観戦記 第37節 RB大宮アルディージャ VS 徳島ヴォルティス
概要
第37節
2025/11/23
大宮VS徳島 1-2
大宮得点: 14’サンデー
徳島得点: 30’渡、34’バルセロス
@NACK5スタジアム
*現地観戦*
大宮布陣

今日の守備もいつもの4-3-1-2。
出場停止の吏音の代わりにイヨハがCBに入り、村上とコンビを組んだ。
それ以外は前節の水戸ホーリーホック戦と同じ。ただ和田さんの代わりにベンチには中山が久しぶりに入ってきた。和田さんは怪我じゃあないといいんだけど…。
後述するように、徳島は前節から布陣を変更して2-4-4 (4-2-4)でビルドアップしてきたんだけど、ある程度想定内だったと思われ、特に混乱する事なくプレスしていた。
最終ライン4枚で徳島の前線4枚を監視しつつ、前線2枚で2CBにファーストプレス。そしていつものようにボールとは逆サイドのCMFを中央に寄らして、徳島の横一列フラットな中盤の4枚の内3枚に対し、中盤のダイヤモンド4人で数的優位をもって狩りに行く感じ。
今日もサイド圧縮で数的優位を作って、1対2で狩りに行くって基本原則は徹底されていた感じ。

一方の攻撃に関しては、豊川がトップ下になる3-4-1-2ではなく、豊川とカプリーニがシャドーになる3-4-2-1にしてきた。
*ここ最近の試合より、明確に豊川とカプが開いていた
意図は何だったんだろう?最近どの相手チームもやってきている、トップ下の豊川潰しを徳島もしてくる(ボランチ2枚で挟み込む)事を見込んで、シャドーにしたのかなぁ?
ただ、徳島が戦前の予想の5-3-2ではなく、5-2-3ブロックだったため、3-4-1-2の中盤3枚で徳島のボランチ2枚に数的優位を作った方が良かったような気がするんだけどなー。どうだったんだろ?
ただ今日は、シャドーの位置でカプリーニが躍動していたんで、どっちがよかったかの詮索は今となっては詮無き事かな。
徳島印象

基本陣形は前節のヴァンフォーレ甲府戦の3-1-4-2から、3-4-2-1に変更してきた。
個人的にこれは予想通りで、プレビューでも書いたんだけど、前節やってた3-1-4-2からの可変4-1-1-4だと、大宮の4-3-1-2プレスに中盤ががっちりハメられてしまう感じなんで、それを避けるため、基本の立ち位置を変えてきたのだと思われる。
主力の杉本は今日はベンチ入りせず、コンディション不足だったのかな?代わりに今日のボランチは児玉と累積明けの鹿沼に。前節活躍していた玄はベンチから。
前線は体が強いアンデルソン、スピードとパワーを兼ね備えた怖い怖いバルセロス、DFとの駆け引きがうまい渡の強力三銃士。
元大宮の山越はベンチスタート。高田とカイケはベンチ入りせず、残念。

守備時は5-2-3プレス&ブロック。
カチカチに硬い守備が売りの徳島だけど、別にブロックに引きこもるドン引きサッカーをするのでなく、全員がハードワークして前からプレスをかけていくのが特徴。
この試合ではトップの3人が大宮のボランチを気にしつつ3CBにプレスに行って、ボランチ2枚が大宮のボランチとシャドーを適宜チェックに行く感じ。
大宮のシャドー2枚(豊川・カプ)には前を向かせまいと、ボールが入ると激しく体を当てに来ていた。
徳島的には、大宮が3-4-1-2ビルドアップしてきた場合、攻撃のスイッチになるトップ下の豊川を、ボランチ2枚で挟み込んでボールを入れさせないようにしたかったんだろうけど、大宮もそれを読んでいて、3-4-2-1ビルドアップに切り替えたのかな?
守備時、WBの位置は低く、最終ラインに組み込まれている事が多かった。ハイプレス時でも、そこまで上がって前から迎撃に来る事は少なく、多少大宮にサイドで運ばれても、サイドの裏のスペースは絶対やらせない感じだった。
また、中央は人数を揃えて固くする感じで、サイドからある程度クロスを撃たれるのは許容するけど、中ではやらせないって感じ。

一方のビルドアップは、こちらも前節とはまた違う形で、4-2-4 (2-4-4)をやって来た。
左CBの青木が上がる左肩上がりなのはいつもの徳島だったが、右WBのエウシーニョは、甲府戦のように滅茶苦茶高い位置に上がるわけでなく、最終ラインから一列前に陣取ってビルドアップに加わる役割。その代わり、青木に押し上げられた左WB高木が前線まで上がり、右STバルセロスと共に両サイドでWGのような役割を担っていた。
また前節は1アンカーシステムであったが、今日の中盤はフラットなボランチ2枚の並びに (迎撃時は縦関係になることもあったけど)。
前節はアンカーの児玉を介して悠々にビルドアップできていたが、4-3-1-2の大宮はトップ下の豊川によってそのアンカーを簡単に潰す事ができるため、ボランチを2枚にしてきたのかと思われ。
ビルドアップ時、ボランチ2枚は豊川を等距離で挟むように位置し、守備マークを分散させて豊川を常時困らせていた。
大宮のハイプレスを嫌って、大宮にボールを預けて後ろから繋いで来ないかもしれないとも思っていたが、前半の徳島は結構後ろから繋いできて、大宮のハイプレスに真っ向勝負してきてた。ここまで一年戦って築いてきたビルドアップに自信があるってのと、大宮を引きつけておいてから逆サイドの高い位置にスペースを作らすって狙いもあったのかと思う(後述)。
試合展開 前半
開始早々1分に、徳島の狙いが早速垣間見える。
徳島陣地の左サイドのごちゃごちゃしたとこから、渡(←確か)がノールックで逆サイドにクリアぎみに展開し、フリーのエウシーニョが受け取る。そのエウシーニョのロングボールを右サイドでバルセロスが収め、ゴール前まで迫った。
まず渡のサイドチェンジなんだけど、本来は安全に前にクリアすべき場面で、迷いもなく真横に出してたんだよね。多分、エウシーニョがあそこでフリーになっている事を、目視確認まではしてなかったはずなのに。
だのにあそこまで迷いなくチャレンジできたのは、やはり試合前から大宮がサイド圧縮してきて、逆サイドにはスペースが広がっている事を理解していたからだと思われる。
この最初の渡のサイドチェンジを見て、徳島が同じようなやり方やってくるんだろーなーという予感がひしひしとした。
現に前半の徳島は、この左サイドで作って大宮を引き込んでおいて、密集を抜けてバルセロスのスピードで右サイドを攻略するってのを何度も行ってきていて、この悪い予感が当たってしまった感じ。
バルセロスのスピードはホント脅威になり続けていた。怖い怖い。
徳島の狙いが見られた前半の似たようなシーンの例 (23分)。
最終ラインの左サイドにボールを回してカプ&サンデーを食いつかせた後、右CB井上にボールを送り、大宮のプレス原理にほころびを作る。
井上には津久井がジャンプしてプレスに行くことで、本来マークしていた右WBエウシーニョがフリーになり、そのまま右サイドを前進。たまらず下口が、自らのマーク相手であるバルセロスを捨てて、エウシーニョに当たり、サイドに釣り出される。必然、イヨハと関口もマークを1枚スライド。
そして徳島は、大宮のCB間のスペースにロングボールを入れて、アンデルソンがキープし、バルセロスのスピードで下口が上がる事で空いたスペースを使い、一気にチャンスを構築。
最後は大宮の守備スライドで、大外でフリーになっている高木にクロスを上げ、シュートまで持っていった。
得点には至らなかったけど、大宮の守り方を把握した、徳島の狙い通りの攻撃だったかな、と。
ここ最近は後ろからのビルドアップをしないで、大宮のハイプレスをいなしてくるチームが多かったけど、徳島はその大宮のハイプレスを逆手に取ったビルドアップからの狙いを見せていた。
密集を抜けられると、やっぱりピンチになっちゃうよなー。
ただ、密集を抜け出されなければ、今日の大宮の狩りは成功率が高く、中盤では、奪われてもすぐに相手ボールホルダーに対して2人で襲いかかり、即時奪還に結構成功していた。
今日の平均ボール奪取位置も40 m以上であったし、この辺りの狙いは、前述のプレス原理と共にしっかりとできていたと思われる。
そんな大宮だったが14分、小島からの浮き球スルーパスに対し、サンデーがうまく飛び出してボレーでゴールに叩き込んで得点!
大事な試合で幸先よく先制点を挙げた。
今日もサンデーは常に裏抜けを狙っており、チームとしても、徳島のハイプレスでビルドアップに困った時には、迷わずアバウトな裏抜けのボールを蹴って、サンデーに勝負させていた。
また、今日の小島は中盤で配給に勤しみ、このゴールみたいな浮き球スルーを何本も披露していた。
その後も互いにボールを握り、中盤で体をぶつけ合うインテンシティ高い展開で、やや大宮ペースで試合が進む。
28分には、アンデルソンとバルセロスがたった二人でカウンターを完結させるが、シュートは加藤が辛うじて触って難を逃れる。
しかし直後の30分、ゴール前のセカンドボールを拾われ、高木のスルーパスで抜け出した渡が左足を振り抜き、同点に追いつかれてしまう。
更に34分、相手ゴールキックの流れからシルバのパスがインターセプトされ、ショートカウンターを食らい、最後は右サイドを超速で一気に切り裂いたバルセロスにGKとの1対1を決められ、あっという間に逆転されてしまった。
起点となったゴールキックの落としもバルセロスの強靭さからであり、まさに強さとスピードにやられてしまった形に…。
一点を追いかける大宮は39分、抜け出しからサンデーがシュートを撃つが、GKに止められ、そのまま1-2とリードを許して前半終了。大宮の支配率は51%と、互いにボールを握って中盤で潰し合うような前半だった。
その中盤の守備では、大宮の狩りが機能していたが、いざその狩り場を抜けられると、バルセロスに眼前にできたスペースを突っつかれてしまっていた。
徳島にそこまで決定機は多くは作られなかったけど、数少ないチャンスをきちんと決め切られてしまったなー。
大宮の攻撃面では、サンデーの裏抜け、カプのレイオフ(とファールを貰ってからのFK)、関口のサイド突破などからいいシーンを何度か作れたが、前半は1点止まりであった。
試合展開 後半
後半からメンバーチェンジはなかったが、51分に徳島は渡から裏抜け★デイビッドにチェンジ。前線3枚を能力の高い外国人で揃えてきた。
前節と同様、初速が速いディビッドは、カウンターにシフトし始めた徳島の狙いを受け、裏を狙い続けていた(*58分のディビッド抜け出しを潰した関口や、67分のシュートコースを限定した大宮の守備は良かった)。
デイビッドに交代直後、右で作られた後に逆サイドに送られて、最後はアンデルソンがシュートも、村上が気迫のスライディングブロック!一点もののピンチを防ぎきった。
61分には大宮も、サンデー・豊川・津久井→健勇、谷内田、泉の3枚代え。
この辺りから徳島は守りに入ってきて、攻撃時は後ろ三枚残す感じで大宮のカウンターにケアしつつ、攻撃は前線の外国人3人の個に託す感じに。とはいえ、ガチガチに引きこもるのではなく、中盤からのプレスは引き続きインテンシティ高く来ていた。
大宮も強く当たりに来る徳島を利用する形で、(特に カプが)相手陣地内でファールを得て、利があるセットプレーの空中戦からの得点を狙う。が、今日はセットプレーからの得点は得られなかった。。。
後半の中盤以降は大宮が圧倒的にボールを握り、守りに入る徳島に揺さぶりをかける。
徳島もサイドはある程度やられたとしても、中央は人数を集め、簡単にはシュートを撃たせない。
谷内田の振り向きざまシュート、健勇ヘッド、健勇の落としからの谷内田のシュート、小島のシュート、FKから村上のヘッド、等々、大宮がゴール前まで迫っていいシーンを作るが、中央を固める徳島に跳ね返される。
82分にシルバ→ラッソの交代。
前線をラッソと健勇の2トップにし、トップ下にカプリーニが移動。ただカプはトップ下の位置にとどまらず、フリーマンとしてピッチ全面を動き回り、ボールの引き出し&運び屋として最後まで働きまくっていた。
徳島もラスト山越をボランチに入れて(←!)中央を固めて、逃げ切りを図る。
大宮は1点を追いかけるも、パワープレイで健勇とラッソに早めに入れる事はあまりせず。最後まで徳島を押し続けるも、ゴールを割れず、無念のホイッスル。1-2で敗北に。
最終的なシュート数は「大宮:19 VS 徳島:10」と、後半撃ちまくった大宮が上回った。枠内も14本と確率が高かったが、先取点以降はゴールネットを揺らす事ができなかった。
ゴール期待値も「大宮:2.04 VS 徳島: 1.33」と、大宮が上回ったが、数少ないチャンスを徳島にきちんと決められてしまった格好に。。。
雑感
負けたかー
大宮としては中盤での密集形成からの狩りの成功率は高く、ゴール前にも多く迫れていたが、決定的なフリーのシュートは中々撃てなかったなー。撃てたとしてもゴール前に人が密集している状況で、その辺りの徳島の中央の硬さは流石であった。
徳島も怯まずに前からプレスに来ていて、互いの中盤のバチバチの肉体バトルは、見ていて面白かった一方、試合後、疲労感がどっと出てきたような試合だった。観戦してるだけでもそうだったので、選手の疲労は計り知れない・・・。
徳島もバルセロスを軸とした前線の個から逆算して用意してきたやり方(アンデルソンの落としや、爆速バルセロスを走らせる 等)を遂行しきり、少ない決定機を決めきってきた。バルセロスのスピードはさすがでしたね。
後半はある程度カウンターシフトしてきたが、時折見せる前線3枚の個の突破はやはり怖かった。
ということで最終戦を前に、今節を踏まえた現状確認。
順位 チーム 勝ち点 (得失点差) *次節相手
3位 千葉 66 (17) *今治
4位 徳島 64 (21) *長崎
5位 大宮 63 (22) *山口
6位 仙台 62 (12) *いわき
7位 磐田 61 (7) *鳥栖
今日の敗戦で、残り1試合を残して大宮の自動昇格は完全に消滅。順位も2つ落として5位に。
勝ち点的に到達できる最高順位は、千葉・徳島がこけてくれた場合の3位。POを優位に戦うためにも、山口戦に勝って、一つでも高い順位でフィニッシュしたいところ。
ただ、PO進出はまだ確定ではなく、山口に負けて、磐田と仙台が勝つと、7位に転落してしまうという、まだまだ油断はできない状況。
*得失点差的に、コレ以外のパターンはPO進出できる
山口に引き分け以上でPO圏は確保できる立場であり、最終節は「負けない」戦い方も選択肢の一つとして取ることも必要になってくる。この辺りの冷静なチームマネジメントも、最終節は必要になってきそう。
ともあれあっという間の2025リーグ戦であったが、残すは最終節のみ。
POを上の順位で大宮の地で戦うためにも、悔いが残らないよう、最善を尽くしてほしいっすね!
