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人と比べて落ち込んだから、散歩してきた #106

とある平日の午前。

幼稚園のPTAの仕事で、
次女のクラスのお母さんと、
一緒になる時間があった。

その方は、
まだ小さい4人の子どもを育てながら、
仕事もしているらしい。

PTAの仕事も熱心で、
話し方もやわらかくて、

なんだか、とても輝いて見えた。

ま、まぶしい。

ああいう人を、
“ちゃんとしてるお母さん”って言うんだろうな。

私にはそう見えた。

最近は、

人と比べても仕方ない。
自分は自分らしく生きよう。

そう思えるようになったつもりでいた。

でも、それは突然やってきた。

“それに比べて私は…”


あーもう。

考えても仕方ないじゃん。

忘れよ忘れよ。

あの方は、
スーパーお母さん。

私は、
ただのお母さん。

そう思ったつもりだった。

でも、帰りの車の中でも、
モヤモヤは全然消えてくれなかった。

こんな時はどうする?

頭を動かすな。

体を動かそう!

そう思って、家の駐車場に車を停める。

……はぁ。

全然そんな気分じゃない。

私の頭は、どうしても
“考えすぎ”ていたいらしい。

散歩に行かない言い訳を消すために、

つばの広い帽子、UVカットパーカー、アームカバー、ヤケーヌ、日傘、サングラスを装着。首にはクールミストを吹きかける。

これだけ装備すれば、
暑くもない。日焼けもしない。

言い訳もできない。

とにかく、私の頭を黙らせるには、
散歩が一番だと思った。

感情は置き去りのまま、
強制的に、いつもの散歩コースへ。

近くの大学の学生が、たくさん通る道。

この、ほぼ不審者みたいな格好で、
目が合うのはかなり恥ずかしい。

すれ違う瞬間だけ、日傘を傾けて顔を隠す。

あーもう。
本当、何やってんだか。

大事なことを忘れてた。

イヤホン!

ノリノリの、アップテンポの曲を流す。

♪〜

“ああ、今日はよく晴れてる”

“空、きれいだな”

“風が、心地いい”

さっきまでのモヤモヤは、
私に吹いた追い風が連れ去ってくれた。

私の頭ってやつは、こんなに単純だった。


1時間近く、歩いただろうか。

家に帰ってきた。

いつもより、
少しだけ長めの散歩。

運動不足な私は、
これだけでも足がじんじんしている。

つかれた〜。

でも、
なんだか、すごく気持ちいい。

着替えて、部屋の窓を開けて、
ふと気づく。

「え?!」

車のドア、開けっぱなしじゃん!

どうやら、散歩から戻って、
日傘を車に戻した時に、

鍵どころか、
ドアまで閉め忘れたらしい。

抜けてるとか、そういうレベルじゃない。

自分にドン引きしながら、

「ほんと、何やってんだか」

と、苦笑いしながら、
キーでドアと鍵を閉める。

気を取り直して、

冷たいお茶を持って、
ソファにドサっと座る。

ふぅー。

人生28年。

落ち込んだ時の自分の取説が、
また少しずつ見えてきたかも。


そう思った私は、

スマホを手にして、
この記事を書き始めた。


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