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【プレビュー】PO1回戦 横浜FC VS RB大宮アルディージャ


横浜FCの主なデータ


J1とJ2を行き来している感じの横浜だが、J3に落ちたりしていた大宮との行き違いもあり、対戦も2022年以来と随分ご無沙汰。

昨季のJ1を18位の成績でJ2に降格してしまった横浜は、昨季まで藤枝MYFCを率いていた須藤監督を招聘して百年構想リーグを戦っている。
今季はEAST-B以外のチームを全く見ていなかったので、横浜がどんなサッカーをしていたかは知らなかったんだけど、藤枝で超可変攻撃サッカーという非常に魅力的なことをやっていた須藤監督が、タレントも多い横浜で、どうあのサッカーを落とし込んでいるのかは非常に気になっていた。

しかし、特殊な須藤サッカーをいきなりフィットさせるのは難しかったのか、百年構想リーグの序盤は大苦戦。J3チームには勝利できるも、J2にはことごとく敗れる感じで前半戦を折り返す。
しかし徐々に須藤イズムが浸透してきたのか、後半戦はJ2チームにも勝てるようになり、ラストは無失点での3連勝で締めくくって4位に食い込んできた。明らかに尻上がりに調子を上げてきた


EAST-A 4位 8勝3分7敗
34得点 27失点

得点数:5位
ゴール期待値:1位
チャンスクリエイト数:3位
シュート数:2位
枠内シュート数:5位
パス数:14位
ドリブル数:5位
クロス数:5位
1VS1勝利数:4位
ボール支配率:1位

失点数:29位
被ゴール期待値:6位
被シュート数:10位
被枠内シュート数:34位
クリア数:37位
ブロック数:40位
空中戦勝利数:32位
空中戦勝率:17位

*順位はいい方から J2J3 40チーム中

去年までJ1にいただけあって、攻撃面はいずれも高水準のデータが並ぶ。
ゴール期待値:1位、チャンスクリエイト数:3位、シュート数:2位は流石の一言。須藤監督が攻撃サッカーを落とし込んでいる事がわかる。
また去年の藤枝と同じように、支配率が非常に高い (1位)のも特徴的。ただ、思ったよりパス数は少なかった(14位)のは意外だった。

一方の守備面は課題が残る感じで、失点数は結構多い(29位)
これは被ゴール期待値(6位)と被シュート数(10位)が非常にいいのに対し、被枠内シュート数が滅茶苦茶多い(34位)ってとこが原因っぽい。撃たれるシュートの数自体は少ないんだけど、尽くいい形で撃たれるため、枠内シュート数が多くなるって感じなのかな…?
クリア数とブロック数が非常に少ないってのも、最後のとこで守りきれてないってこと・・・?

あと空中戦勝利数が少ないのは、空中戦に弱いってわけじゃあなく、ロングボールをあまり使わないからって感じっぽい。


前節の横浜FC やり方 (VS ベガルタ仙台)


基本陣形

基本陣形は去年の藤枝と同じ3-4-2-1
ルキアン(ジュビロ磐田)、横山(ジェフ千葉)、高江&山田(モンテディオ山形)、窪田(愛媛FC)等、J2の別チームで対戦したメンバーがいっぱい並んでる♪ベンチのアダイウトン(ジュビロ磐田)や、2024年にレノファ山口で名を挙げたSB新保も含め、さながらJ2オールスターの様相。
以前大宮と戦った時にも試合に出ていたのは、GK市川くらいかなぁ。


ハイプレス時

前線からのハイプレスは結構やってくる。
仙台の3-1-4-2の3CBに対し、5-3-3の形で前線を同数にしてプレスに行く感じ。
システム上フリーになる仙台のアンカーに対しては、ルキアンが気をつけながらCBにプレスに行ったり、ボランチがケアしにいったりもしていたけど、そこまで徹底的に潰しに行っている感じはしなかったかな。

去年の藤枝でもそうだったけど、ボールの取りどころとしてはやはりサイドに置いていて、仙台のWBにボールが入ると一気にWBで当たらせると共に、中盤のサイドに密集を作って奪い取り、カウンターに繋げたい狙い。



ローブロック

自陣までボールを運ばれると、5-4-1ブロックに移行。足下が非常にうまい仙台相手にも5-4-1ブロックは強固で、崩れてやられたシーンを全く作られていなかった。

特に仙台のFW岩淵へのCB岩武のマークが徹底的で、落ちてボールを貰いに行った岩淵に執拗について行ってポストを潰すっていう、非常にアグレッシブな前への守備(例えば13分や18分など)を見せていた。大宮で例えると、元横浜のガブ様がよく見せてくれる前がかりの守備っすね。
また、CBによる前がかりの守備への保険もしっかりさせていて、CB岩武が撃墜に行った後の最終ラインにはDMF山田がきちんと入るという、チャレンジ&カバーもしっかりなされていて、練度の高さが垣間見られた。

去年の藤枝は、大宮と似てサイド密集を突破されて一気に運ばれたり、カウンターにやられたりが多いって印象があったけど、この試合ではEAST-A最強の仙台相手に、そのような脆い所はほとんど見せていなかった。



ビルドアップ時

一方の攻撃時のビルドアップ。藤枝ではGKを参加させた様々な可変で、ショートパスによるポゼッションを志向していた須藤監督だけど、この横浜でも似たようなビルドアップを見せていた。

基本は、右CBの岩武がボランチの位置まで上がる右肩上がりのビルドアップ 。押し出された右WB窪田は外に張る感じで、結構高い位置を取っていた。
この時、杉田と細井の両CBが開き、その間に入ったGK市川がビルドアップに参加する事も。去年の藤枝のGK北村ほど積極的に参加するわけじゃあなかったけど、攻撃時には基本的に市川も高い位置に陣取って、いつでもボール回しに参加するぞって意気込んでいた。

ビルドアップにおいては、2DMFの高江と山田の役割が大きく。それぞれ最終ラインの前でちょこまか動いてボールを引き出してハブ役となっていた。去年の開幕戦で、当時山形にいた高江がボランチの位置でアンカー化したり、最終ラインに入ってったりして、山形のビルドアップに滅茶苦茶貢献していたのを思い出した。

んで、基本はこの右肩上がりのビルドなんだけど、この時の左サイドは結構流動的で、DMF・WB・DMFの3人でポジションチェンジをしていた。相手からしたら中々に捕まえづらいんだろうなーという印象を受けた (DAZNの画質が悪くて、背番号が視認しづらかったってのもあるんだけど)。
例えばCB細井がボランチの位置に上がり、その空いたスペースをWB新保が落ちて埋めたり等、先の攻撃時の相互補完関係よろしく、守備でもチャレンジ&カバーが大分整備されていた。
サイド密集抜けられてもびくともしなかったのは、多分に攻守共にこのチャレンジ&カバーがしっかりしているからなんだろうなぁ、と。

*右肩上がり以外のビルドも勿論あった

ただ後述するように、この仙台戦ではそこまで(いつもやっているであろう)ポゼッションビルドにこだわっていたわけではなく、結構縦に速いサッカーをやっていた



前節の横浜 試合展開 (VS ベガルタ仙台)



横浜が対するは、EAST-Aで無類の強さを見せたベガルタ仙台。仙台は去年の4-4-2から、今年は3-1-4-2をやっているみたい。なんかあの五十嵐(昨季のいわきFCで躍進したサイドアタッカー)を右CBで使っていて驚いた。

開始早々の7分、プレスから相手陣地でボール奪取してショートカウンターを発動させ、最後はFWルキアンがペナ外から巻いたミドルシュートを決めて、幸先よく横浜が先制する。

横浜は先述した右肩上がり&流動的な左サイドでビルドアップを図るも、恐らくいつもの試合よりかは縦に速いサッカーを志向。

磐田時代からそうだったけど、体の強い前線のルキアン(183 cm, 87 kg)はロングボールのターゲットになったり、相手背負ってポストしたり、裏抜けしたり、何でもできる万能型FW。この試合では早めにロングボールでルキアンを使う事も結構多く、前がかりに来る仙台を裏っ返す形でのカウンターを何度も見せていた。

STのジョアン・パウロも厚い胸板からもわかる通り体が強く、相手のプレッシャーに負けずにボールキープをしていた。ここまでJ2J3で1位のシュート数を放ち、ゴール期待値も3位に位置し、6得点をあげて横浜の攻撃を引っ張っている。

もう一人のSTの横山は、藤枝時代に須藤監督の教え子だったこともあり、須藤サッカーをよく理解している選手。特にこの試合では前線から一気に落ちてボールを引き出す動きが秀逸だった。

そんな横山の働きが光ったのが30分。相手のロングボールを奪ってから、高江の縦パスをその横山が落ちながらワントラップでレイオフ。ボールを繋ぐと、最後はルキアンのスルーパスで抜け出したジョアン・パウロが、相手マークを引きずりながらも技ありシュートを決めて追加点をあげた。
この時の、得点に絡んでない人も含む横浜の各選手のカバー&チャレンジについては、図で説明したいほど素晴らしかったんだけど、めんどいのでパス。ともかく横山の素晴らしいレイオフを始め、ワンタッチ・ツータッチのパスで仙台の守備を翻弄した、レベルの高い横浜の崩しによる得点であった。

この得点シーンみたく、今日の横浜は前線の3人にあてるパスが多く、サイド攻撃より中央攻撃が多くなっていた

そんなで前半ここまでは横浜がボールを持って、ロングパスとショートパスのバランスもよく良い攻撃を見せていた。一方の守備でもハイプレス&ミドルブロックでのサイド圧縮&固いローブロックで、ある程度仙台にボールは持たれるものの、ゴール前でのピンチは全く作らせない、いい流れの前半に。

32分の連動したプレスからのボール奪取、35分の自陣からの細井のロングスローで一気にフリーになったジョアン・パウロなど見どころも作る横浜。特に細井は仙台の五十嵐並の強力なロングスローを、この試合何度も投げてたため、大宮も要注意★。

ただ仙台も2点リードされてからは、GKがビルドアップ参加するなどして徐々にボールを前に運べるようになっていき、38分にはFW岩渕のポストから荒木のシュートという、この試合初めてレベルのいい形を作ったり、ATにはセットプレー崩れから鎌田の惜しいコントロールショットを見せてゴールに迫った。


前半はそのまま0-2の横浜リードで終了。
シュート数自体は「仙台:6 VS 横浜:6」と同数ながら、点差だけでなく、試合内容的にも横浜がまさっていた前半に。
横浜の支配率は42%ということで、やっぱりいつものポゼッション(平均支配率J2J3で1位の57.7%)ではなく、縦に速い攻撃をしてたって感じかな。

選手交代無しで後半開始。前半の終盤から引き続き、仙台がボールを握って、押し気味に試合を進める。49分の菅田のシュートや、50分のアーリークロスなど、仙台がチャンスを構築。

56分には前半の2点目のように、ST横山が落ちてレイオフで横浜のチャンスを演出。この試合何回も見せていた形だけど、レイオフを受けるボランチとの距離感も絶妙で、普段の練習から狙ってやっている形なんだろうなーってのが透けて見えた。

その後は仙台がボールを握りがちも、チャンスは互角に作る感じ。

73分にはジョアン・パウロから、4月度ヤングプレイヤー賞も取った18歳のアタッカーの岩崎に交代。
また、81分には岩武→秦 (U-19代表)の交代と、ルキアン→アダイウトンの元磐田FW同士の交代。

するとATには、仙台のCB菅田が横浜のクリアボールの落下地点を見誤って、アダイウトンが奪取&突破。GKとの1対1を沈め、3点差にして勝負あり。

横浜はEAST-A無類の強さを誇った仙台に、0-3と完勝
攻めてはビルドアップと縦に速いカウンターのいいバランスからの3点、守っては仙台のチャンスをミドルシュートぐらいに抑えきって無失点と、須藤イズムが形になってきた事を示すような、横浜のレベルの高さが表れていた試合であった。

最終的なシュート数は「仙台:7 VS 横浜:8」と互角ながら、ゴール期待値は「仙台:0.66 VS 横浜:1.12」と差をつけた。これは仙台のシュートがペナ外からの、確率の低いミドルだったためと思われる。まぁ、ペナ内で撃たせなかった横浜の5-4-1ブロックの硬さってのが大きかったんだけど。

横浜の支配率は49%、パス数は398と、いつも(全試合の平均では支配率57.7%、パス数462本)と比べ少なく、やっぱり仙台相手にいつもとはやり方を少し変えていたんだろね。

ともあれやっぱり須藤監督のサッカーは面白く、今日も予定より文章が長くなってしまった・・・。



大宮 展望

POラウンド1回戦は、EAST-A、EAST-B 4位同士の戦い。

ただし、前半戦と比べて後半戦に勝ち星を積めなくなった大宮に対し、須藤監督のやりたい事が身についてきて、リーグ戦終盤になって調子が上向きの横浜という事で、正直勢いに差が生じている状況。

ボール支配率1位VS2位という試合でもあり、どちらがポールを握って試合を進めるのかには注目したいところ。ただ仙台戦のやり方を見る限り、横浜は大宮にボールを預けての、プレス&カウンターで来るんじゃあないかなと予想。

大宮の3-4-2-1可変ビルドは、横浜の3-4-2-1とはミラーになってしまい、簡単にプレスを噛み合わされてしまう。そのため横浜戦では、4-2-3-1でミラーをすらした形でビルドしてくる可能性もあるのかな、と思われ。
ただ一方で、仙台戦みたいに横浜が前線3人に素早く当ててくるカウンター主体で来る場合は、やはり3-4-2-1 ビルドで後ろ3枚は残しておきたくもある。
このあたりのメリットデメリット飲み合わせて、チームとしてどんなビルドアップを選択するのか、ます注目しておきたい。

横浜の前線3人の特徴を考えた場合、落ちてボールを受ける横山には前からの守備が得意なガブリエウ、万能型のルキアンには西尾を当ててくる感じかなぁ。2CBではどうしてもSTの1人はマークを外れてしまうため、ボランチと連携して3人めの動きは食い止めてほしいところ。
あとはCBが迎撃に行った後のスペース管理もしっかりと、で。

横浜の右肩上がりビルドに関しては、似たようなやり方で来られた去年のH 豚枝戦が参考になるかな。あの試合では4-3-1-2の前線3人と守備範囲の広いシルバで、ある程度膝技の右肩上がりビルドを規制できてたので、似たようなやり方をしてくるのではと予想。

ピッチを縦に見た時、ハイ・ミドル・ローでそれぞれ割り切ってしっかり守ることができる横浜だけに、中々に守備ブロックを崩し切るのは難しそうなところ。ローブロック打破のためにも、サンデーがいない中、個人的には前線健勇で風穴を開けてほしいところ。
前線の並びも、この試合の大きな着目点の一つ。

26/27シーズンにおいて昇格ライバルとなってくるはずの横浜相手に、リーグ戦で培った物をぶつけてほしいっすね!



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