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kamei_kana1223
季節はずれの直談判
先日、長男が本棚から懐かしい絵本を取り出してきた。絵本というより、絵本型の電話のおもちゃである。ばあばから3歳の誕生日にプレゼントでもらい、暫くはよく遊んでいた。
1・1・0と押せば警察に繋がったり、電話のベルが鳴れば受話器を取って電話に出ることもできる。受話器を取ると、知らない男の子や女の子が名前や好きな動物を尋ねてくる。個人情報はこうやって流出していくのか。
久々に取り出してきた長男は、動作確認をするかのように、ひと通りの機能を順番にダイヤルする。そして、ひとつひとつ律儀に応答している。好きな動物は?の質問に、相変わらずゾウと答えた姿はとても微笑ましかった。
最後に、1・2・2・5とダイヤル。勘の良い方はもうお察しだと思うが、サンタさんに電話が繋がるのだ。フォフォフォっと電話にでるサンタさん。そして、クリスマスプレゼントは何が良いかを尋ねてくれる。
「大きい水鉄砲!」
即答する息子。その日の朝、近くの水遊び場でビショビショになるまで遊んだ息子。小学生たちが大きな水鉄砲で撃ち合って楽しむ様子をじーっと見ていた。羨ましかったのだろう。
「……。」
子どもたちが必死になって欲しいものをおねだりする時間を見越し、こちらのターンが長めに用意されている。沈黙が続く。まだまだ、続く。もしかすると、季節外れの注文に、サンタさんも面食らったのかもしれない。
ようやく話し始めたサンタさんは、良い子にして待っていて的なひと言で電話を締めた。
翌日、またサンタさんに電話をかけた長男。
「ウルトラマンに変身するやつ!」
そう、さっきまでテレビの前でウルトラマンに釘づけだった。
彼は真っ直ぐに今を生きている。
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