【プレビュー】RB大宮アルディージャ VS 愛媛FC
愛媛の主なデータ
20位 1勝8分8敗
19得点 31失点
得点数:14位
ゴール期待値:20位
チャンスクリエイト数:16位
シュート数:18位
シュート決定率:5位
失点数:19位
被シュート数:16位
被ゴール期待値:16位
タックル数:7位
インターセプト数:6位
ブロック数:2位
空中戦勝率:19位
ボール支配率:13位
こぼれ球奪取数:17位
*順位はいい方から
最下位に沈んでいて、中々難しいシーズン前半戦を過ごしている愛媛。ここまでわずか1勝しかあげられていない。
ただ負け数はそこまで多くなく、引き分けが多いため、各試合でもう1点取って勝ちにまで持っていければ、後半の巻き返しも期待できるかもしれない。
ゴール期待値、チャンスクリエイト数、シュート数いずれも低い中、得点数は14位と上振れしてるのは、シュート決定率がいいからかな?無理してシュートを撃とうとはしてないって見方もできる。
守備データもあまりよろしくなく、17試合で31点 (19位)も取られてしまっている。ブロック数2位も、攻められているからブロックが多くなってる…とも考えられる。
そんな中でもタックル数やインターセプト数が多いのは、中盤でデュエルを多く発生させてるって感じなのかな?
ただ、最下位という現状を鑑みて、愛媛フロントは5/21に監督交代を決断。2023年J3優勝を成し遂げた石丸監督から、青野ヘッドコーチを暫定監督に内部昇格させた。
内部昇格という事でそこまで大きくやり方を変えるとは思えないが、これら各種データとは全然違うサッカーをやってくるかもしれない。
前節の愛媛 (VSサガン鳥栖)
天皇杯を1試合挟み、青野監督下での初のリーグ戦は、鳥栖と相対する事に・・・!

監督交代によるテコ入れのまず一つは陣形の変更。
開幕から4-4-2で戦ってきたが、3-4-2-1を採用して守備の改善を図る。
前週の天皇杯で同システムは試行済みだが、監督いわく3バックは即席だったとのこと。守備改善の期待なのか、左CBには長身190 cmのスカレゼをリーグ戦初スタメンで抜擢してきた。
スタメンには22歳前後の選手が並ぶ、平均年齢が非常に若いチーム(ベンチのGK徳重は除く(笑))。愛媛とはカテゴリーが長らく違かったこともあり、この辺りの選手の特徴に関する予備知識がほとんど無い……(未熟)。
トップの村上はポストだけでなく、何でもできる万能型のイメージのFW。あと、試合見た感じだと、中盤の深澤が攻守の要っすね。
愛媛の守備の根幹はとにかくハイプレス。監督も試合前に「選手にはハードワークしてほしい」と述べていたのは、まさに本音のとこだったと思われる。
同じ3-4-2-1の鳥栖にミラーゲームを仕掛け、マンマークで自分の迎撃相手にプレスをガンガン仕掛けていく。鳥栖の3TOPにボールが入った時なんかも、各CBが自分の守備ゾーンを捨てて迎撃に行き、前を向かせないよう潰しに来てた。
特に鳥栖のスリヴカは、中盤に落ちてきて組み立てに加わるゼロトップ的な動きが得意な選手なんだけど、そのような動きをした時も、中央CBの吉田がかなりの距離を走ってスリヴカを潰しに行ってたシーンが象徴的だった。
ハイプレスが実り、相手ゴール前で奪取してそのままシュートに持ち込めたシーンも何度かあったが、鳥栖のGK泉森のファインセーブに阻まれる (←やっぱ泉森はいいGKだなぁ)。
一方でハイプレスの弱点を突かれる場面も。ハイライン&ハイプレスで相手GKまで追っていったところを、ロングボールで裏返され、ボールは前線のスリヴカへ。CB吉田が迎撃に向かうも、スリヴカが振り向かずにDFラインの裏の広大なスペースのWB新井に意表を突くパスを出す。抜け出した新井がGKと1対1を難なく決めて、鳥栖が先制。
愛媛のハイプレス&ハイラインの弱点を突き、相手に振り向かせないように守ってくる愛媛DFの考えを逆手に取った、スリヴカの頭のよさが光ったゴールであった。スリヴカは周りを使うのがうまいよねー。
あ、愛媛は失点に動揺したのか、その直後、CKからオウンゴールで連続失点。2点を鳥栖にリードされてしまう苦しい展開に。
愛媛の攻撃は思っていたより後ろから繋いでいくイメージ。
左右両端のCBが結構開いて、その間にボランチが入って後ろ4枚気味で組み立てるやり方も目についた。
両端のCBはシステマティックにが上がっていくというか、隙きを見つつ自己判断で上がって行く感じ(←違ってたらスミマセン)。特に左CBのスカレゼはそのフィジカルを活かして、左サイドの高い位置で攻撃に絡んでいた(攻撃が結構好きそう)。
このスカレゼの攻撃参加も含めて、基本的には左サイドで組み立てて前進していく感じ。
逆サイドの右WB黒石はタッチライン際の高い位置で張っていて、適宜対角線のロングフィードを受けて、空いたスペースを利用していた。
先述のハイプレスからのショートカウンターであったり、左サイドからの組み立てであったりで、結構チャンスクリエイトまでは行けてのだが、最後のシュートに繋げる事が中々できず、前半はわずかシュート2本に終わってしまった愛媛。0-2のビハインドで後半戦へ。
監督交代した愛媛がどんな戦い方をしてくるかわからず(実際、3バックに変えてきた!)、前半はある程度様子見だったところもあった鳥栖は、後半から攻勢に出る。
お久しぶりに出場の酒井宣福 (元大宮♪)をトップに入れて、ハイプレスの圧を強くしてきた (スリヴカは中盤に下がって、プレス回避に貢献)。以前見たジェフ千葉相手の時みたいに、愛媛に前からプレスを仕掛けていく鳥栖。
ミラーゲームの利点を活かし、前半と後半でプレスをする側/される側が逆転したみたいな展開。
鳥栖のテコ入れによるプレス回避策が功を奏したのもあったけど、愛媛は愛媛で前半のハイプレスが足に来たのか、中々前からのプレスに行けなくなったのも、プレスが逆転したように見えた一つの要因か。
実際前半を見てた時、愛媛のこのプレスの仕方を試合通してやり続けるのは体力的にも難しいよなーとは思っていた。
この辺りの後半の入りを見て、愛媛は早々に陣形変更を決断。ボランチを1枚削ってFWを投入。システムを3-4-2-1から3-1-4-2に変更し、アンカーには攻守の要である深澤を配置してきた。
狙いとしては、ミラーゲームにズレを作って鳥栖のハイプレスをかわすってのと、前線に人数増やして2点ビハインドをひっくり返したいって感じだったのかな?
その後、FWとシャドーの選手も適宜交換し、前線からのプレス強度を回復させにもかかっていた。
愛媛は陣形変更後もそこまでプレス回避と攻撃にベクトルを向けられず、ペースを握るまではいたらなかったが、72分に鳥栖の完全なパスミスをかっさらって1点を返す。結果的に鳥栖は、この無駄な失点が後々効いてしまった。
残り5分を切ったぐらいから、鳥栖は5-4-1ブロックで完全に守りに入る。
鳥栖のプレスから解放され、ボールを握れるようになった愛媛が前線に人数をかけて同点を目指す。
何本か惜しいシュートがあった中、アディショナルタイムに愛媛の執念が実る。右SB黒石からのクロスが中央で誰も触れず左サイドに流れた所に、途中交代の左SBの森山が利き足である左足でボレーで合わせ、鳥栖のゴールをこじ開けた。
愛媛はギリギリのところで、2-2のドローまで持っていくことに成功した。
2-2というゴールが多く生まれた試合だったが、ゴール期待値はお互い低い値 (約0.6)で互角の試合となった。ただ愛媛のゴール期待値は、終盤の猛攻で一気に稼いだ感じだったので、80分までの期待値はもっと低かったと思われる。
愛媛注目選手
8 深澤
中盤のボランチで、後半途中からはアンカーとなり愛媛の攻撃のタクトを握っていた。
攻守にレベルの高いプレーを見せていて、マークする相手のボランチを撃退して中盤の網となったり、中盤の底から組み立てを行って、攻撃面でも大きく貢献していた。
19 黒石
左で作ることが多い愛媛にあって、逆サイドの高い位置で張って、サイドチェンジからの突破を目指すSB。いざボールを受けた時は鳥栖のサイドのスペースを上手く利用していた。
大宮展望
天皇杯開催で1試合未消化となっていた大事な一戦。この試合に大差で勝てば、千葉を上回って首位に立つ事ができる。
しかし、守備の柱である吏音がU-20代表選出で不在ということで、守備の再編が必須の状況。本来は濱田が中央に入ってくるのだが、その濱田も骨折で離脱中という事で、一体誰が選抜されてくるか?
中央CBとして数試合使われていた中山だが、大敗したいわき戦後、CBとしての出番は無し。後ろから繋いでったり、愛媛のハイプレスをかいくぐることを想定するなら、足下の技術がある中山を使いたいところだが、現状のCB中山をテツさんがどう評価しているか?
天皇杯の筑波大戦のように、村上を中央で使う事も十分考えられる。
初めから4バックで行くこともあり得るが、3バックの愛媛相手ではあまり4バックでの守備のメリットを感じないので、可能性は低いかな?
4バック可変させず、3-4-2-1のミラーゲームでのプレス合戦は、大宮としては結構望む所なのかもしれない。
ただ、まだ監督代わって日も浅いという事で、陣形含め愛媛が戦い方をガラッと変えてくる可能性もあり、その辺りは臨機応変に戦ってほしいですね。
