1年間で4社の薬局をM&Aした話。(やった人にしかわからないツラさ 前編)
どこのドクターも個性が強すぎる。
あるドクターは診察室に秘書がいる。
ミニスカートでハイチェアに座る秘書。
その隣で診察をするドクター。
男性患者の9割はミニスカートの秘書目当てと思われる。
夫婦でともにドクターのクリニック。
ご主人には同じクリニックで働いている愛人がいる。
奥さんも承認している。
三角関係なのだろうか?
スタッフはどんな心境なのだろうか?
そのドクターにお誘いを受け、クリニックの忘年会にも参加したが、気まずくて仕方なかった。
宗教法人にはまっているドクターもいる。
信者に使う薬を薬局から無償提供を条件に開業した。
ドクターの依頼される薬代は毎月30,000円から50,000円、薬局が負担することになっている。
処方箋を流す代わりにマージンをもらうクリニックは大多数である。
どいつもこいつも狂っている。
医者って変な奴ばっかりだ。
まぁ薬剤師もまともな奴は少ないけど。。。
その医師たちに、高坂はエリアマネージャーとしてM&Aの話を飲んでくれるように説明に回ったのだった。
最終的には2つのクリニックだけ暗礁に乗り上げたが、不正を認知したままやり過ごすことを本社も了承した。
説明周りに、1度も本社の人間はヘルプ同行してくれる事はなかった。
これで一段落するわけもなく、今度はM&Aされた薬局を落ち着かせることに。
元々このM&Aの目的は、京都の薬剤師を青森や茨城へ異動させることだった。
その思惑ははかなくM&Aの時に消えたのである。
京都の薬剤師が半数やめた。
さらに京都エリアを元々まとめていたエリアマネージャー2人も飛んだのである。
薬剤師が余剰の予定が逆に欠員状態に。
ロージアの人事課長とともに薬剤師の採用活動をするもすぐに見つからない。
派遣を頼んでもなかなか見つからない。
派遣薬剤師、青森はなんと時給8000円。
1日働いたら64,000円てこと?
エリアマネージャーをやっているのが馬鹿馬鹿しくなる。
京都の店舗からは応援をよこせ。
青森茨城からも応援よこせって。
結局、自分がヘルプに入ることに。
本当はヘルプに入ってる時間なんかないんだが、店舗を落ちつかせないといけないし、店舗のスタッフの信頼を勝ち取らないといけない。
神奈川から新幹線に乗り京都へ。2泊3日ホテルに住み込み応援を行う。
青森の店舗ヘルプは結構ハード。
朝5時に起きて高速バスに揺られ羽田空港へ。飛行機に乗って青森空港へ。
市バスに揺られること30分。
これで薬局の開店時間8時半にギリギリ間に合う。
1人薬剤師として19時半まで。
その日の飛行機はもう飛ばないので、次の日の朝、羽田へ帰る。
時には、京都の店舗でヘルプに入っているときに、茨城の店舗から午後の診察のときの薬剤師が来れなくなったと。
お店を営業できないから、何とかしてくれって。
「知らんわ、閉めちまえ!」(心の声)
言えるわけもなく、京都のヘルプをお昼で切り上げ、新幹線で東京へ。
在来線を乗り継いで茨城へ。と。
そして茨城の店舗のヘルプ、青森の店舗のヘルプと、週6日ヘルプを1年間続けることになる。
その1年間の総移動距離はどのくらいだったのだろう?
月の交通費は500,000円から700,000円。
個人のクレジットカードは上限いっぱいで使えなくなるし、奥さんからはカード使えないと怒られる始末。
散々、本社に法人カードを作るように依頼をかけたが、作る作ると言って結局最後まで作ってはくれなかった。
高坂の本来の仕事は、店舗のマネジメント、M&A後の収支の安定、本社からの月次の報告や予算作成など。
決裁書だっていくつも作らないといけない。
M&Aした薬局の従業員の雇用契約書等を統合しなきゃいけない。
でも、ヘルプばっかりでいつやるの??
移動中の時間しかない。
飛行機の中、新幹線の中、在来線の中、どこでもパソコンを開いて事務仕事をやっていた。
こんなに仕事をしたのは生まれて初めてだと思う。時間がとても大切だと知ったのもこの時だ。
(でもこの先にもっと仕事をすることになるのだけど、それはまたの機会に書こう)
そして、困った時にすぐに話が出来る関係性を作り上げ、全国の薬剤師、医療事務と考え方や人生相談も受けながら、時には退職を進めてあげたり、悩み事やキャリア相談を受けながら、店舗の人々から信頼を得たのである。
M&Aしてから1年経った頃には、
「ロージアで本社を見返してやろう!」
と、一致団結するまでになったのである。
そんないい状態になってきて年が明けた2017年2月。
ユージア本社の三輪部長から突然の呼び出しが。
(きっと、ほめられるんだろうな~、わくわく)
「言いにくいんやけど、ロージアを各グループ企業にばらして欲しいねん。」
「・・・・・え?」
次回に続く。
