバンテージになります。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学情報学部は、学科ごとに個別試験の内容が大きく異なることが最大の特徴。
情報科学科は数学・英語を重視する理系型。
情報社会学科は小論文を重視する文理融合型。
行動情報学科は総合問題で思考力を見るタイプ。
そのため、まずは志望学科を早めに決め、それに合わせて個別試験の対策を始めることが重要。
一方で、どの学科も共通テストの比重は高いため、まずは共通テストで7割前後を安定して取れる学力を目標にし、その後に学科別対策へ進むのが最も効率的な受験戦略といえる。
7. 進路
進級と留年の状況
静岡大学情報学部は、極端に留年しやすい学部ではありません。
ただ、情報科学やデータサイエンスなど積み上げ型の科目が多いため、基礎科目を確実に修得することが重要です。
プログラミング演習や実験、グループワークでは継続的な学習が求められ、欠席や課題の未提出は単位取得に影響しやすくなります。
1・2年次で基礎をしっかり固めておくことが、3・4年次の研究や卒業研究をスムーズに進めるポイントです。
大学院進学
2025年度卒業生249人のうち、96人(約39%)が大学院へ進学しています。
情報系としては大学院進学率が比較的高く、AI、データサイエンス、情報ネットワーク、情報社会、認知科学など、より高度な研究へ進む学生が多いことが特徴です。
研究開発職や高度専門職を目指す場合は大学院進学が有利になるケースも多く、自分の将来像に合わせて進路を選択できます。
主な就職先
2025年度卒業生249人のうち、146人(約59%)が就職しています。
職種では情報処理・通信技術者が80人と最も多く、情報学部らしい進路となっています。
そのほか、事務職26人、販売職9人、製造技術者9人、公務員9人など、多様な職種へ進んでいます。
産業別では、情報通信業65人が最多で、次いで輸送用機械器具製造業16人、金融・保険業7人、電子・電気関連製造業7人などが続きます。
情報通信だけでなく、自動車産業が盛んな東海地域の製造業や金融分野でも情報人材への需要が高く、ITスキルを生かして幅広い業界へ進めることが静岡大学情報学部の大きな強みです。
進路先の都道府県
就職先は静岡県が最も多く、次いで愛知県、東京都など東海・首都圏への就職が中心です。
浜松キャンパスという立地を生かし、地元企業とのつながりが強い一方で、首都圏のIT企業や大手メーカーへ進む学生も少なくありません。
地元志向・県外志向のどちらにも対応しやすく、自分の希望する働き方に合わせて進路を選びやすい学部です。
元「中の人」のチェックポイント
静岡大学情報学部は、「大学院進学型」と「就職型」の両方の特徴を持つ学部で、約4割が大学院へ進学して専門性を高める一方、約6割は学部卒でIT企業やメーカー、公務員などへ就職している。
つまり、入学時に将来を決めていなかったとしても、学びながら研究職を目指すか、実社会で情報技術を生かすかを選べるのが、この学部の魅力。
情報分野は業界を問わず活躍できるため、「情報を武器に社会で活躍したい」という人にとって、進路の選択肢が非常に広い学部といえる。
8. 学費・生活費
学費
静岡大学は国立大学のため、学費は全国共通です。
入学料
282,000円授業料
年間535,800円(前期・後期分納可)4年間の学費総額
約2,425,000円
※ 授業料改定があった場合は、入学時の金額が適用されます。
追加費用
学費以外には、教科書代(年間約3~8万円)、ノートパソコン(10~20万円程度)、教材費、インターネット通信費などが必要になります。
情報学部ではパソコンを活用する授業や演習が多いため、一定の性能を備えたノートパソコンを準備しておくと安心です。
資格取得や学会参加を希望する場合は、その費用も別途必要になります。
日本学生支援機構の奨学金
静岡大学では、日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金・貸与型奨学金(第一種・第二種)を取り扱っています。
家計基準や学力基準を満たす学生が対象となり、多くの学生が利用しています。
大学独自の奨学金・支援制度
静岡大学では、授業料等の減免制度のほか、大学独自の奨学金や民間・地方公共団体の奨学金を多数取り扱っています。
また、急な家計急変があった場合の緊急支援制度や、海外留学を支援する奨学金制度も整備されており、経済的な事情に応じた幅広いサポートを受けることができます。
授業料免除制度
国の高等教育の修学支援新制度の対象校であり、授業料・入学料の減免制度を利用できます。
日本学生支援機構の給付型奨学金と併用できるため、条件を満たせば学費負担を大きく軽減することが可能です。
アパート相場
情報学部がある浜松キャンパス周辺では、ワンルーム・1Kで月額4万~5万5千円程度が一般的な相場です。
大学周辺には学生向け物件が多く、自転車で通学できる範囲にも豊富な選択肢があります。
浜松市は大都市圏と比べると家賃を抑えやすく、生活費も比較的負担を抑えられる地域です。
卒業までの費用シミュレーション
【実家暮らし】
学費:約243万円
教材・パソコン等:約30~50万円
通学費・その他:約40~80万円
合計:約310~370万円
【一人暮らし】
学費:約243万円
教材・パソコン等:約30~50万円
家賃・生活費:約700~900万円(家賃月4.8万円程度を含む)
合計:約980~1,190万円
生活スタイルによって差はありますが、一人暮らしでは生活費が学費を大きく上回ることを考慮して資金計画を立てることが大切です。
元「中の人」から保護者の方へ
国立大学は私立大学と比べて学費が抑えられていることに加え、静岡大学では授業料減免制度や日本学生支援機構奨学金、大学独自の支援制度など、経済的負担を軽減する仕組みが充実しています。
また、キャンパスがある浜松市は首都圏と比べて家賃や生活費を抑えやすく、4年間の総費用も比較的計画しやすい地域です。
情報学部はIT企業やメーカーなどへの就職実績が高く、大学院進学という選択肢もあります。
学費だけで判断するのではなく、「卒業後にどのような進路が開けるか」まで含めて考えることが、お子さまにとって納得できる進学につながるでしょう。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育
静岡大学情報学部では、「リメディアル教育」という名称の特別プログラムは限定的ですが、1年次は情報学・数学・プログラミング・情報リテラシーなどの基礎科目を段階的に学べるカリキュラムになっています。
高校までにプログラミングを学んでいなくても、基礎から専門へ無理なく進める構成のため、情報分野が初めての学生でも安心して学習をスタートできます。
学修支援
少人数で行う演習や実験、ゼミナールを通して、教員との距離が近い環境で学ぶことができます。
3年次以降は研究室に所属し、一人ひとりが教員の指導を受けながら卒業研究を進めます。
質問や相談がしやすい環境の中で、専門知識だけでなく、課題発見力やプレゼンテーション力、研究を進める力も身につけられます。
取得できる資格
情報学部で卒業と同時に取得できる国家資格はありません。
ただ、高等学校教諭一種免許状(情報)をはじめ、所定の科目を履修することで教員免許の取得を目指せます。
また、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、ITパスポートなど、情報系資格への挑戦にも学びを生かすことができます。
資格取得サポート
大学が資格取得のための必修講座を設けているわけではありませんが、授業で学ぶプログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、情報セキュリティなどの知識は、情報処理技術者試験の内容と重なる部分が多くあります。
キャリア支援センターでは各種資格や公務員試験に関する情報提供も行われており、学生自身の目標に合わせた学習を進めやすい環境です。
キャリア・就職支援
キャリアサポートセンターでは、キャリアガイダンス、インターンシップ支援、履歴書・エントリーシート添削、模擬面接、合同企業説明会などを実施しています。
情報学部は企業との共同研究も多く、研究室経由でインターンシップや就職につながるケースもあります。
大学院進学・就職のどちらにも対応した支援体制が整っています。
ICT・図書館サポート
浜松キャンパスには情報教育用コンピュータ室や高速ネットワーク環境が整備されており、授業や自主学習に活用できます。
附属図書館では情報科学・AI・データサイエンス・社会科学などの専門書や電子ジャーナルも充実しており、卒業研究やレポート作成を強力にサポートしてくれます。
学生相談・生活支援
学生支援センターでは、学習相談だけでなく、生活や健康、進路、人間関係など幅広い相談に対応しています。
保健センターやカウンセリング体制も整っており、一人暮らしや大学生活に不安を感じたときでも、専門スタッフへ気軽に相談できる環境があります。
学生寮
静岡大学では学生寮を設置しており、自宅からの通学が難しい学生が利用できます。
経済的な負担を抑えながら生活できることに加え、全国から集まった学生との交流を通して、新しい人間関係を築けることも大きな魅力です。
入寮には募集人数や選考条件がありますので、出願前に確認しておきましょう。
元「中の人」のチェックポイント
と不安に思う受験生は少なくありません。しかし、
静岡大学情報学部では、1年次の基礎教育から研究室での個別指導まで、段階的に学べる仕組みが整っている。
また、就職・進学だけでなく、学生生活やメンタル面まで相談できる体制がある。
「大学の授業についていけるかな」
「プログラミング経験がないけれど大丈夫かな」
と、一人で悩みを抱え込まずに、大学のサポートを積極的に活用できる学生ほど、大きく成長している。
困ったときは早めに相談することが、充実した4年間への近道。
10.この学部を一言で表すと?
情報で、人・社会・未来をつなぐ学部
静岡大学情報学部は、AIやプログラミングを学ぶだけの学部ではありません。
情報科学・情報社会・行動情報という3つの専門分野を通して、「情報をどう社会で生かすか」を考える力を育てます。
技術だけでなく、人や社会への理解も深められる「文工融合」の学びは全国でも特色があり、情報通信業はもちろん、メーカー、金融、行政、コンサルティングなど幅広い業界で活躍できる人材を育成しています。
「情報を使って社会をより良くしたい」という思いを形にできる学部です。
この学部に向いている人
次のような人は、静岡大学情報学部で大きく成長できるでしょう。
情報技術で社会をより良くしたい人
AIやデータサイエンスを「作る」だけでなく、「社会で役立てる」ことに興味がある人に向いています。文系・理系の枠を超えて学びたい人
プログラミングだけでなく、心理学や社会学、経済学など幅広い視点から情報を学びたい人に最適です。データを使って課題を解決したい人
数字やデータを分析し、根拠を持って考えることが好きな人は大きな強みになります。人と協力して新しい価値を生み出したい人
PBLや共同研究を通して、チームで課題を解決する経験を積みたい人におすすめです。将来の選択肢を広げたい人
IT企業だけでなく、メーカー、公務員、金融、研究職など、多様な進路を目指したい人に向いています。
高校時代に高度なプログラミング経験は必要ありません。
「情報を使って何かを変えたい」という好奇心こそが、この学部で最も大切な素質です。
元「中の人」から伝えたいこと
静岡大学情報学部のアドミッションポリシーを読み解くと、大学が求めているのは「知識が完成した人」ではなく、「知的好奇心を持ち、主体的に学び続けられる人」です。
高校生活では、数学や英語、情報Ⅰなどの基礎学力を大切にすることはもちろん、探究活動や部活動、生徒会活動などを通して、「課題を見つけ、自分なりに解決策を考えた経験」を積んでおくと大きな強みになります。
大学では、AIやデータサイエンス、情報社会、心理学などを幅広く学び、企業や自治体との実践的なプロジェクトや卒業研究を通して専門性を高めていきます。
その先には、IT企業やメーカー、金融、公務員、研究者、大学院進学など、多彩な進路が待っています。情報を武器に、自分の可能性を広げたい人にとって、静岡大学情報学部は挑戦する価値のある学びの場です。
この学部を一言で表すと?
情報で、人・社会・未来をつなぐ学部
情報技術は目的ではなく、社会をより良くするための「道具」です。
その道具を使いこなし、人や地域、世界の課題に挑戦したいと思うなら、静岡大学情報学部はきっとあなたの可能性を大きく広げてくれるでしょう。
自分の「好き」と「好奇心」を信じて、一歩踏み出してください。
静岡大学の他の学部が気になる方は、こちらからご覧ください。
人文社会科学部
教育学部
理学部
工学部
農学部
グローバル共創科学部 (2026.7.19)
情報学部
