辛口英語教育論 (16)―This is a pen.
さて、15日前 https://note.com/real_hare9943/n/n3e580aa008eb から、
This is a pen.:「こんな英文、現実にはまず口にしないだろう!」と、したり顔で烙印を押される典型的な文
をトピックにして、
この種の発言ってひょっとしてただの受け売りになっていないだろうか?実はあまりにも一方的で画一的な物言いではないだろうか?
という問題提起をした上で、この問題をいくつかの要因に分けて考えてみたい、としました。そして、要因分析として、
〈想像力〉〈有用性〉〈文法〉〈発音〉
といった要因を順次取り上げていきます。
と宣言しました。
4日前から〈発音〉という要因に関して考察しています。
〈発音〉(5)
まずそもそも、4日前 https://note.com/real_hare9943/n/n14322bb2114f に図示したように、
文の〈発音上の構造〉と〈文の構造〉とは往々にして〈ズレ〉ます。
また、筆者の奉ずる「ひな形方式」という枠組の下での解析動画をも紹介しました。
https://templatematching.jp/a_ball-point_pen.mp4
その際、以下の6英文はそれぞれ〈別個の〉文である、という極めて重要な点にも触れました。
(a) This is a ball-point pen.
(b) Is this a ball-point pen?
(c) This isn’t a ball-point pen.
(d) Isn’t this a ball-point pen?
(e) This is not a ball-point pen.
(f) Is this not a ball-point pen?
繰り返しになりますが、(b)―(f) は (a)(の基底にある)文が基になって〈派生される〉訳ではないのです。
(a) の文は「これはボールペンだ」と思っている人の発する文なのに対して、
(e) の文はそもそも「これはボールペンでない」と思っている人が発する文で、全然別物なのですから、
一方から他方を導くーー〈派生する〉ーーという発想自体が、根本的に間違った前提に立っているーー即ち、直感的におかしいーー訳です。
このような〈派生方式〉(←学校文法も生成文法も残念ながら依拠しちゃってます)が〈直感的におかしい〉という点は、
理論的には次の (α)、(β) ように述べ直すことができます。
(a) This is a ball-point pen.
↓↑: (α)、(β) の問題を抱え込む
(e) This is not a ball-point pen.
(α)「not」が果たして挿入されたのか、はたまた削除されたのか、純理論的には決め手がない(言語獲得上も (a) が (e) に〈絶えず先行する〉とは言えません)。
(=「不確定性の問題(indeterminacy problem)」)
(β)「構造変更操作」(←「not」挿入方式と見做しても「not」削除方式と見做しても)は、「ad hoc な(=その場限りの、その場しのぎの、取ってつけたような、原理も原則も考えていないような)操作」である。
(「ひな形方式」では「構造変更操作は一切不要」と見做し、これに依拠したりしません。
「構造変更操作」などに依拠せず、そもそも「発話プランα」ーー動画参照↑ ーーの段階で〈+Neg(否定)を選択する〉のか否か、〈「not」を選択する〉のか否かを決めてから発話をする〉と見做す訳です。← ただし、いまの時点ではこうした理論上の詳細が全くお分かりにならなくても何ら問題はありません。現段階では、「構造変更操作」などというものは理論上不要なのだという原理的なことのみご理解いただければそれで十分です。)
では、明日以降もどうぞお愉しみに~。
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