【『無能なナナ』第14巻ネタバレ考察】“人類の敵”と鶴岡の“実験”に関する仮説

※注意※
※単行本派による考察です。
※もちろんネタバレあり。
※原作を確認してはいますが個人の妄想に近いものなので、信憑性は保証できません。
ちなみに前回の記事です↓

しかし今回関係あるのはこちらの記事↓。

前の記事なんか読んでられっかめんどくせえという人のためにも、ここまでの情報のおさらいから入るから大丈夫! 安心して本題に入ってくださいね。

“人類の敵”とは?

第11巻にて初めてその姿を現した“人類の敵”! それまでは能力者たちには倒すべき敵として漠然としたまま教えられ、ナナら鶴岡配下の工作員には人類を脅かす能力者がそうだと語られていました。そのことから、人類を鶴岡や政府、委員会が都合よく能力者たちを隔離(そして始末)するための嘘かとも思われていましたが、“人類の敵”は実在しました。第11巻末近くで、鶴岡がナナオに見せつけた巨大な異形こそが、まさにそれだと。

鶴岡曰く、“人類の敵”については

  1. 能力者が概ね20〜40代で変化する成れの果ての姿

  2. 変態前の能力を有したまま

  3. 生きている人間を無差別に襲う

  4. 現在の能力者への人体実験はこの“人類の敵”化を防ぐため

  5. 能力者の殺人衝動など内面の変化が“人類の敵”化の初期症状

(第11巻294〜299ページ)とのこと。

いやーしかしこの数ページに、鶴岡は大事なことを詰め込みましたね。子供たちにはいると思わせ方便として利用していた怪物が、実は、いた。その怒涛の新情報の衝撃に危うく読者として私も納得させられそうになりましたが、ちょっとこれおかしくないですか?

というのが、今回の本論です!

疑問1|怪物の個体数は約2体のみ

人類の敵たる怪物は確かに存在しました。まさかあのガラスの檻に入っているのがホログラムだの4Dだのではないでしょう。しかしですよ、逆にいえば完全体として現れたのはあの1体のみです。あとは現在変態途中のナナオ。つまり約2体です。

あれを人類の敵とし、怪物化する能力者をその理屈で掃討するには、あまりにサンプルが少なすぎるのではないでしょうか。概ね20〜40代で怪物化するという研究結果はどこから得たのでしょう。ナナオなど10代(推定)で既に怪物化が始まっているというのに。

疑問2|10年前の世代で怪物化は見られなかったのか

ナナたちの前の代、つまり橘ジンや小野寺リンたちの世代では、島で怪物化した能力者はいなかったのでしょうか。彼らはサイキックウォーまで起こしています。ナナオの状態で怪物化が始まるなら、前世代の中にも1体くらいは怪物が生まれていてもいいはずです。しかしリンの記憶にそのような描写はありません。そしてそういった重大情報を隠している素振りもありません。

疑問3|怪物化は鶴岡の研究施設でのみ起こっている

現在認められる2件の怪物化は、おそらくどちらも鶴岡の研究施設内で起こっています。ナナオは鶴岡に収容された時点では怪物化の兆候は全く見られませんでした。そして完全変態のもう1体も、あの姿で捕まえたよりは初期に超強化ガラスの檻に収容したと考える方が自然でしょう。

疑問4|鶴岡は本当に能力者を救おうとしているのか

鶴岡の研究は能力者を怪物化から救うためのものだと作中で幾度か述べられています。しかし彼は確かに能力者を実験体として研究を進めてはいるようですが、その他の行動は能力者を救うどころか殲滅せんばかりの勢いです。能力者を一括拿捕し無差別に射殺するような人間が、能力者を救いたいなんて流石に矛盾がすぎませんか?

仮説|つまり?

以上4点を総合すると、鶴岡の研究施設は能力者を怪物化させるためのものではないでしょうか。能力者の怪物化を食い止め救うためなんて真っ赤な嘘。鶴岡こそが怪物化を引き起こしている張本人なのです!

大体ね、第11巻からこっち、ずっと「大局的には能力者のために行動してるよ」な鶴岡がちょっと長すぎると思ってたんですよ。そろそろカードを裏返さないとおかしいじゃないですか。鶴岡の存在価値なんか、盤面に波風立ててこそですよ。

私は元々「鶴岡一部善人説」の提唱者なので、いつ彼がきれいな鶴岡になってくれるのかと待ち侘びていましたがね、そっちじゃありませんわ彼の裏返る方向は。

それに人類の敵たる巨大な異形を見せつける鶴岡の、ナナオに対する檄(第11巻300〜301ページ)。これ、すごく既視感ありますよね(第5巻75〜84ページ)。徹底的に不安の底に叩き落とし、最後に救いの手を差し伸べる。明らかに鶴岡が青少年を完全な手駒にするやり口!


今後の展望

それにですね、もし能力者、主にナナオの怪物化が鶴岡の仕業だとすると、ナナオが救われる未来が見えてきます! だって怪物化が何らかの薬品などの継続的な投与によるものかもしれないんですよ。だとすると投与を止めただけで怪物化は止められるかもしれません!

ん? でもそれだとあの巨大異形も継続的に薬を打たれていることになる? それともあそこまでになればもう不可逆なのかな? その可能性もある。

最悪のシナリオ

しかし逆に怖いのはですね。鶴岡がミチルちゃんを怪物化するーーあるいは既にしているのではないかということです。

だってあいつが自在に怪物化できるとしたら、そりゃナナをどん底に叩き落とすために使いますよ何より一番に。あいつ絶対そのために生きてるところある。

ナナオに見せた異形がミチルちゃんだったり…と考えましたが、タイミング的にそれはなさそう(参照)です。それに第14巻でミチルちゃんの資料を確認していました(237ページ)しね。ミチルちゃんはやっぱり生きているのでしょう。そしてこれから怪物化される…?

そして私は依然「鶴岡蘇生能力者論」を提唱しているので、これと怪物化が揃ったら恐ろしくエグいことがいくらでもできますよね。

鶴岡は妹のために生きている説も唱えていましたが、こちらはちょっと修正が必要そう…。流石にあの能力者大量殺戮や怪物化はそんなきれいな動機ではできなさそうなので…。

今回はこのへんで、ではまた!

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