帰省という名のタイムトラベル #72
GWに義理実家のある、
地方に帰省をした。
そこは約1年前まで、
7年間住んでいた場所。
子どもが生まれてからずっと、
子育てをしてきた場所だった。
どこを通っても、
あの頃が鮮明に戻ってきた。
「この道、
幼稚園に行く時毎日通ってたよね」
「このケーキ屋さんで、
誕生日のケーキ買ったよね」
「この道でよくお散歩したよね」
そんなキラキラとした思い出が、
山ほど転がっている場所だった。
涙が、溢れて止まらなくなった。
少しだけ怖くなって、
今にいる証拠を必死に探した。
しばらく行くと、
見たことのない新しい公園が見えた。
いつも通ってた国道沿い、
近代的なデザインに、新しい遊具。
証拠をもっと増やしたくて、
私はプレイリストの中から
今年発売されたばかりの新曲を流した。
かろうじて現在に戻ってきた。
前に住んでたアパートのベランダに、
誰かの洗濯物が干してあったから。
油断するとまた涙が溢れそうで、
私たちは今日の夕飯の話をした。
古いカーナビの地図には、
まだ無いお店に行くことにした。
何も無い空き地に、現在地のマークが灯る。
そのお店で食べたハンバーグは、
驚くほど美味しかった。
私はまた、タイムマシンに乗りこむ。
あの頃と同じ店が並ぶ国道。
対向車のライトに、
また濡れた頬が照らされる。
ほんの少しだけお土産をもって、
現在へと帰ってきた。
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