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観戦記 第34節 モンテディオ山形 VS RB大宮アルディージャ


概要

第34節
2025/10/26
山形VS大宮 2-2
  山形得点:34’ 氣田、75’ 堀金
  大宮得点:89' 健勇、90+5’ 津久井
@NDソフトスタジアム山形
*DAZN観戦*



大宮布陣


大宮 基本陣形

守備時の基本ベースは4-3-1-2

黄色累積明けのカプリ―ニがFWに戻ってきて、前節藤枝MYFC戦で負傷交代した笠原は不出場。代わりに加藤が今季初スタメンとなった。
アナウンスは無いけど、笠原は重症・・・?

守備時の基本プレス原理は、山形と同じ陣形(4-2-1-3)のジュビロ磐田戦とほとんど同じ。

2FWが2CBにファーストプレス、トップ下の豊川がボールサイドのボランチの一人をマークしてパスの逃げ道を塞ぐ。CMFの泉とシルバがSBにプレスに行き、逆サイドのCMFは中に絞って密集を作る。アンカーの小島が相手トップ下の土居をマーク。2CBで相手1TOPを見て、SBがWGを見る感じ。


大宮 ビルドアップ

ビルドアップ時は茂木と泉がWB化するいつもの3-4-1-2可変。

3バック相手だった藤枝戦では、最終ラインに残ってビルドアップに加わる事も多かった茂木だが、この試合では予想通り高く位置取っていた。
相手を押し込めた暁には下口が上がっていくのも、いつも通り。

ただ、後半からこの3バックビルドアップに手を加えていた(後述)。



山形印象

メンバーは前節のロアッソ熊本戦と変わらず、いつもの4-2-1-3
トップのディサロ、トップ下の土居、國分・氣田のWGで攻撃を組み立てる。
熊本戦ではWGが結構落ちてボールを受けるシーンもあったが、今日は高い位置に張っている事が多かった。あ、土居が下ちてこないのは熊本戦と同じくだった。

守備時は土居が上がった4-4-2プレス&ブロック。そこまでハイプレスはせず、ブロックを組む時間が長かったかな。


そして今日の山形はしっかり大宮対策をしてきた




山形の大宮対策

しっかりここ三試合の大宮の戦い方を分析して、試合開始から大宮対策を打ってきた山形。

対策① ビルドアップにこだわらない

ポゼッション志向の山形だが、今日はボールを明らかに大宮に預けるやり方を選択。後ろから繋ぐ事は非常に少なかった。
代わりにロングボールをいつもより多用。3TOPによる最終ラインの裏を狙った配給が多かった。

狙いとしては、大宮のハイプレス回避

後ろで繋ぐところをプレスで狙われるよりか、ロングボールで全て回避しちゃおうっていう、教科書通りのハイプレス対策。

おかげで今日は、試合通して大宮のハイプレスはほとんどハマっていなかった・・・。



対策② 逆サイド狙い

大宮の守備は徹底したサイド圧縮。ボールサイドとは逆サイドのCMFが中央レーン付近まで絞って、片サイドで密集を作るやり方。
*今日の大宮は逆サイドのSBが、中に絞って守備することも多かった

密集を作る事で、狩りはやりやすくなるし、ネガトラ時のゲーゲンプレスにも移行しやすいRBスタイル。

一方でその密集を突破されて逆サイドに運ばれると、一気にスペースを使われてしまう弱点もある。

今日の山形はサイドで作った後、逆サイドに展開し、この大宮の弱点を頻繁に突いてきた

例えば、ビルドアップ時にSBにボールを出して、大宮の選手を十分引き寄せた後、対角線の斜めのパスで中盤でフリーの選手に配給していた。

あとは例えば28分の山形の最終ラインからのビルドアップ時に、プレスに行った大宮が前に食いつかされたシーン。
シルバが本来のマーク相手のSBから、CBにジャンプしてプレス。空いたSBにはマークの縦スライドをした茂木がジャンプしてプレス。茂木に連動して、村上・市原・下口が右に1枚スライド。
この一連の流れで大宮のマークをスライドさせてズラしたことで、フリーな選手(下口がマークしていた右WG氣田)とスペースを作り出すのに成功した山形。
あとは中央に入ってきてパスを受けたフリーの氣田が、広大なスペースを楽々運んで、がら空きの逆サイドの右SB岡本を使ってフィニッシュまで繋げていた。

この28分のシーンでは得点までは至らなかったが、大宮の選手を食いつかせといて、逆サイドにスペースを作らせる、山形の狙いが見られた象徴的なシーンだった。

ともかく今日の山形は中央ではなく、奪ったら外に預けてスペースを作るやり方を徹底。
特に前半は左サイド(大宮の右)を徹底的に使って攻めていた。



対策③ 守備

先述の通り、守備時は4-4-2ミドルブロック中心。

特にトップ下の豊川にはボールを入れさせないよう、ボランチの2人の内の一人がマンマークぎみにマークをしていた。
またサイドでの守備にも命を懸けており、特に右SB岡本が獅子奮迅の働きで、大宮のサイド攻撃を一人で防ぎまくっていた。

おかげで大宮はサイドでボールを握れど、中央で決定的なシーンをほとんど作れていなかった



試合展開 前半


前半は山形のペース

先述の通り、ここ最近の大宮のやり方をしっかり研究してきたであろう感じで、大宮対策を打ってきた。

サンデーとカプの2人でハイプレスで狩りに行っても、ロングボールでうまくかわされ、更にサイドに追い込んでも、うまい具合に逆サイドに送られてスペースを使われるシーンが続く。

開始直後の2分、左で作られた後、右SB岡本のお手本のようなダイアゴナルランでゴール中央に走りこまれ、最後は右のフリーの氣田にシュートを撃たれたシーン。
いきなり逆サイドをうまく使う山形の狙いを実現させられて、不穏な空気が…。

先述の28分のピンチシーンに引き続き、34分に失点
中盤での互いのトランジッション合戦の中、山形の左サイドで小島が二人に囲まれてボールをロストしてしまい、カウンターを受ける。その後、2分や28分のシーンの録画のように中央のスペースを使われて、数的優位を作られ、最後は氣田に決められてしまった。

試合開始から再三山形に狙われていた、大宮のシステムの隙きを突かれたような失点。ネガトラカウンターで守備陣形を揃えられなかった側面はあったけど、山形にいいようにやられてしまった形に。
狙い通りの山形は、してやったりだったんじゃあないかな?


という事で、山形に守備の嫌なとこを突っつかれまくっていた大宮。一方の攻撃について。

今日の山形はいつもと違いポゼッションにこだわりはなく、プレス回避のためにボールを握ったら前線に早く入れていくサッカー。
そのため、大宮がボールを握る時間が長くなる (前半の保持率55%)。


しかし大宮の攻撃は停滞
そこまで山形がハイプレスしてこないので、相手陣内までは運べるものの、最後のアタッキングサードで苦戦してしまっていた。

山形は4-4-2ブロックで、中盤の中央を徹底封鎖。特に豊川へのパス通路は許さない感じ。そのため大宮はサイド攻撃が主体となり、3-4-1-2可変でWBとなった茂木と泉にボールを預ける。

・・・が、山形の両SBがサイドに蓋をし、大宮にサイドをやらせない。

特に右SBの岡本は泉の1対1を完封しており、右サイドからの攻撃を一人で封殺していた!
守備だけでなく、岡本は先述の左で作ってからの、右でのフィニッシュにも多く絡んでおり、攻守に渡り山形で1番厄介な相手だった。


ということで中央突破も駄目、サイド攻撃も駄目ということで、シュートまでほとんど行けない大宮。サンデーへのロングボールも中々収まらず、トップの2人がゴール前でボールにさわれない時間が続く。


途中から茂木の基本の立ち位置を上げた事で、右からの攻撃は若干回るようになり、前半の最終盤にCKからの吏音のヘディングや、44分の茂木のクロスからの豊川ヘッドなど、やっとシュートまで行けるシーンを作れた大宮。
しかし、1-0とリードを許して前半終了


シュート数は「山形:5 VS 大宮:4」と同数で、支配率55%とボールも握った大宮だったが、何より大宮対策をしっかりしてきた山形が、大宮を封じきることに成功した、山形のペースの前半であった。


試合後の宮さんのコメントも「前半は山形に研究されて、大宮がやられたくないことやられた。1対1にさせないため、密集を作りたかったが、作れなかった」的な感じで、全くもってその通りだよねーという感想の45分間だった。





試合展開 後半


後半からの交代は無し。

ただ大宮は攻撃時のビルドアップ方法を変更し、3-4-1-2から4-4-2 (4-4-1-1)にしてきた (守備時4-3-1-2は変わらず)。
ハイプレスをあまりしてこなかった山形に後ろ3枚残す必要がなく、下口も茂木と同等の高さまで上げて、後ろはCB2枚でビルドアップをする形にしてきた感じ。

また、前半封殺されていた泉を高い位置に上げて、そのフォローにSB化した下口をもっと絡めていきたいところ。

前半やられていた右サイド(山形の左サイド)の守備に関しても、前半と比べてSBへのシルバのアタックが早くなって、より右に人数を集めるようにしていたように見えた (49分のシーンとか)。



前半より攻撃に人数を割くようにしてきた大宮だったが、そこまで好転はせず、前半と同じようにボールを握ってサイドの高い位置までは持っていけるが、中央の怖い攻撃までは繋げられない感じで進む。

いいシーンまで繋げられた時は、大抵サイドからの斜めのパスで、中央で豊川がボールを受けられた場合であった。逆に考えると、大宮のチャンスが少なかったのは、攻撃のスイッチを入れられる豊川にパスが入らないよう、山形がうまく対応できていたってことでもある。



という事で大宮が交代策。

64分にサンデー→健勇、泉→津久井、74分に豊川→谷内田。立ち位置はそれぞれ前任者を引き継ぐ感じ。

中央の前線で健勇がキープすると共に、封鎖されていた左サイドを津久井でなんとか切り裂いていきたい感じの交代。谷内田は2試合連続でトップ下を務め、藤枝戦で見せていたようなスルーパスで、硬い山形の最終ラインを打ち破りたい。



しかし直後の75分に山形に追加点

左サイドのスローイングから、土居がワンタッチで縦突破。土居のクロスの折り返しを、中央でフリーになっていたFW堀金がヘディングで押し込んだ。

土居のアイディアが光った得点だったが、恐らく土居も逆サイドに大宮の選手がいない事をわかった上でのクロスだったかと思われる。断言はできないけど、これも大宮を分析して狙っていた得点だったんじゃあなかったかな?

ともあれ、後半の山形はあまり前に前に来ていないとはいえ、ちょっとあの4-4-2ブロックを崩すのは難しいなーとは思っていた中、敗北も頭によぎる痛い痛い失点…。

大宮は残り15分+αで最低2点を取る厳しいミッションに挑む事に。



83分には最後のカードを切って、カプ→藤井で前線に活を入れると共に、下口に代わり和田が入ってきた。DF削って攻撃的な布陣に変えるの!?…とか思ってたけど、和田さんはそのまま左SBのポジションに。

大宮サポとしては左SBのイメージが強い和田さんだけど、実際に見られるのは移籍前の2017年以来!?
とにかくユーティリティぶりには頭が下がる次第。今の戦術的に、スペース管理と広い守備範囲を持ってる和田さんがベンチにいるのは本当心強い。


そしてその和田さんから反撃の狼煙が。

89分、左サイドで受けた和田さんがボールを握って中に入っていき、中央の谷内田にパス。谷内田が落ち着いてスルーパスを出し、受けた健勇が素早い反転からゴール左隅に流し込んで2-1と1点差に縮める


そして更に更に試合終了直前の95分、試合開始からここまで走り続けた茂木が、右サイドのフリースペースに走り込んで直接クロスを上げる。これを健勇が頭一つ高く飛んで折り返したところへ、中央に入り込んでいた津久井があわせて同点ゴールを決めた!


健勇の高さとゴール前の冷静さ、谷内田の視野の広さと正確なスルーパスが光った2得点。
そして2点目の津久井は、最初逆サイドにいながら、健勇が高さで勝つことを信じ、中央にポジションチェンジをした事がチームを救った。


とにかく劣勢が続き、戦術的にも手詰まり感があった中。交代選手がそれぞれの役割を全うした、起死回生の同点撃!
攻撃の形とか、崩しきるとか、細けぇ事はいいんだよ!


そして大宮がラストのラストで追いついたところで、ホイッスル。
負け濃厚の中、最終盤の2得点で2-2で試合は終了した




雑感

最終的なシュート数は「山形:7 VS 大宮:11」、ゴール期待値は「0.83 VS 1.42」と、数字上は大宮が上回った試合。

ただ、内容的には山形の方がまさっていた印象が非常に強い。

ハイプレス回避のロングボール、相手を引き寄せてからの逆サイド攻撃、奪ってからサイドへ、4-4-2ブロックと豊川封じ、サイドでの泉封じ等々、しっかりとした分析の上で、大宮相手にやりたい事と、試合前に用意してきたやり方を十二分にピッチ上で表現できてたのは、山形であった

特に逆サイドに展開してからの攻めは、やっぱりやってくるチームは出てくるよねーって感じで、今後も大宮相手にここを突っついてくるチームが多くなると思われる。

逆にそこを徹底的に突かれた時に、どう宮さんが修正してくるかってところも、今後の観戦ポイント(←楽しみ)かなぁとも思う。



でもまぁ、このシーズン終盤戦で完全な負け試合を同点まで持っていけたのは、非常に大きい!
試合展開や内容が悪かったとかは、ここまできたら二の次二の次!


ただ上位陣では水戸ホーリーホックが勝ちきったのに加え、ベガルタ仙台が劇的な逆転勝利をあげて、大宮は一つ順位を下げて6位に。
残り4試合で自動昇格圏とは勝点6差とギリギリの差であると共に、PO圏外の7位サガン鳥栖とは1差という、ヒリヒリした展開。


水戸に加え徳島ヴォルティスとも上位対決を残している大宮は、まだまだ自力で上に上がれる可能性を残している状況。
今日のギリギリでもぎ取った勝点1に意味を持たせるのは、残り4試合の戦い次第ッ!


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