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Thepnaja Hat Yai Shrine & Luang Pu Thuat Statue

テープナジャ・ハジャイ廟 2009年12月5日

 トランからハジャイ、ソンクラーへと向かうバイク旅の途中、私は中国系タイ人の信仰が色濃く残る「テープナジャー廟」、そしてその奥に鎮座する巨大な「ルアンプー・トゥアット像」を訪れた。この二つは同じ敷地内にありながら、まったく異なる二つの信仰世界を見せてくれる、実に興味深い場所だった。

 まず出迎えてくれたのは、朱と金に彩られた中国廟らしい建物だった。入口には勇壮な龍の柱が両脇に立ち、緑と赤の瓦屋根が南国の陽射しの下で鮮やかに輝いていた。中に足を踏み入れると、赤い提灯が天井から連なり、金色に輝く祭壇には様々な神像が祀られていた。線香の香りが漂う薄暗い堂内は、タイ南部に暮らす華人たちの信仰の厚さを物語っていた。

Thepnaja Hat Yai Shrine
Thepnaja Hat Yai Shrine

 廟を出て奥へ進むと、風景は一変する。青みがかった岩山を模した造形の丘に、白衣の観音像や武将姿の神像、槍を持つ戦士像などが点在し、まるで一つの物語世界に迷い込んだかのようだった。象が両脇を守る洞窟のような祠には、小さな仏像が安置され、参拝者が祈りを捧げていた。ピンクのリボンを結んだ巨大な瓢箪の像もあり、道教的な吉祥のシンボルがそこかしこに散りばめられていた。

Thepnaja Hat Yai Shrine

ルアンプー・トゥアット像

 そして、この場所の主役ともいえるのが、南部最大級と称される「ルアンプー・トゥアット」の巨大な黒い座像だった。

Luang Pu Thuat Statue

 ルアンプー・トゥアットは南タイで絶大な信仰を集める高僧で、その姿は黄色い袈裟をまとい、堂々とした佇まいで丘の上に鎮座していた。青空を背景にそびえるその姿は遠くからでも一目でわかるほどの存在感を放ち、下から見上げると、静かで慈悲深い表情が印象的だった。像の周囲には白い門のような装飾や、小さな仏像群が配置され、参拝の動線が整えられていた。

Luang Pu Thuat Statue

 さらに奥へ進むと、大きな象牙を模した造形の間に、黄金色に輝く小さなルアンプー・トゥアット像が安置されている一角もあった。象牙のアーチは力強さと神聖さを象徴しているようで、南部の仏教美術ならではの独特な意匠に、旅の疲れも忘れて見入ってしまった。

Luang Pu Thuat Statue

 この日訪れたテープナジャー廟とルアンプー・トゥアット像の敷地は、まだ整備の途中のようで、地面には工事の跡も見受けられた。中国廟の背後に広がる荒れた土地からは、今後さらに拡張されていくであろうこの聖地の未来を感じさせた。中国系の信仰とタイ仏教の信仰が同じ場所で共存し、それぞれの様式で参拝者を迎え入れる――そんなハジャイならではの宗教的多様性を肌で感じられた、印象深い立ち寄り所であった。

**Thepnaja Hat Yai Shrine : 中国道教の守護神ナタ(哪吒三太子)を主神として祀る廟。ドラゴン門や観音像、笑う布袋像など多彩な神像が境内に並ぶ。中国系やシンガポール系の仏教徒に特に人気が高く、開運・繁栄をもたらすと信じられている。タイと中国の建築スタイルが融合した独特の雰囲気が魅力。
**Luang Pu Thuat Statue : タイ南部で最も崇拝される高僧のひとり、ルアン・プー・トゥアットの坐像。幼少期に蛇が揺りかごに巻きつき、蛇が光る宝石を吐き出したという伝説があり、成長後は海の嵐を鎮め、塩水を真水に変えたと伝えられる。黒みがかった像体に金色の袈裟をまとった威厳ある姿が特徴で、その護符は危険から命を守るとされ、今も多くの信者が参拝に訪れる。

南部最大のルアンプー・トゥアット像

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