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補充裁判員を経験してから、傍聴に行ってみた


1.初めての傍聴

補充裁判員を経験した翌年だったか、初めて傍聴に行ってみました。
傍聴したのは、すでに何回か審理が行われている裁判員裁判でした。
ところが法廷に入った途端、身体が固まってしまい、若干息が苦しくなってしまったんです。

そして、被告人が入ってきました。
手錠と腰縄をつけたままでした。
私が補充裁判員を務めたときは、被告人が手錠と腰縄を外された姿しか見ていません。
ただし、共犯者の証人が出廷した際には、普通に手錠をされた状態で法廷に入ってきたので緊張したことを思い出します。
あの時は事前にその認識もなく、心の準備がない状態でその姿を目にして、とても驚きました。
でも、補充裁判員が座っている席からは若干距離があるため、一瞬緊張が走ったくらいで済んだのですが、今回は傍聴席からなので目の前でその姿をみることになります。

私の息苦しさは治まらず、「やっぱり法廷を出ようかな」と思っていたところ、すぐそばに座っていた小学生とお母さんに気付きました。
一生懸命メモを取っている姿を見た時、こんなに小さな子供も勉強のために傍聴しているのだから、私も大丈夫だと思い、その後気持ちは落ち着きました。

その日はおそらく休憩までの1時間くらい傍聴して帰りました。
その日の感想は「やっぱり法廷そのものが苦手だな」というものでした。
窓がないその空間は、人間の嫌な部分がつまっているような気がして、空気が重く感じました。

2.二回目の傍聴

その後、しばらくしてからまた裁判員裁判を傍聴しました。
この日は弁護人が親しくさせていただいている方でした。
こんな表現は適切ではないのかもしれませんが、純粋に「かっこいい」と感じました。
ハキハキお話される方なので、とても聞きやすく、被告人に寄り添いながらも罪は罪として反省を促すような気持ちが伝わってくる弁護だったと感じました。

3.数年ぶりの傍聴

そして、数年ぶりに傍聴に行きました。
裁判は平日のみなので、行ってみようと思ってもなかなか行くのは難しいと思います。
今月は平日に時間が取れる状況にあったので、何日か行ってみました。
数年が過ぎたせいか、以前のように気が重くなることはなく、冷静に傍聴することができました。

裁判員裁判だけでなく、通常の刑事裁判もいくつか傍聴しました。
なかには気になって、可能な範囲で続けて同じ事件を傍聴した裁判もありました。

裁判官や裁判員の方々を見ていると、これからワンチームで結論を出していく仲間なんだなと自分の経験に重ねてみてしまいました。

検察官の被告人質問のとき、弁護人が異議を申し立てる場面を初めて見たので、純粋に本当にあるんだと思いました。

傍聴人も多かったです。
満席で入れないこともありました。
頻繁に傍聴に来られているのだろうなと思う方もいれば、複数人で来ている方、若い方がひとりで来ている姿もありました。
また、一生懸命メモを取っている方もいて、どんな方が傍聴に来ているのか見るのも興味深かったです。

4.以前と変わったと思うこと

被告人が法廷に入ってきて手錠、腰縄を外す姿は遮蔽版で見えないように配慮されていました。
はじめは、これは傍聴人のためなのかと思いましたが、だんだんとそれは違うのではないかと思えてきました。
被告人は逮捕や起訴の段階で氏名が報道されることも少なくありません。
「無罪推定の原則」によれば、「被告人は、有罪判決が確定するまでは、罪を犯していない人として扱わなければならない」とあります。
そう考えると、あの遮蔽版は傍聴人への配慮というより、被告人の人権を守るためのものなのではないかと思いました。

これまでの裁判員裁判では弁護側の資料が読みづらかったり、原稿を延々と読み上げるだけで分かりにくいという声が多かったと思います。
実際、私のときも資料はワープロのベタ打ちで(検察側は関係者の相関図があったり、時系列でまとめられていたりして、争点がすぐ分かるようなものでした)、あとで読み返すのが難しかった記憶があります。

弁護人の冒頭陳述の際ですが、最初に「これから〇分ほど説明します」と前置きしたうえで、要所要所で「この点に注目して欲しい」と論点を明確にしていました。
また、弁護人が弁護人席ではなく、裁判官と裁判員の前まできて原稿を読んだり、訴えかけたりする様子もありました。
最終弁論の時もモニターを使い、弁護人の主張が分かりやすいと思いました。

この時、傍聴席の私たちは背中越しに弁護人を見ているので、少しパフォーマンスのようにも見えて違和感がありましたが、実際に裁判員の方たちはどう感じているのか知りたいと思いました。
今はこれが基本スタイルなのか非常に気になります。

全体的に、「わかりやすく伝える」ということに日々努力されているのだと、今回の傍聴を通して感じました。
これも実際に傍聴へ行ったからこそ分かったことなので、今回行ってみて良かったと思います。

そして、近いうちにもう一度行く予定です。
その時は裁判員友達と行く予定なので、傍聴した後二人で感想を言い合うのが楽しみです。


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