【プレビュー】第37節 RB大宮アルディージャ VS 徳島ヴォルティス
徳島の主なデータ
5位 17勝10分9敗
42得点 22失点
得点数:12位
ゴール期待値:16位
チャンスクリエイト数:5位
シュート数:8位
パス数:6位
ボール支配率:4位
クロス数:19位
1VS1勝利数:6位
失点数:1位
被ゴール期待値:1位
被シュート数:4位
タックル数:2位
ファウル数:1位
インターセプト数:6位
クリア数:15位
ブロック数:19位
こぼれ球奪取数:20位
空中戦勝利数:18位
*順位はいい方から
大宮と勝ち点2差で5位につけ、自動昇格圏への挑戦権を争っている徳島。
御存知の通り、カチカチの守備の硬さでここまで来た徳島。36試合で22失点は、ちょっとバグが入っているレベルである。失点数2位の水戸ホーリーホックが32失点であることからも、ホントに異質な数値であることがわかる。
被ゴール期待値や被シュート数の高い数値からもわかる通り、チームとして高いレベルで守備ができている感じ。今まで徳島の試合を何試合か見てきたけど、別にブロックに引きこもって、ガチガチに固めて守備だけに専念するって感じではなく、前から迎撃してくる守備をしてくる。
あまりイメージはなかったけど、タックル数が多く、必然ファール数も多い。ファールはリーグで1番多いんだ。
ただセカンドボール回収はあまり得意でない感じで、空中戦も苦手としている。
一方の攻撃のデータだけど、チャンスクリエイト数はいいものの、ゴール期待値と実際の得点数はリーグ平均を下回る。それでも守備の硬さも相まって、得失点差は+20を誇る。
パス数とボール支配率も高いことから、基本的にボールを繋いでポゼッションしながら攻めてくる感じ。
なお、空中戦があまり強くない事もあり、セットプレーからの得点数はリーグワーストだとのこと。空中戦が弱いためか、クロス数も少ない(撃ってない)。
前回の対戦
2025/3/30
第7節
徳島VS大宮 1-0
得点: 57分:鹿沼
@ポカリスエットスタジアム
*現地観戦*
まだ寒さの残る3月に開催。スタジアムは強風が吹いていて、大宮は前半は風上、後半は風下に立つことに。
3-4-2-1布陣から左CB青木を上がらせて4バック可変し、中盤の児玉・鹿沼・杉本が自由に動きまくり大宮のプレスを混乱に陥れる。おかげで大宮は得意の奪ってからのカウンターを中々発動させられない。
風下に立った後半は裏抜けロングパスも有効に使えなくなり、カプリ―ニを入れて巻き返すも、徳島の硬い守備を打ち破れない。
元大宮の山越が起点となったカウンターから、最後は鹿沼のミドルシュートで取ったゴールを徳島が守りきり、1-0で敗戦。
今シーズン初めて、内容でも上回られてしまった敗戦であった。
前節の徳島のやり方 (VS ヴァンフォーレ甲府)

陣形はアンカーを置いた3-1-4-2システム。
この試合、MF鹿沼と、10月のJ2 MVPも獲得した絶好調のFWバルセロスが出場停止なのに加え、MF永木も肉離れで離脱中。そのため2トップは、トニー・アンデルソンと渡のコンビになり、アンカーには児玉が入った。
*通常のアンカーは永木だが、怪我離脱後は鹿沼がアンカーで、児玉が一列前のIHに入る試合が多い
IHには杉本と、半年ぶりのスタメンを勝ち取った玄のコンビ。玄はスタメン抜擢に応え、この試合では素晴らしい活躍をしていた。
最終ラインの右CBに陣取るのは元大宮の山越。堅守徳島を支え、前回対戦では試合の流れを一変させる素晴らしい縦パスを入れていた。
守備時は前線からマンマーク気味に甲府のDFラインにプレスをかけ、高い位置で奪ってから即時カウンターに繋げていく感じ。
甲府に押し込まれた場合は、IHがアンカーに組み込まれた5-3-2で受ける感じだが、ブロック組んでどっしり構えて守るというか、試合を通じて即時迎撃に行っていた印象が非常に強い。決して引きこもりサッカーをやっているから失点が少ないってわけじゃあないんだよね。

ビルドアップ時は左CB青木が上がる、左肩上がりの陣形。
アンカーの児玉が2CBと三角形を作ってビルドアップを支えるやり方で、徳島は基本この三人で後方のビルドアップをしていた(*GK田中が2CB間に入ることもあり)。
左CB青木に押し出された左WB高木と、逆サイドの右WBエウシーニョは前線まで上がっていって、高い位置で相手WBをピン留めする感じ。
エウシーニョが高い位置を取るため、その背後の右サイドに広大なスペースができるのだが、ここを埋めていたのが右IHの玄。
玄はエウシーニョが空けたサイド際のみならず、アンカー児玉の脇や、2列目など、広大な範囲を動きまくって右サイドのスペース管理をし、徳島の効率的なビルドアップを裏で支え続けていた。守備時のプレスによる狩り取りも多く、玄はスタメン抜擢に応える素晴らしい働きをしていた(この試合の個人的MVP)。
スペース管理と守備とで後ろに残りがちな玄と比較し、人数が多くなる左サイドのIH杉本は前目に位置し、2FWと共に攻撃に関わる事が多かった。
前節の徳島 試合内容 (VS ヴァンフォーレ甲府)
ブロックを組んでカウンターを狙う甲府が相手ということもあって、ボールを圧倒的に握ったのは徳島。
後方からビルドアップを開始する徳島のCBに対し、甲府のFWがプレスに行くが、徳島はことごとくドフリーのアンカー児玉を介して簡単に前進する事ができていた。
甲府は前半、全くといっていいほど児玉のチェックがなされていなく、徳島は楽々ビルドアップができていた。
逆に甲府のビルドアップに対しては、先述した通り、徳島がマンマーク気味に高い位置からプレスに行く。
徳島のプレスによって、甲府はビルドアップ時のミスが続発。徳島は何回も高い位置でボールを奪い、即時カウンターでチャンスを構築。この試合の徳島の平均ボール奪取位置が41 mだった事からも、ハイプレスを呼び水に高い位置でボール奪取ができていた事がわかる。
そのため前半は圧倒的にボールを握る徳島に対し、ブロックでなんとか耐え続ける甲府といった展開に。
甲府も、早めに前線のネーミアスにボールを預けて全体を押し上げようとするが、周りのサポートが遅く、狙っていたロングカウンターまでは繋げられない。ネーミアスは前線で一人ポストで奮闘していたが、ちょっと孤立しすぎていて、その頑張りが報われない感じであった。
甲府はレイリアと鳥海の個人技術に寄った前進と、セットプレーぐらいからしかチャンスを作れない感じ。
押し込む徳島は18分、CKをニアでそらし、フリーのエウシーニョがフライングボレーでゴール。苦手なセットプレーから幸先よく先制した。
また、41分には高い位置のスローイングの流れから上げたクロスを、中央でドフリーになってた渡が頭で押し込んで追加点。
どちらも中央で徳島の選手をフリーにさせてしまっていたので、ちょっと甲府的にはどうしちゃったの?といった守備であった。
とのことで2-0と徳島がリードで前半終了。
とにかく徳島がボールを握って押し込み続け、守備でも前線からのプレスで甲府のビルドアップを許さず、ボール奪取からカウンターに繋げまくっていた、完全な徳島ペースの前半であった。
甲府としては最大の決定機だった、43分のロングカウンターからのGKの1対1を、鳥海が決められなかったのが悔やまれる。
後半開始から甲府はCB一人を代えると共に、1トップをネーミアスからユースの星、内藤に変更。前線で孤立気味だったネーミアスから、ハイプレスに行ける内藤に代えて、徳島のビルドアップに規制をかけたいがための交代だったと思われる。
そんな甲府は54分、右から前進し、中央を経由して一気にスペースのあった左サイドへ展開。左からのクロスを中央でボランチの田中が合わせて、1点を返し2-1に。
徳島としては、クロスを上げられたサイドを担当する玄が直前のプレーで倒れ込んでいて、本来はその玄がカバーできていたはずのスペースを使われてしまった感じの失点であった。だので守備にほころびがあったというかは、事故的なちょっと不運な失点ではあった。
徳島は57分、FW渡→デイビッド、SBエウシーニョ→柳澤と交代。
デイビッドのプレーは多分初めて見たんだけど、初速が非常に速い、ラインブレイカータイプのFW。この試合でも快速を活かし、何度も裏抜けを成功させて、ゴールにあと一歩のとこまで迫っていた。
ナイジェリアから福知山成美高に留学し、徳島でプロ入りしたという経歴だったり、裏抜けが得意な快速FWだったりと、サンデーとかぶる点が多い、今後の飛躍も楽しみな選手。
デイビッドは19歳なので、サンデーの方が3歳先輩になる感じね。
さて、前半よりかはボールを回せるようになった甲府だったが、基本は徳島がボールを握る展開で後半も進む。
61分にはアンカー児玉のミドルシュートが決まり、3-1と徳島のリードは2点に。
更に71分には、スローイングからのアンデルソンの落としを、途中出場の左WB宮崎が見事なミドルコントロールショットで4-1とした。今夏甲府から移籍してきた宮崎(第2節大宮戦では、泉と1対1勝負をいっぱいしてたなぁ)は、見事な恩返し弾を甲府にお見舞いした形に。
3点差ついて楽になった徳島。最後は開幕前の怪我で長期離脱していた、チームの象徴である岩尾も復活投入し、危なげなくクロージング。
絶対的エースのバルセロス不在の中、4得点を奪う大勝で甲府を退けた。
ボール支配率65%が示す通り、圧倒的に徳島がボールを握った一戦。
ゴール期待値は「徳島:1.52 VS 甲府:0.76」と、徳島のWスコア勝ちとなった。
シュート数は「徳島:15 VS 甲府:10」と、印象より甲府も撃っていた感じ。ただ、徳島の枠内シュートは14本と、放ったシュートがことごとく枠に行っていたという中々驚きのデータに。
大宮展望
前節、首位の水戸ホーリーホックとの天王山を勝ちきった大宮にとって、自動昇格圏のためには負けられない、順位の近い徳島との大一番となる。
徳島は恐らく、欠場明けのバルセロスと鹿沼がスタメンに戻ってくると思われる。
中盤はアンカー鹿沼で、IHは杉本・児玉になるのかな?甲府戦で大活躍だった玄が引き続き使われるかもだけど。
2トップは恐らくアンデルソンとバルセロスのコンビに。10月以降、得点しまくっているバルセロスは、スピードと強さを兼ね備えたホントに危険なストライカー。
徳島戦では吏音が黄累積で出場停止となるため、大宮のDFラインの組み合わせがどうなるかが気になるところ。
CBの組み合わせは、福井×村上?それともイヨハ×村上?
ガブ様が、この2週間の準備期間で復活してくれるとかいう熱い展開にも期待★。
左SBは累積明けの下口か?前節守備力と高いフィード能力を見せてくれたイヨハになるか?左SBには、高い位置で半分FWのような役割を持ったエウシーニョを抑えるという、大仕事が任される。
左肩上がりの4バック気味(4-1-1-4)に変化する徳島のビルドアップに対し、大宮の4-3-1-2守備は結構噛み合わせがよく、プレスには行きやすいと思われる。
甲府戦のメンバーで言えば、アンカー児玉には豊川、SBの位置に開いたりするIH玄には津久井、前目のIH杉本には小島、SB化する左CB青木にはシルバといった感じで、中盤はダイヤモンドの4人でマンツーマンぎみにプレスに行けることになる。
甲府の場合、アンカーの児玉をフリーにさせすぎて、徳島のビルドアップを規制できていなかったので、ここは豊川でなんとか潰していきたい。
一方で大宮の3-4-1-2攻撃に対し、徳島の3-1-4-2守備の噛み合わせもよく、こちらもマンツーマンでプレスに来られそうな予感。。。最近どのチームも潰しに来ているトップ下の豊川に対しては、アンカーで徹底的にマークをしてきそう。
ともあれどちらも組織的なプレス守備に長けているチームのため、中盤でのバチバチバトルが見られそう。
ただ一方で、最近の大宮の対戦相手 (モンテディオ山形、ブラウブリッツ秋田、水戸ホーリーホック)は、いずれも大宮のハイプレスを嫌って、後ろからボールを繋いでこなくなっているんだよね。
まぁ秋田が繋がないのはいつも通りなんだけど、本来ポゼッション志向の山形や水戸も大宮にボールを預けるようにしてきてたため、徳島もそれにならって、後ろから繋いでこない戦い方を選択してくるかも。
また徳島は、甲府戦の3-1-4-2だけでなく、3-4-1-2や、3-4-2-1も対戦相手によって使い分けてくるため、どんな立ち位置で来るかは何より1番に確認したいポイント。
個人的には大宮のプレスの噛み合わせを嫌って、3-4-2-1で来るんじゃあないかなと予想してみる。
何より大事なホーム最終戦、勝利で終わらせて最終戦での昇格につなげつなげたいっすね!
