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kuyuiru
SS・煙草物語・2/7【hi-lite】(751字)
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僕と煙草との邂逅がいつだったのかは記憶にない。両親共に非喫煙者の為、煙草を目にするのは祖父母の家に遊びに行った時くらいだ。母方の祖父母はどちらも喫煙者。記憶を手繰り寄せてみると、少し薄い青色を思い出す。おそらくその家にあったのはhi-liteだったのだと思う。
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小学校2年生の時、僕は髄膜炎という病気にかかり1~2週間ほど入院した。インターネットなど普及していないその頃、聞いたことがなければそれは一般人にとっては未知の病のようなもの。ましてや孫がそんな病に冒されたとなれば祖父は気が気でなかったのだろう。後に聞いた話では、彼が数十年の愛煙家生活に終止符を打ったのはその時だったという。願掛けのつもりだったのだろう。既に祖父は他界しているので直接エピソードを聞くことは叶わないが、そこまで考えてくれたことを今さらながら嬉しく思う。そして、それにもかかわらず煙草を吸い、こんな文章を書いているのだから、僕の親不孝ならぬ祖父不幸もたいがいだ。
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願掛けまでしてもらっておいて言うことではないが、僕は祖父が目を細め、美味そうに煙草を吸う姿がとても好きだった。今思えば何も面白くはないが、頬をつついて輪っか状の煙を出すことを何度も祖父にせがんだ。これで鍛えられたのだろうか、幼少の頃から煙草の匂いに嫌悪感を持つことはなかった。「幼い孫の前で煙草を吸うなんてどうかしている」と言われかねない時代だが、当時の煙草とはそういうもの。良くも悪くも煙草に対する風当たりは小さく、大人の象徴のようなものだった。
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